――――― あとがき ―――――
 
 大変ご無沙汰しております。お久しぶりです。風薙真人です。
 まずはお詫びを。前作「トップ・シークレット」から実に7ヶ月もお待たせしてしまいまして、本当に申し訳ありませんでした。言い訳はいたしません。すべて僕の執筆能力の未熟さゆえです。
 7ヶ月の間にさまざまな出来事があり、「大東仙界伝」の実執筆期間は2ヵ月半ほどです。それでもたったのこれだけ。忙しさと執筆能力の未熟さがこんな形になってしまいました。申し訳ありません。
 では、本題の「大東仙界伝」についてお話しましょう。実際のところ、中華ファンタジーを書くのは2回目です。中学のときに書いた処女作「万里幻想創世記」で1度経験しています。が、だからといってスイスイ書けたわけではなく、たしかにストーリー展開やプロット構築の面ではかなり楽だったのですが、やはりブランクというのは大きいもので、かなりてこずりました。キャラクターの個性を出すのに思いのほか手間取りまして、何度か書き直したのです。
 では、キャラクターの名前について解説など。
 ・清華
  「清く美しく」というのがはじめに出てきたイメージです。「清く」はそのまま使い、「美しく」といえば花だろうということで、ただ、「花」ではなく「華」を使いました。実際の清華はあんまり最初のイメージどおりにはいかなかったのですが(笑)
 ・春麗
  コンセプトは清華と似ています。訓読みすると「はるうらら」ですね。実は、どうにも個性が出しにくかったキャラです。書き終わって気づいたんですが、「春麗」って某格ゲーに出てきてましたね。
 ・香茜
  「茜」という文字を使いたかったんですね。これは単に語呂がいいので「香」をあてました。
 ・蒼俊
  男の子を出そうと考えたとき、「蒼の文字はほしいな」と思っていました。青は好きな色なので。「俊」は、これも語呂がよかったので。
 ・ミンハ
  実は、サッカー韓国代表の選手の名前をいろいろ吟味して作ったのです。漢字「朴 敏河」も、韓国代表の選手の名前からいただきました。

 さて、今回人界での舞台を現代の韓国にしました。通例ですと古代の中国、とりわけ唐の時代の中国がよく使われるのですが、そこは流行に乗りたくない性格なので、僕自身の設定を作り出してしまいました。お楽しみいただけたでしょうか。
 さて次回作ですが、今度こそ「AGPC3〜卒業物語〜」を書きます。今回はミステリーっ気を全く取っ払って、彼らの純粋な日常を描こうと思っています。いつごろ書き上げられるかわからないのですが、どうか長い目でお待ちいただけるとうれしいです。
 末筆になりましたが、この小説を読んでくださったすべての皆様に、心より感謝いたします。

2002年 初夏
風薙 真人



©2002 SHINTO KAZANAGI
      Printed in Japan.
 
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