シーズンオフ2017 2017/12/02更新
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山は雪のあるときがいちばんです。もちろんスキーができるからです。でもスキーがなくてもそれはそれで楽しいです。
お金がかからず、時間がかからず、それでいてそこそこ充実感があって、シンプルな行動を善しとします。
できれば、その日思い立ったらデイパックをつかんで家を出るようなすっきりとした山行がいい。


ハンマーヘッド 丁須の頭


鎖を固定する支点にプロテクションを取っていく 岩はかなり凹凸があり、鎖なしフリーもできそうだ。


丁須の頭ピーク 記憶しているのより狭い


裏妙義縦走の名所 赤岩から烏帽子岩間の桟道トラバース


山麓ではまだ紅葉が残っている


2日目、岩の要塞 金洞山


鷹戻し ここも適切な安全策を施せば何ら問題はない。度胸だめしで突っ込むには危険。

妙義山

グリーンシーズンのガイド仕事も落ち着いた。
時間ができたので、ガイド仲間とプライベート山行
ガイド2人でいくのだから、少しマニアックなところへ行こうよ!というわけで、妙義山へ。


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裏妙義 丁須の頭(ちょうすのかしら)
2017年11月27日(月) ,

1日目は裏妙義の奇峰 丁須の頭

20代のころ何回か登りに来た。
もう、丁須に登る機会なんてないだろうと思っていた。
ガイド仲間の松田さんが、ある日突然「丁須の頭っていったことあります?」という!

この一言で、眠っていた妙義スピリットに火が付いた。
よし、また登ろう

金槌の頭みたいな岩が残っていて、見かけはかなりエグい。
鎖が下がっており、登ることができるが、他の山の鎖とは一線を画する。キノコ部分の出だしは少し被っており、鎖を掴むと、足元の切れ落ちた絶壁の上にぶら下がる状態になる。ここでパニックになると登れないだろう。転落事故も結構起きている。

しっかりした支点があるのだから、ロープで確保すれば、転落は発生しない。ここは絶対にロープを使うべきである。
ある動画サイトで、ここをロープを使用して登っている画像に、
「鎖が設置されている山でロープなんか使うな!渋滞して迷惑だ」と書き込んでいた人がいたが、それは間違っている。
北アルプスあたりの鎖と同じではない。
確保や、ロープの使い方のわからない人は取付くべきでない。

丁須のあとは、そこそこスリリングな岩尾根を三方境まで縦走。
冬枯れの上州の山を楽しめた。


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2017年11月28日(火) ,
表妙義 金洞山(こんどうさん)

昨晩は道の駅みょうぎに車中泊。
今日は昨日より良い天気だ。

今日は表妙義の金洞山

難所として有名な、「鷹戻し」をいく。
難所といっても登山道、ここも丁須の頭同様、ロープで確保することでまず安全に通過することができる。

むしろその前後に気の抜けない泥斜面、絶壁の際、被った鎖などがあり、どうやって通過するか、すばやく判断する必要がある。
全部確保していたら日が暮れるし、本当に危険なところで落ちたらただでは済まない。
どこでロープを出して、どこでしまうか、センスが問われるところだ。
自分や同行者の実力と、今、目の前の岩場を比べて、どう通過するべきか、そんなトレーニングには絶好の場所。

出典:国土地理院 25000分の1地形図 戸隠


鏡池から朝の西岳 一番目立つピークは本院岳だ


鏡池から楠川の谷に下降し、沢を4本渡る。浅い沢だが、橋はなく、増水時は要注意だ


沢から急斜面をあがり、採草地で一休み


さらに一時間ほどブナ林を登り、望岳台を過ぎるといよいよ岩場が始まる。
ブッシュに覆われていて露出感に乏しいが、下は絶壁であり、油断できない
鎖と鎖の間のブッシュ歩きは要注意である。転倒したらブッシュをなぎ倒して落下すると思った方がよい


猿の岩場 鎖が連続する でも本当に危険なのは、鎖と鎖の間のヤブだ


無念の峰の下降
鎖からハシゴに移る箇所が案外悪い



西岳の「蟻の塔渡り」表山の蟻の塔渡りより幅が広く易しい 
むしろその直後の鎖場の方が滑りやすく、悪い


P1に到着 先行の2人連れ 妙高のガイドさん


稜線は気持ち良いが登山道はあまり手が入っていない


西岳から本院岳への途中の切戸 ヤブがあるのであまり露出感がないが、危険


西岳〜本院岳間の沢の源頭


本院岳から八方睨間の登山道はブッシュ ルートロストに注意


八方睨に到着 ここからは一般道


時計廻りで周るとここを下降しなければならない


露出感こそ高いが、まあ気を付けて行けば安全な場所である



五十間長屋からは全く普通の登山道
先ほどまでの西岳のヤブ急降下から見ると、どんな下り方をしても構わないほどに見える


15時に鏡池に到着 所要8時間45分

戸隠連峰西岳 ソロ

2017年9月5日(火) 


プライベート山行の時間ができたので戸隠西岳へ
家から登山口まで一時間かからないという便利さ、そのうえそこそこ充実した山歩きができます。
悪い箇所を的確に要領よくこなさないと時間が厳しくなりますから、テストピースとして好適。
今までは反時計廻りに周回していたので、今回初めて時計廻りをやってみました。

でもそうすると、表山の蟻の塔渡りを下降しないといけなくなります・・
こわ〜



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岩場そのものはさして難しくはない
西岳の難しさは、そこそこのスピードが要求されることである。
「ゆっくり確実に行けば大丈夫だよね」が通用しないのである。ゆっくり進んでいたら時間がなくなってしまう。
地図を見てほしい。奥社から八方睨までの距離で疲労困憊していては歩ききれないのが良く判る。

また最近の中高年のグループのように10人もいたらどうなるか。全員が鎖を通過するのを待っているだけで陽がくれる。

岩場をみてさっと判断し、行動していかなければ明るいうちに周回できないし、藪だらけの登山道でルートロスト、右往左往していたら致命的である。

いわゆる「山カン」が物を言う山である。
こういう山はソロが良い。多くても3人までだ。
それ以上はリスクが増す。大勢いたって墜落事故は防げない。
荷物を軽量化し、パーティーもスリムにし、天候を見極め、動物のようにスピーディーに動くこと、そんな登山だ。