14ヶ月ぶりの更新となりましたゲームレビュー。今回ご紹介するのは、「デ・ジ・キャラット」で世間にその名を知らしめた、ブロッコリーのもうひとつの看板タイトル「ギャラクシーエンジェル」のゲーム版です。
本をただせばこのギャラクシーエンジェル、3年前にCS放送「ブロッコリーチャンネル」で放映されていたアニメが最初。2002年10月にテレビ東京系で第3期のアニメが放映されましたが、さて、このゲーム版は、それとはまったく、それはそれは見事なまでに違った世界設定になっています。
舞台は架空世界の大国、トランスバール。惑星トランスバールを首都本星とし、縦横無尽に広がる広大な領域。時空震と呼ばれる大災によって文明のほとんどを失った宇宙に、再び文明をもたらしたのが「失われた文明」ロストテクノロジー。
トランスバール暦417年、“元”皇族のエオニアによって引き起こされたクーデターは、トランスバール本星を簡単に陥落させ、10歳の少年たった一人を除いて、すべての皇族を死に追いやります。
このクーデターを鎮圧すべく、惑星防衛艦隊旗艦「エルシオール」と「ムーンエンジェル隊」の戦いが始まるのです。
ジャンルとしては、アドベンチャー&シミュレーション、といったところでしょうか。5人の少女たちが物語の主役となるこのゲームは、例に漏れず「ギャルゲー」的な要素が含まれます。5人の中から好みの女性を選んで猛烈アタックをかけてそのハートをゲットする。ADVパートのメインをまさにそれです。ですから、ADVパートに関してレビューするようなことは特にないでしょう。
見ていただきたいのはSLGパート。プレイヤーは、艦隊旗艦「エルシオール」の司令官となって戦闘指揮をするのですが、リアルタイムで進行する戦闘のさなかで5機の「紋章機」を同時に操るのは容易ではありません。操作系は、もっとも操作が簡単なコマンド入力方式。攻撃、移動、待機、補給など、10項目以上に及ぶコマンドから、そのときの状況に応じた命令を出すというわけですが、なにしろそれぞれ特徴、というかクセのある5機の機体ですから、動き方も戦い方も性能さえも五機五様、てんでバラバラです。
戦闘中のポイントになるのは、唯一機体修理機能を搭載した「ハーベスター」の操作と旗艦「エルシオール」の操縦です。攻撃に関しては、紋章機は自動索敵機能をONにしておけば勝手に敵機をぶっこわしていきますから心配は無用です。目を光らせるべきはむしろ防御。主に回復のことですが、HPはハーベスターに任せるとしても、エネルギーはエルシオールでないと補給できない。だからといってエルシオールを戦闘宙域に突っ込ませると、壮大な歓迎を受けてたちまちゲームオーバー。さてさて、思案のしどころです。
SLGパートの3DCGを担当したのは、「A列車で行こう」シリーズでおなじみのアートディンク。あのゲームを作っているくらいですから、3DCGは得意中の得意とあって、かなりハイクオリティな映像が楽しめます。PS2の能力を遺憾なく発揮した3Dムービーは、めまぐるしく変化する戦闘の進行状況にも的確に対応。機体それぞれが持つ各種のエフェクトも、迫力があるとまではいかないものの、精巧に作られていて、さすがといったところ。
広大な世界を飛び回り、次々と現れる敵機を撃墜しつつ、個性豊かな5人の少女たちと共に歩む栄光への道。
宇宙規模のラブ・ストーリーを、ぜひお楽しみください。 |