イボイノシシ
Warthog (Phacochoerus aethiopicus)

哺乳綱偶蹄目イノシシ科。頭胴長0.9〜1.5m、肩高65〜85cm、尾長23〜50cm、体重50〜150kg。サハラ砂漠以南のアフリカ各地に棲息するスマートな体型のイノシシ類。目と鼻先に目立つ大きな瘤があり、それが英語名・和名の由来(英語でWartとは瘤、イボを意味する)。この瘤と湾曲した牙の為に鬼神のような面相になるのが特徴で、欧米では「世界一醜い獣」としてしばしばイボイノシシの名が挙がる。首筋に目立つタテガミがあり、反対に体の毛は極めて短く薄い。非常に早く走り、走行の際は長い尾をアンテナの如く高々と掲げる習性があるが、これは仲間への警戒の合図だと言われる。拓けたサヴァンナにつがいか小さな家族群で暮らし、概ね夜行性。昼間は自分が掘った穴や、他の動物が遺棄した古巣を改築した巣穴で休む。雑食だが極めて植物食に近く、草や地下茎、果実などが主食。稀にフラミンゴなどの鳥類の屍骸や小動物を食べる事もあるが、他のイノシシ類に比べると動物質の摂食頻度は少ない。地面にある食べ物を摂食する為、後脚を伸ばしたまま前脚を折り曲げ、吻部を地面に近づける。この行動の為、前脚の「手首」の部分に皮膚が硬化したパッドがあり、長時間の接地でも手首が傷付かないようになっている。子供にはイノシシ類特有の「ウリ模様」が無く、親のミニチュアのような姿をしている。