言わずと知れたナムコの超名作レーシングシュミレーション第五弾、通称「R5」(反応するな、BMer達よ)のアーケードバージョンが登場だ。ただのレーシングシュミレーションじゃない。なんせオリジナルは、あの「PS2」のソフトとして発売された超ハイスペック作品だ。並の映像効果で満足する作品じゃぁない。
特筆すべきは、やはり画像だ。僕は今まで「バトルギア」「デイトナUSA」「コルソイタリアーノ」「セガラリー」など、様々なレーシングシュミレーションを見てきた。だが「R5」は別格だ。今までの作品は2Dで3Dを表現しているふしがあったが、この作品は違う。完全なる「3Dレーシングシュミレーション」だ。やってみればわかるが、「R5」をやったあとに他のレーシングゲームをやってみると、ポリゴンがなんとも荒いこと荒いこと。いくら以前の作品とはいえ、ポリゴンのなめらかさは比べるべくもない。そこにナムコの一流映像効果技術が加わったときた。そう簡単に打ち崩せるもんじゃない。
まだまだあるぞ。待望の「左ハンドル仕様」だ。つまり、シフトが右側にあるのだ。これは使いやすい。ちょっとした動作をするには、右利きのユーザーにはうれしい。
コースもなかなかだ。イージーからハードまで4種類(ノーマルは2種類)のコースが用意されているが、走ってみるとイージーでもなかなか手応えがある。コース自体のレイアウトはもちろん、ライバルとなるCPUカーの速いこと速いこと。コースレイアウトについて言ってみれば、とりあえず初心者ではちょっとキツイかもしれない。イージーコースでも90度ターンはもちろん、イチハチターン(180度ターン)も要求される。レーシングゲームにある程度慣れていないと、クリアはちょっと難しい。2種類のノーマルコースはほぼ同じ難易度といっていい。後ろにあるほうがより難しいとか、そんなことはない。ただ、コースレイアウトが違うぶん、ちょっと乗り方を変えないといけないのは言うまでもない。でも、タイムオーバーになるほど難しくはないので、そこいらのレーシングゲームで中〜上級が走れるのなら、ノーマルからはじめたほうがすんなりいけるかもしれない。ハードは難しいよ。並の運転テクニックじゃダメだ。今までのゲームで上級がちゃんと走れる程度まで達してないと、クリアは難しい。まぁ、周回数が3周と少ないのが救いかな。そのかわり、カーブが多い。高速コーナーはもちろん、ヘアピン、S字、スプーンと、ありとあらゆるコーナーが組みこまれている。タイムの縮めどころはホームストレート。ここでいかに最高速をのばせるかで、クリアとタイムオーバーの境目ができる。
さて、操作系とその他筐体についてだが、シートがスライドできないのはマイナス要因かな。やっぱり人それぞれ自分にあったシートポジションがあるわけだから、シートはスライドできたほうがいい。それから前述のとおりシフトは右側だ。ただ、UP&DOWN式なのは、僕にとってはマイナスだ。あの形は使いづらい。「デイトナUSA」のような、4速アクティブシフトのほうが、現実的で使い勝手も格段にいい。ハンドルは少し小さめ。小柄な僕にはちょうどいいが、一般的に見たら少し小さすぎるのではないだろうか。いつも思うけど、ハンドルはもう少し曲がったほうがいい。きついコーナーでは、ブレーキやシフトを使ってめいっぱいハンドルをひねっても曲がりきれないことが多々ある。せめてもう45度欲しいところだ。
では、ゲーム中でのブレーキの効き具合だが、車によってそんなに大差はない。が、全般的によく効く。けど、一回でイチハチターンができるというわけではない。オートマででイチハチターンをするなら、アクセルオフ&ダブルブレーキ→カウンターステアがセオリーになるだろう。アクセルオフもブレーキも減速幅が大きいので、カウンターのタイミングをミスるとたちまちスピードダウンでタイムロスしかねない。その反面、ちょっとしたきついコーナーでもアクセルオフだけでやり過ごせるという利点もある。ま、慣れとカンが必需品になるのは言うまでもない。
おっと、サウンド面の紹介を忘れてた。今回も魅せてます、ナムコサウンドチーム。典型的なレーシングビートでありながら、ちょっと新鮮さもかもし出す独特のバランス。やるねぇ。これぞレーシングサウンド!そのままF1のテーマ曲にもできそうなハイクオリティな曲ばかりだ。ただ、シートに内蔵されたバッキングスピーカーから出る音の音量には、ちょっと文句だね。一言で言うと、うるさい。運転の邪魔になるほどじゃないが、少し音量がでかすぎる。サウンド面でのマイナス要因はこれだけだ。
次はビューチェンジ。もうおなじみの機能だが、「R5」で採用されているのはオンボードビューとビハインドビューの2種類。オンボードビューに問題はないが、ビハインドビューの視点がちょっと低い。もともとシートが低めなだけに、視点が低いのは痛い。もう少し高くするか、でなけりゃもう1種類高いビューポイントが欲しかった。
さぁ、どうだろう。プレステの「R5」を買った人もそうでない人も、一度やってみる価値はある。もうすぐPS2ではレーシングシュミレーション超大作「GT3」が発売となるが、「R5」も忘れないでほしい。この冬、アーケードのレースシーンを一変させること請け合いだ。 |