タスマニアデヴィル
Tasmanian Devil (Sarcophilus harrisii)

哺乳綱有袋目フクロネコ科。頭胴長52〜80cm、尾長23〜26cm、体重4.5〜9kg。オスの方が大きい。タスマニア特産種。嘗てはオーストラリア本土にも棲息していたらしいが、現在では既に絶滅している。確実に生存が確認されている肉食性の有袋類では最大級の種で、一名を「フクロクズリ」とも呼ぶ。小型のクマのような外見をしており、長い尾と鼻面、耳には毛が少ない。艶のある黒い毛皮を持ち、胸や腰、肩に個体ごとに形状の異なる白い斑紋がある。ほぼ夜行性の動物で、日中は岩穴や倒木の洞、草叢などに潜んでいる事が多い。顎の力はハイエナに匹敵するほど強く獲物の骨まで噛み砕く事が出来、彼等が獲物を平らげた後には脊椎などの硬い骨を残し、後は何も残らない。小型の動物や腐肉などを食べ、交通事故に巻き込まれた大型動物の屍骸には多数が集まる光景が稀に見られる。オーストラリア政府の保護下にある動物だが、近年は生息域の縮小と疫病の流行により個体数が減少している。