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あまりきばらず気楽に読んでください。New


単独行は危険なのでやめましょう! と思う人は山なんかをやめてしまえ!

 すべてのスポーツには、たいていルールで決められたチームの人数があります。
ルールになっていなくても大体、適切な人数は決まっています。山のぼりの場合はそれは1人なんですよ。
そもそも、複数で登れば、いったい自分の力でその山に登れたのか、他人が助けてくれたから登れたのか、あるいは自分は足を引っ張っただけなんだけど他の人の力が大きかったからそのおかげでたまたま登れたのか、わからないじゃあないですか?そんなんで満足なんですか?

1人では危険だって?
いえいえ山の安全はそのグループの力の平均で決まるんで、素人5人より、エキスパート1人の方が安全なんですよ。これは本当です。

100人通過するとほぼ1人の割合で転落する難所があったとします。1人が通過するときの事故の確率は1/100ですが、10人が通過すれば誰かが事故る確率は1/10に、はねあがりますよね。試行回数が多いほどあたる確率は大きくなります。中学生でもわかります。
数学の問題を解いている場合ではありません。

1人でいたら誰も助けてくれないじゃないかって?それはそうです。でも一緒にいる人が救助できるような技術を持ち合わせていなければ助けられませんよね。単独で歩けない、地図も自分で持たない人が一人で助けを呼びにいかれるんですか?救助技術や確保技術をもっていない人が何人いたって安全にはならないんです。

山は一人で登るのがフェアなんです。

岩登りや沢のぼりではパーティーを組んで、確保するじゃないかって?そうですね。
これは、山の方が圧倒的に強大すぎて太刀打ちできないからハンデをもらっているようなものです。囲碁の「置石」みたいなものです。置石をおかなくても勝負できるようになるまでの練習だと思えばいいですね。ガイドをつける、なんてーのも同じです。
多くの場合、一生ハンデをもらわないと登れない山が多いでしょう。それはそれで山のほうが私より圧倒的に強いのだ、と謙虚になりましょう。
一人で登れないような山だったら登るのをあきらめる、というのが本当はフェアな姿勢です。

山にいって気の合う仲間と宴会するのが楽しいのだ、という人は別に何人で登ったってかまいません。でも少なくとも自分の課題と掲げたり、記録、と意識するならそれはフェアでなくてはいけないのです。「百名山登りました」なんてのも記録ですぞ。

一人で登れないような登山者が何人集まっても力にはなりません。私は別に大勢で登るのが悪い、といっているのではありません。大勢で登るならそのメリットが出せるように、救助技術や、確保も勉強しましょう、それなしでは一人より危ないですよ、といっているのです。

おおかたの人は、なんとなく大勢いるのが安心、という漠然とした安心感に身をゆだね、確保や救助技術を勉強しようなんて思っていません。これは大変危険な感覚です。
一昨年北海道で、悪天のガイドツアーで大勢の人がなくなる事故がありました。この事故は、果たして各々が単独行だったら発生したでしょうか?
「こんな荒れ方じゃ行動できないよな」大半の人はそう思ったのではないでしょうか?ガイドが行くから、みんな行くから、統率を乱せないし、しかたないな・・・そうやってついていったのが、全員でゾロゾロと死にに出ていくきっかけになってしまったのではないでしょうか?大勢いる、ということはかなりしばしば正常な判断を狂わせます。

私がよく口にすることばですが、

「みんなで行けば怖くない」感覚こそ、最も問題視しなければなりません。

2010年11月