ようこそ。何にもないところで申し訳ないですが、まあゆっくりしていってくださいよ。その辺適当に座ってください。飲み物ビールでいいですか？麦茶切らしちゃってさっき創ったんでまだ冷えてないんで。未成年とか気にしませんよね？ここまできたら。ええおっしゃる通りなんにもないところですよ。ずっと薄暗いし気も滅入るってもんですよね。まあ退屈はしないんですよここからあっち側って見れますから。誰とは言いませんけどあの人とこの人の進展の遅さといったらこの先10年は楽しめますよ。しかし荒垣さん駄目じゃないですか。俺はまたてっきり真田さんか乾くんの最強ペルソナになるのかと思ってましたよ。ほら、昔いたんですよ知ってます？自分をかばって死んでしまった人を最強ペルソナとして呼び出すことに成功した人。俺もこの間初めて知ったんですけどね。何でも見た目は優しそうな老人だけど、能力的には凄まじいらしいそうで。だからほら荒垣さんもこう名前呼ばれたらうがーっと斧振りかざして真っ二つ、みたいな勢いでいかないと。あ、バス停振りかざしてもいいですよ。鬼の形相で。トラウマになりそうなペルソナだね、とか笑ってる場合じゃないだろ綾時くん。お前最終戦のときに食らわされるかもしれなかったんだぞ。俺はちょっと見たかったけど。まあでも乾くんはまあいいとして、真田さんなんか心の中が真っ白すぎて眩しくっていられないか。あ、俺も誰かのペルソナであっちで現役復活しようかなあ。そしたらコロマルがいいなあ。先輩もコロがいいんですか？じゃあ取り合いになりますね。俺は負けませんよ。…あーまた来たよ。うるさくてしょうがないんですけどしょっちゅうあやってドアをがんがん叩いてくるんですよ。ちょっと席外してすみませんね。ちょっとあんたたち！もう死について知りたいってのは間に合ってますってば！知りたきゃ人から聞こうとしないで勝手に死んでから来る！分かったか！？…全く、これだから最近の若者は。何嬉しそうな顔してるんだお前！望月！みんなでお前のこと取り合ってるわけじゃないから。怖いもの見たさだから。そこんとこ勘違いしないように。まあこんなところですけどいつでも来てくださいよ。歓迎しますよ。たまに女の子も来ますから今度みんなで鍋でもしましょうか。ああ、銀髪の可愛い子ですよ。うるさい綾時くん。あれは俺の彼女だよ。悔しかったら彼女に本気の喧嘩吹っかけてみろよ。それで勝てたらお兄さんは認めてやるぞ。あれ、荒垣さんどうしたんですか、飲み足りなければもうちょっと創りますけど。え、変わった？俺が？ああそれは、そう思うかもしれませんけどね。
青年は笑う。
片手にビールの缶を手にして、溢れる笑いを留められないかのように
目の前の人間に笑いかけた。
いつもこんなもんでしたよ、心の中では。
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ちゃぶ台と冷蔵庫、窓の外はなんだかうすらぼんやりと明るい。
というイメージです。
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