1月16日
地名残った 土方歳三の出身地・日野「石田」
大河ドラマの影響? 市が方針転換
日野市は、同市の万願寺土地区画整理事業に関連し、新選組副長の土方歳三(一八三五―六九)の出身地である旧石田村の「石田」の地名を残す方針を固めた。当初は事業名やモノレールの駅名にも使用されている「万願寺」に統一する考えだったが、地元住民らの要望で方針を転換した。
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日野市の石田寺にある土方歳三の墓
(2001年2月撮影)
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地元には土方の墓や資料館があり、「石田」は五百年の歴史がある地名とされている。市は地区内に多くの飛び地があり、郵便、消防活動や、来訪者に不便のある現状を踏まえ、来年度の同区画整理事業終了を前に、地区内の七つの大字名を一本化し、新町名を「万願寺」にすることを計画。昨年四月の住民アンケート調査でも、市の「万願寺」案に73%が理解を示していた。
これに対し、地元の住民有志らが昨年九月、「歴史ある地名が永久に消えるのは耐え難い」などとし、八王子千人隊の土方勇太郎が育った「新井」(旧新井村)と併せ、地名の存続を求める要望書を提出。同十二月議会でも同趣旨の請願二件を採択していた。
市は今月十日、地区内の地元自治会長に、新町名を「万願寺」「石田」の二つにする案を説明。来月十日まで住民の意見を募った後、市の町名地番整理審議会に諮問し、三月議会に新町名を決める議案を提出したい考えだ。
方針転換の背景には、来年放映されるNHKの大河ドラマ「新選組!」もあると見られ、市まちづくり推進部では「地域の活性化は新選組や土方を抜きに語れない。地元の要望を受け止め、判断させていただいた」と話している。
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