ブエル[Buer]
 
 古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称する17世紀の魔術文書『レメトゲン』(ソロモンの小さな鍵)の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。また、黙示文学をモデルとする「偽エノク文書」の目録にもその名前が記されている悪魔。強く海星(ヒトデ)と関連づけられている。
 太陽が人馬宮(いて座)の位置にあるときに召喚することができるとされ、呼び出した魔術師の前に海星の姿で現れるという。「偽エノク文書」においては病を癒す力を持つとされ、召喚した者に哲学や論理についての知識を与えるといわれている。
 ブエルは有名な悪魔だが、その理由はコラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』の挿絵の影響によるものと思われる。悪魔学に関してはそれほど専門的な知識をもたなかったプランシーは同書の中で、ブエルを五本の脚をもち、転がりながら歩く悪魔として紹介した。この記述を挿絵画家のM・L・ブルトンは放射状の五本の脚をもつライオンの姿で描写した。強い印象を与えるこの特異な肖像画によって、ブエルは有名な悪魔になったのである。
(新紀元社「悪魔辞典」山北篤/佐藤俊之監修より)





・・・という「ブエル」が実在(?)の悪魔だと知ったのは、実はかなり後になってのことで、オレがその名前と初めて出会ったのは、BD5(’94)の初夏にさかのぼります。

名古屋PARCO内にあるアストロドームというプラネタリウム。そのときのテーマは
「星空のファンタジア〜悪魔と旅するスペースワールド」
でした。

ナレーションのお姉さんと、フラリとプラネタリウムに立ち寄った悪魔・ベーゼゼブ13世(教授)のかけあいで、ナレーションのお姉さんが人間界の星座を紹介するのに対し、教授が魔界の星座を紹介していきます。
(以下 ナレーションのお姉さん=ナ, ベーゼゼブ13世=ベ



ナ: 人間界なら、教授、高貴な方には(夜空に冠座が現れて)冠がつきもの。如何でしょう、教授にふさわしい星座ではありませんか?
ベ: うわぁっ!!命の恩人ならぬ恩悪魔の星座に、なんてことをするんだっ!我々はこの並びをブエル座と呼ぶ。(冠→ブエルの姿に)
ナ: 変なのぉ。
ベ: 馬鹿者。ブエルさんはな、魔界の偉大なる医者なんだぞ。常に危険と隣り合わせの我々悪魔を、命がけで救い続ける悪魔偉人伝の筆頭なのだ。
ナ: へぇ〜、この方がお医者様!悪魔もみかけによらないもんなんですねぇ。
ベ: あぁ〜。これだからお前ら人間はセンスねぇって言うんだよ。ブエルさんのスタイルには究極の機能美、活動する美の到達した姿があるんだ。はぁ〜。お前らの下等な感性がオレ様は悲しい。なんて哀れな奴等なんだろう。
ナ: あ〜あ、付き合い切れません・・・。



このナレーションのお姉さんを担当されたのは、戸田恵子さん。
アンパンマンの声や、最近ではドラマ「ショムニ」で活躍されていますが、でも我々と同世代
にはとっては、誰がなんと言おうと「マチルダさん(ガンダム)」です。
そして、教授ことベーゼゼブ13世を担当されたのは・・・もう説明不要ですね。デーモン小暮閣下、でした。



話は少しだけさかのぼり・・・
その前の年の夏より徐々に洗脳され始め、その年の1月24日大黒ミサ(於・島根県民会館)に初参拝。翌日にFC「魔人倶楽部」に入会・・・ちょうど、オレはなりたての聖飢魔II信者だったのです。

そしてその頃、閣下はFM局をネットする「ラジ王」という番組のDJもしておられました。
伝説の「オールナイトニッポン」からは、完全に乗り遅れてしまったものの、このチャンス逃す手はありません。
ちょうど、どんなラジオネーム(当時はもちろんハンドルネームなんて言葉はありませんでした)しようか悩んでいたオレは、この「ブエル」をラジオネームに取り入れる事にしたのです。

常連、とまでは行きませんでしたが、2〜3回に1度くらいのペースでハガキを読まれ、ラジオから閣下が「島根県出雲市の、魔界医師ネーム、Dr.ぶえる=ふぉん=しげみ〜」と読んで下さるのをドキドキしながら聞いたものです・・・。
(ところで当時はまだ“Dr(医師)”ではなく、大学生、医大生だったわけで ・・・経歴詐称??)

電話で参加できるコーナーで、不幸にも参加する機会があり、閣下と電話で話す機会にも恵まれたのですが、大緊張のあまり、ほとんどナニもしゃべれず・・・・オレの青春時代最大のハイライトにして、甘酸っぱくも消し去りたい過去です・・・・。



「ラジ王」は、「オールナイトニッポン」のように長寿番組となることもなく、翌年2月終了し、「ぶえる」の名も、しばらく封印されていたのですが約5年後、オンラインで使うHNとして復活。

そして現在に至るわけですが・・・最近「ぶえりん」とか「りん」付けで呼ばれちゃって、困り者です。(苦笑)