わたしこそ　しんの　グリーンレンジャーだ！

・・・わたしは　いま　といでの　はずれにある
タージマハールとよばれる　ちいさな　みせの
まえに　いる。
こうこうごうかくをもとめる　べんきょうのとちゅう
のうかいというじゅくの　きょうしが
わたしに　つげるのだった。
「よげんが　ただしければ　カレーは　きょうきと　かす。
　その　おそるべき　ちょうてんこそ
　あの　グリーン　カシミールカリー！！
　やつは　タージマハールと　よばれる　みせで
　おとこのなかでも　もっとも　ナイスガイな
　マスターに　ちょうごうされ　にこまれて　しょうかきけいを
　おもいのままに　やきつくそうと　しておるのじゃ！！
　この　もくろみを　うちやぶれるのは
　きが　ちがうもの・・・。
　そう　そなたらだけなのじゃ！！
　タージマハールに　いってくれぬか？
　そして　カリーを　あじわってほしいのじゃ！！」
・・・いかなる　しょうがいも　のりこえ
グリーンカシミールかりーを　しょくすこと・・・。
それがわたしの　はたすべき　しめい　なのだ！！

トビラを　あけた。
これが　ひがんへのいりぐち　というわけか・・・。

ドックン　ドックン・・・。
なんだ？
このみせに　あしを　ふみいれたとたん
しんぞうの　こどうが　はやくなってきた。
このへや　いちめんに　スパイス　の　かおりが
ただよっている！！

ちゅうもんを　おえた。
しばらくし　さらが　はこばれた。
・・・あ・・・っ！！

きっ　きょうふが　かたちになって
さらの　うえに　あらわれたでは
ないか！

ペロリ！！
わたしは　おそるおそる　さらのなかにある
こうばしい　えきたいを　なめてみた。
げえっ！！
みるみるまに　わたしの　せすじ　おおつぶの　つめたい
あせが　でてきた。
な・・・なにが　おこったんだ？
このドロドロした　えきたいには　あせを
ほうしゅつさせてしまう　ようそが　ふくまれていたらしい。

せに　ながれる　おおつぶの　あせ！！
それを　おもうと　これいじょう　すてきなかおりを　はなつ
えきたいを　のむことは　ためらわれた。

すてきな　かおり！！
こまくを　つきやぶるような　あぶらのはねるおと！！
お・・・おそるべき　みりょくてきな　とりにくだ！！
うげえっ！！　うまい！！
スパイスの　ぜつみょうな　ちょうごうから　とてつもない
りょうりが　しゅつげんした。
「よく　きけ！！
　ここが　おまえの　はかばだ。
　カリーのまえに　チキンをしょくさないのは　ばかなやつよ！！」
とつぜんの　こころのこえに　わたしは　したがった。
さいこうの　びみ！！
まるで　かなしばりに　あったように　わたしは
みうごきできない！！

わたしは　なにを　ちまよったか いきなり　グリーンを　くちへ　つっこんだ！！ 
ああっ！！　のどが　もえる！！ 
グリーンは　そうぞうどおり　じごくの　いたさだ！！ 
どうして　こんないたいのに　うまいんだ！！ 
わたしは　わたしの　いしに　したがって じさつこういを　はかった。

じゅもんを　となえた。
「イサダクーシッラ！！」

ゴクッ・・・。
ドロドロした　えきたいが　のどを　とおった。
さわやかな　あじだ！！
まるで　いのちのみずでも　のんでいるようだ。


ふしぎなことも　あるものだ！！
のどの　いたみは　かぜのように　きえてしまった。
はっ　はっ　はっ・・・。
わたしは　おおでをふって　かいけいを　すませた。

せいだいなる　ファンファーレの　あらし！！
わたしは　いま　ジョニー　たいちょうの　まえにいる。
たいちょうを　はじめ　みせじゅうの　ひとたちが
なみだを　うかべて　カリーを　たべおえていた。
「ゆうしゃよ！！　よくやった！！
　よくぞ　グリーンを　せいはした！！
　これで　くにじゅうの　からくちしょくひんを　やすらかに
　しょくせる　きちがいと　なるだろう！！」
さいだいの　えいよ！！　さいこうの　めんえき！！
そして　なによりも　うつくしい　かえりみちの　ゆうひ！！
いや！！　それいじょうに　たいせつなものが・・・！！
「くのうの　すえの　しょうり」だ！！
わたしの　こころに　ふかく　きざみこまれ
いつまでも　けっして　きえることは　ないだろう！！
そのご・・・。
わたしは　えんせいたいの　ベテランと　なった。
だれもが　わたしを　「グリーン　レンジャー」とあがめ
おそれてくれる。
なにひとつ　てきのない　しょくせいかつ・・・。
しかし　ただ１つ　からいものが　あるのだ。
それは・・・・・！！
このごろ　また　「ぼうけんの　むし」が
こころのおくで　さわぎはじめたようだ！！
わたしは　むいしきのうちに　つぎの　えんせいの
たびじたくを　はじめていたのだった・・・・・。