生きる

なあ明彦聞いてくれ!巌戸台の駅でついにジャンクフードを食べたんだ!

前に食べるかって聞いたらいらないって言わなかったか?

あのときはまだ勇気がなかったんだ…!

勇気を出したのか、偉い偉い。

今日皆に付き合ってもらってだな。

うんうん。

まずは銀行によって金を下ろしてだな。

たしかにそこからだな。

巌戸台の駅の商店街のハンバーガー屋まで電車で移動し…

そこまで電車に乗ったのか

の、乗ったとも!馬鹿にするなよ!私だって電車に乗ったことがないわけはないだろう!

生まれてこのかた3回だったか?

今年を入れたらなんと6回だ!

凄いな、今年だけで3回も乗ったのか!成長したな美鶴。

まあまて明彦。話はここで終わりではないぞ!

続けてくれ。

で、だな。ハンバーガー屋についたわけだが…

注文してから席につくシステムに驚いたと。

な、なんでわかったんだ。

前に牛丼屋いったときに食券買うのに物凄く手間取ってたじゃないか。

あれも画期的なシステムだな、食券だぞ!?先に会計を済ませてしまえるなんてなんて合理的なんだ!

わかった。また行こう。

そうこなくてはな!

話を続けてくれ。

ああそうだった!あの店は実に種類が多い。飲み物だけでも15はくだらないぞ!そして必ず付け合せにポテトフライもついてくる。それでいて量もある。どうやったら採算がとれるのだかその秘密が知りたい!

まあ、薄利多売ってやつだろうな。

明彦も行こう、楽しいから。今度こそ店員に何も言わせず一人で全て注文して見せるぞ!

うん、頑張れ。期待してるぞ。








一方的な宣誓を行い満足そうに自室に帰っていく戦友を見送り、再度手元のボクシンググローブに目線を落とした男の横に、その後輩が勢い良く座った。どこかで様子を伺っていたらしく、しみじみと呟く。


あーやっぱなんつうか、手馴れてますよね。扱い。


俺じゃああんなふうにはいかないっすよ。今日ワック行ったのっておれとゆかりっちと風花ですけど始終あの調子で参りました。降参!って感じで。いやあさすが真田さんだ俺たちには無理なことさらっとやってのけるぜ。


やーでもなかなか楽しかったっすけどね。と大きく伸びをする後輩に視線を向けることはなくただ遠くにを見て、今度は男がしみじみと呟いた。


しかし、美鶴があんなに成長したとは俺もちょっと感激だな。








…。







えっあれで!?





ニット帽がチョッキのお兄さん、チョッキは美鶴さんのお兄さんであればいいな妄想。(面倒見のいい兄、抜けた兄、優秀だけどやっぱりどこか抜けた妹)
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