高島トレイル スルーハイク(の予定が4日目エスケープ)  2015/11/16更新
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2015年11月11日(水)〜11月14日(土)
山川(ソロ)

高島トレイルは滋賀県高島市、琵琶湖の湖西の山々に開かれたロングトレイルである。全長80kmのスケールから、東の信越トレイル、西の高島トレイルと言われる

東の信越トレイルは、私のホームゲレンデだ。
ある意味、上手く歩けてあたりまえ、だ。
アウェーのトレイルを同じように歩けるか?最後までモチベーションを維持して、長いトレイルにとけこめるか、興味のあるところだ。

信越トレイルでは、一足早くグリーンシーズンのガイドも一段落した。
スノーシューが始まるまでの間、ちょっと時間がある。
高島トレイルを歩いてみよう!


データを見る限り、ハードさ、といった面では高島トレイルの方がやや標高差もあり、手ごたえがありそうである。なんといっても、マナーを守ればどこにテントを張って泊まっても良い、というワイルドさが魅力である。いまどき、国内にそんな山歩きができる場所は少ないだろう。

私が確保できた日程は3泊4日、1日9〜10時間は行動しなくてはならない。日が短い時期なのでてきぱき行動することが必要。1日位、雨の中を行動する日もあるだろう。

4日間、笑って歩けるか!自分としてはワクワクするチャレンジだ。とテンション高く乗り込んだんだが・・・


夜明けの琵琶湖 長野県の湖とはスケールが違う


乗鞍岳付近 眺望のよい草原 標高の割に気象が厳しいことが想像できる
高島トレイル1日目
愛発越〜乗鞍岳〜黒河峠〜三国山〜抜土 
19.5km  
2015年11月11日(水) 

昨夜長野から移動、道の駅マキノ追坂峠で車中泊
琵琶湖が目と鼻の先であり、美しい!海のようだ・・・
マキノ駅に駐車してバスで国境(愛発越)へ
たった一人の挑戦が始まった。

スキー場のゲレンデから登り、中央分水嶺の尾根まであがると、琵琶湖の眺望がすばらしい山々になる。
里山なので、電波の中継塔があったり、作業用の林道があったりする。

晴れているが、この付近は露出感の高い草原なので強風が冷たく感じる。

バスでアプローチした場合、スタートが9時を過ぎるので、初日は黒河峠までが一般的なスケジュールとなる。

しかし3泊4日で抜けるには、本日は何とか抜土まで行きたい。この時期、天気がよくても5時には暗くなる。コースタイム的にはぎりぎりなので、何かロスがあると日が暮れてしまう。
歩いてみたところ、枯葉の積もった林の中を周囲の様子を見ながらルートを探す、という部分も多く、ヘッドランプでは行動しにくい道のようだ。

黒河峠には12時半ころ到着。
ここで泊まってしまうのは残り半日もったいない。休憩後行動再開するが、三国山歩道の標識と、高島トレイルのマップのルートが少々違っており、20分ほどうろうろする。
午後はまるでラリーのような行動になった。
「コースタイムだと到着は17時半だな、もう少しペース上げた方がよいかも・・」てな具合。

抜土の林道に降り立ったのは17時10分
真っ暗になる寸前だ。
手早くテントをはったつもりだが、張り終えたときはすでに真っ暗。
気が付かなかったんだが、テントの下にシカの糞が散乱していた。
でも抜土の林道周辺はどこも鹿の糞だらけで、どこでも同じだったけどね。

日中、日帰りのハイカーに会っただけで、テント泊はだれもいない。
シカの鳴き声だけが響く、自然に囲まれた夜。
夜中に野生動物が周囲を歩きまわるカサコソという音がする。


9:10 国境スキー場
17:10 抜土


大御影山周辺 信越トレイルを思わせるブナの森


武奈ケ嶽山頂 ここから激下りが始まる

高島トレイル2日目
抜土〜大御影山〜武奈ヶ嶽〜水坂峠 
 19.2km
2015年11月12日(木) 

昨日テントを張ったときはすでに暗かったので、周辺の状況が良くつかめず、明るくなるのを待って6時20分スタート。

林道から1分ほど入ったところにぶな林の中のきれいな平坦地があった。知ってればそっちにテントを張りたかったところだ。

今日も良くはれており、昨日より風もなく、絶好のコンディションだ。
近江坂から先は信越トレイルを思わせるブナの純林があり、美しい。

三重岳、武奈ケ嶽と尾根上のピークを越えていく。

高島トレイルは、標高差300mほどの登りが一日に2〜3回はあり、累積すると一日に標高差1000m以上は登下降していることになる。決して楽なトレッキングではない。

特に水坂峠への下りは標高差600m近くを一気にくだるので、負担がかかる。

水坂峠に降り立つと、思い込みで車道を右にいってしまい、少々うろうろする。実際のトレイルは降り立った地点を少し左に進み20mほどの地点から山に入る。

今日の泊場はトレイルに入って、2〜3分登った杉林の中にする。すぐ下を沢が流れており、水もくみやすい場所だ。少々暗く、陰気くさいのが残念。
ここはdocomoの電波が入り、メール受信等ができ、家族に状況を連絡することもでき、一安心。

6:20 抜土
7:55〜8:00 大御影山
13:00 武奈ケ嶽
15:20 水坂峠



水坂峠のテントサイト 杉林の中で暗い


桜峠付近 人里が近く牛が飼われている

高島トレイル3日目
水坂峠〜木地山峠  22.3km

2015年11月13日(金)

天気予報では明日は雨になるようである。
なるべく装備や体を濡らさないよう、今日は雨になる前にテントを張ってしまいたい。昨日より1時間早く、5時10分にスタートする。まだ真っ暗なのでヘッドランプ使用になる。コースミスをしやすいので昨日少し登って様子をみておいた。

二の谷山を越え、桜峠付近で一回人里にでる。工事をしていたり、牛がたむろしたりしている。
木地山峠にはほぼ予定通り明るい時間についたが、次第に風が強くなってきており、雲も増えてきた、なんとか明日一日もってくれないか〜

峠から東方面、木地山の方に5分ほど下ると沢の水が汲める。

夕飯を食ったころから雨が降りだす。
明日、もし荒天になってしまったら、どうするのが良いか?

1.予定通り朽木桑原まで歩く
かなり早く、5時前には出ないとだめだな

2.おにゅう峠か地蔵峠でもう一泊し、日程を一日のばす
食料はあるが燃料がぎりぎりだ、そもそも荒天時にテントを張れるような場所があるだろうか?

3.百里ケ岳を越え、朽木桑原に下山する
これだとスルーハイクはあきらめざるを得ない。しかも百里ケ岳を越えるには標高差300m以上登る。これができるくらいなら予定通り歩けるかも?エスケープになるのか?

4.木地山峠から木地山に下山する。
もっとも人里に近いエスケープルートだが、バスダイヤとか調べてない。トレイルの状況も不明 沢の近くを通過するので大雨だと危険かも・・・


とりあえず現在の状況であれば「予定通り朽木桑原まで歩く」で準備しておこう。天気予報を聞くが、近畿地方でも南部はかなりの量の雨が予想されるようである。

ひとまずおやすみなさい
といったが、だんだん風雨強くなる。不安な一夜


5:10 水坂峠
15:15 木地山峠



完歩できなかった悔しさを胸に暗い杉林を下る。


下山した木地山のバス停 公民館の一部がバス待合室になっている
高島トレイル4日目
木地山峠〜木地山エスケープ
 5.7km
2015年11月14日(土)

スルーハイク最終日
昨日寝るまでは、5時からヘッドランプで歩き出し、予定通り朽木桑原に抜けるつもりでいた。 しかし・・・

夜半からの暴風雨は荒れに荒れた!
風はジェット機のように轟音をたて、テントには枯れ枝がバサバサと飛んでくる。大きな枝でも直撃すればテント大破である。雨も叩きつけるように降りだし、飛ばされないよう張綱を確認したり、ほとんど眠れなかった。

外に出てみるとまっすぐに歩けず、風の間隙をぬってぱっと数歩歩くしかない。今日は11時間近く行動しなければならない。
スピードが遅いと暗くなってしまうだろう。
・この時期に激しい風雨。
・長い行動時間。
・あまりカロリーの高いもの食ってない。

低体温症に陥るリスクはたっぷりだ。
もう一日日程を伸ばす選択肢もあるが、この風の中安全にテントを張れる場所があるのか判らない・・・「信越トレイルのガイドさんが高島トレイルにやってきて遭難した」なんてシャレにならないのである。
・・・・・・・・・・
もっとも近い、木地山に下山することにした。


6:35 木地山峠
8:50 木地山

木地山では次のバスまで4時間以上ある。うんざりだが、屋根のあるバス停なので、荷物を整理したり、軽く何か食ったりして待つ。吹きさらしだったら辛かった。
バスで安曇川へ JRでマキノに戻る。

午後からは朽木では土砂降りの雨になった。逃げ場のない山の中を歩いていなくて本当によかった・・・

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高島トレイルは標高こそ低いが、日本海の気象をまともに受ける、厳しい場所である。風の強さは高山なみであろう。前半の木々の背が低い草原はその影響だった。

また、いい意味で「ほったらかし」である。北アルプスのように逃げ込めばサポートしてもらえる小屋のような場所は皆無だ。
テン場も水も、トイレもすべて自分で考えて行動しなくてはならない。

再訪する理由ができた。
偉大なる里山「高島トレイル」は手強かった