第二回:A列車でいこう(アートディンク:PS&PS2)

 都市開発シュミレーションとして有名な「シムシティ」。「A列車でいこう」シリーズ、通称「A」シリーズは、シムシティと同じ都市開発シュミレーションである。
 Aシリーズでは、ゲームを進めていく上で列車が重要な要素となっている。簡単に言ってしまえば、列車を走らせないと町の人口も増えないし、人口が増えなければ自会社の保有する子会社も儲からない。儲からなければすぐに資金がそこをつき、ゲームオーバーとなってしまう。早い話がこのゲームは、「限られた資金の中でいかにして列車を運行し、町の人口を増やし、子会社を増やして儲けていくか」ということが重要なのだ。僕がやったことがあるのは「A列車でいこう5」通称「A5」なので、それについて説明していこうと思う。
 ゲームをはじめる前に、プレイヤーは自分が町を作っていくマップを選択する。マップの種類は「ニュータウン構想」や「新興住宅地」など、全部で15以上があり、マップによって使用するメモリーカードの容量も違ってくる。また、初期保有子会社や初期資金まで違うので慎重に選ばなければならない。
 ゲームをはじめてプレイヤーがはじめに行わなければならないことが、資材の確保だ。はじめはマップの外に通じている線路や道路を利用してマップの外に貨物列車やトラックの派遣し資材を持ってくる。ある程度資材がたまれば工場を建てて、今度は工場で作った資材で他の子会社(例えばマンションやホテル、デパートなど)を建てていくことも出来る。さらに列車やバスなどをを運行させ、人口の増加をはかる。僕の場合、旅客列車をマップ外へ送り出してしまうと、貨物列車と途中で衝突して動かなくなる可能性があったので、マップ外へは主にバスを送り出していた。
 そうしてある程度人口も増えてくると、今度はもっと遠くへ路線を延ばしてみる。路線を延ばしたら、まずは資材を駅の周辺に確保し、その資材を利用してマンションやデパートを建て、いよいよ旅客列車を運行させる。するとどうだろう。今までひとつの地域に集中していた人口が新しく開発された地域へと分散し、列車の売上も好調だ。この作業を繰り返してマップ全体に線路と道路を張り巡らせて、収入を安定させていくのだ。
 資金があまってくるとなにかでかいことをやらかしたくなるのが人間というもの。そういう人のために、いろいろな高額物件が用意されている。超高層ビルや空港といった高額物件は、維持費こそかかるものの買値に見合った収入もきちんと生み出してくれる。とくに超高層ビルのひとつ「A5ビル」は、買値がべらぼうに高く、維持費もばかにならないのだが、経営が軌道に乗ってしまえばその収入もまたとんでもなく多く、資金が増えていくこと請け合いだ。
 さて、こういったゲームでは開発の中心がどうしても「地上」の向いてしまいがちだが、「地下」というエリアもまた、物件こそ建てることは出来ないが、列車を通すことなら出来るので、地上を子会社で埋め尽くして列車は全て地下鉄にする、といっためちゃくちゃなプレイも可能なのだ。また、いくつかのマップには川や海が存在するものがあるが、水は基本的に高度レベルマイナス1までしか入りこめない。このゲームでは高度レベルマイナス2まで開発可能なので、川や海の下を通る、いわゆる海底トンネルなどというものまで作れるのだ。僕はこれでなかなか遊ばせてもらった。
 マップが子会社で埋まってしまい、工場の資材の使い道がなくなってしまうと、そこから赤字が広まり、急速に町が衰退してしまうこともある。そういうときは工場で作った資材を貨物列車でマップ外へ運び出し、売ってくるのがいい。これで赤字も防げるし、売ったお金でまた資金が増えていく。
 このゲームには明確なクリア基準がない。だからいつでもゲームをやめられる。でもやればやるうちに自分が作った町の中に入りこんでいってやめられなくなる。「A」シリーズはそういうゲームなのだ。はじめのうちは思うように成果が上がらなくて苦戦するだろう。やめたくなるときもあるだろう。でもそこでもうちょっとがんばれば、自分の理想の町が出来あがっていく。あなたも一度、自分の理想郷を追い求めてみてはいかがですか?