右が大型獣のトレース、左が私のトレース
黒岩山頂 積雪は80cmくらいか
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25日ころから少しまとまった降雪があり、北信濃のスキー場もほぼ滑走可能になった。関田の密藪がかくれるためには、山にはまだ雪が足りないだろうが、黒岩山は、旧信濃平スキー場の跡があり、少なくともそこは滑れるだろうと踏んで出かけてみた。登りは、冬季通行止めになる「平丸峠」までの車道をたどれば良いだろう。
顔戸集落の最上部に旧信濃平スキー場の第一日帰り駐車場というのがあり、ゲレンデが営業していない現在でも、なぜか3〜4台停められるくらいのスペースを除雪してくれている。そこをありがたく使わせてもらう。
今回は、旧ゲレンデのレストハウスに作業で入っている人がいるらしく、そこまで細々と除雪されている。そこはスキーで登る。
車道沿いにスキーで上って行くが、途中、鹿か熊と思われる大型獣のトレースがあり、それにそって登っていく。蹄ではないようなのでカモシカではないと思うが・・
途中から、日の当たる部分では雪がシールに付着し、ゲタになり始める。スキーを脱いで落とし、ワックスを塗ってみるが、数分歩くとまた元に戻ってしまう。最初はストックで叩き落していたがきりがなく、そのまま歩いていると、スキーの表側にも雪が付き、スキーは太さ10cmほどの雪の棒と化し、足かせ以外の何ものでもなくなってしまう。次第に足を上げるのがきつくなり、(滑らせて前に出すことができない・・)股関節が痛くなってくる。「何なんだよ!」とか「いい加減にしてくれ!」とか叫びながら歩くが、何も状況は好転しないしだれも助けてもくれない。
一気にペースダウンし、黒岩山まで5時間近くのラッセルになってしまった。なんとか黒岩山頂まで達するが、下降する予定の南側の尾根にもあまり雪はなく、藪は隠れていない。それでも林道ではなく旧信濃平のゲレンデ跡を滑りたかったので南下する尾根をいく。藪の中をじりじりとボーゲンでずり降りるようなスキーで何とかゲレンデ跡のトップまでいく。
ゲレンデ跡も薄くブッシュが出てはいたが、ススキの葉っぱ程度なのでお構いなしに滑っていく。ちゃんと滑れたのはそこだけだ。
最高の好天なのに最低のスキーだったな、とつぶやいて車に戻った。
家に帰ると、久しぶりに手こずった山が、貴重なものに思えてきた・・・
関田をはじめとする、これら低山は、雑誌のガイド記事どおりに行動していればほぼ確実に快適に「成果」を手にすることができる有名山岳とは、まったく対照的な山である。情報は得にくいし、トレースもまったく期待できない。
自分が関田山脈に期待していたのはこういう「ほろ苦さ」のような気もする。でもシールのだんごはない方がいいよね。それは山域とは関係ないもんね。何か考えよっと・・
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