ニホンカモシカ
Japanese Serow(Capricornis crispus)

哺乳綱偶蹄目ウシ科。体長1〜1.2m、肩高68〜72cm、ツノの長さ8〜14p、体重28〜50s。日本特産(北海道と沖縄を除く地域)。標高1500m前後の高山地帯の森林に単独若しくはつがいで棲息する。四肢が強く、険しい山地での生活に適応している。目の下にピンポン球ほどの大きさの眼下腺(がんかせん)を持ち、此処から甘酸っぱい匂いの粘液を分泌する。これは縄張り内の目印に擦り付ける事で、匂いによる縄張りの主張を為す役割がある。また被毛の色彩は多彩で、一般に南の地域に向かうほど体色が濃い傾向がある。縄張り意識はかなり強く、自分達の縄張りに入り込んだ別のペアや個体に対してはそのツノで激しく争う。植物食性で、地表の草よりは木の葉や木の芽を好む。毛皮や肉を目当てにした狩猟や住環境の悪化で一時期個体数が減少し、現在では国の特別天然記念物に指定されているが、一方で林業に対し植樹した若木を食べてしまうなど被害がある事も指摘されている。
同様の環境に住む他の植物食動物に比べると性質は鷹揚でのんびりした傾向がある。