ジャイアントパンダ
Giant Panda (Ailuropoda melanoleuca)

今から10年以上も前、とある子供向けのテレビ番組の中で、
「パンダが若しネコのようにありふれた動物だったら?」
と言うテーマでストーリィを展開していた事があった。
考えてみると随分突飛な発想である。
何しろ成長したパンダは全長1.6m、体重は130kg。
大きさにしてツキノワグマと同等、
重さに至ってはヒグマに匹敵する動物なのだ。

そんな動物がネコのように町のあちこちにうろついていたら…。
パンダは爪も牙もネコのそれよりずっと鋭く強い。
人身事故は避けられないだろう。

現在野生では1000頭以下しかいないと言われるパンダ。
世界中で、今彼らの個体数を増やす為の様々な研究がされている。
勿論、私もそれらの研究が実を結ぶ事を強く願っている。

しかし、数が増えても、
ネコのような、街中にありふれた動物にだけはなって欲しくない、
パンダはずっと珍獣のままで、人の生活圏から離れていて欲しい…
そう思うのは私だけだろうか。

※こんな事書いてますが、私は決してネコに偏見は持っておりません。
巨体を有するパンダを、ネコのように扱うのが危険だと言う事を言いたかったんです。
念の為追記します。
<データ>

*分類*
哺乳綱 食肉目 クマ科(後述参照)
*分布*
中国西部の山岳地帯
*大きさ*
頭胴長1.4〜1.6m、尾長10〜12p、肩高70〜80p、体重100〜130kg
*食性*
ほぼ植物食。主食の9割以上が竹や笹。他にクロッカス、リンドウ、カンゾウなど他の植物も食べる。
機会があれば果実、小動物や鳥の卵、魚、蜂蜜なども少しは食べるらしい。
*備考*
食肉動物なのに植物食へと適合した変わり者の動物。性質はおとなしい。
道化然とした独特の白黒模様と、ゆったりした動作が特徴的で、それ故に動物園の人気者である。
前脚の手首の骨の一部(種子骨)が進化した「六指突起」(または「パンダの親指」)を持ち、
竹の枝や果実を器用に手で掴む事が出来る。
高い山に棲息している為寒さには比較的強く、冬眠はしない。基本的には単独生活者。
密猟や環境破壊の為にその個体数は激減の一途を辿っており(推定個体数800〜1100頭前後)、
各国の動物園で個体数増殖に関する研究が為されている。
童話的なその愛らしい姿から、昔から様々な意匠やキャラクターに起用されており、
世界自然保護基金(WWF)のシンボルマークとしても世界中で馴染み深い。
尚、彼等の分類に関しては、パンダ科を設立したり、アライグマ科に含む考えもあるが、
当サイトではCITES(ワシントン条約)の分類に従った。