*謎多き幽谷の奇獣*
名前と姿絵のみが現存する謎の妖怪で、書物によっては「はいら」とも表記する。
牛に似た胴体と奇妙な獣形の頭部を持ち、両手に一本づつ鎌状の太い爪を有する。見かけは非常に鈍重そうで、常に地面に伏せた状態で描かれている。
この妖怪について詳しく記した書物が発見されていない為、近年、この魔物については随分色々な属性が付加された。例えば「劫を経た蟾蜍(ヒキガエル)が変化したモノである」「深山に潜み、地中の小動物を捕らえて食べる」「凶暴な性格で、しばしば人間を襲う」「オスは土色でメスは赤い色をしている」「茨城県の山中でこれが見つかった記録がある」…云々。
いずれが真実かは今後文献や資料が充実し、詳らかにしてくれるのを待つしかないだろう。
この妖怪を「今は絶滅した未知の動物の奇妙な姿から連想された妖怪」と見る研究者もいる。あながち暴論でもあるまい。