・・・奴らは一体何ものだ? ガノッサはヴィルノアにある執務室で頬杖をつきながら目の前の書類に向かっていた。 あとはサインするだけだ。 忙しい時間をぬって、目的のドラゴンオーブを手に入れるべく各地の遺跡に赴いているが・・・度々会うあいつらは一体なんなのであろうか。 まさか同じ目的でドラゴンオーブを手に入れたい輩か? ・・・自分の手を煩わせる事はないと思っていたが、この前遺跡に一緒に赴いていた暗殺者は・・・帰ってこなかった。 もうそろそろ無視の出来ない存在になってきている。 「・・・さて、どうするべきか」 「・・・最近は不死者の動きが活発になっているな。ラグナロクが近いからか・・・」 「神々の黄昏か。何処の詩人が考えたんだ、その言葉」 「・・・その話は目の前の不死者を倒した後にしようじゃないか」 「おやすいご用だ!!」 アリューゼが前方にいるゴーレムに迫っていくのを見ながらレナスは弓を引く。 神の矢は清い光に包まれ、ゴーレムに突き刺さる。 ゴーレムの防御を崩した所にアリューゼが斬りかかり、その後洵が素早い身のこなしでダウンしたゴーレムを斬りつけ・・・。 「シャドウサーヴァント!」 メルティーナの魔法が炸裂する。 「・・・あんたなんかマグロになってりゃいいのよ」 「マグロってどうやってなるのじゃ?」 「・・・あんたにはいってないわよ」 「あー、まぐろっていうのはだなあ・・・まあ・・・まぐろなんだよなあ・・・」 ジェラートの質問に、誰もが答えられなかった。 「・・・まぐろってどうやったらなるのだろう・・・」 「お前もかヴァルキリー!!」 戦乙女も首を傾げている。 ・・・そんなレナスの、変なところが皆好きだった。 「・・・気配が消えたな」 「一件落着ってとこかしら?」 「暫くは休むか」 「・・・やっぱり、マテリアライズされている方が私は落ち着く」 「そうか」 「・・・人間だもの」 魂になっているとき、自分はレナスに包まれているのを感じる。 神と人の間に立った魂の選定者。 ・・・その心に包まれる。 自分の手を見る。 ・・・だれが自分の将来を予測できただろう? ライバルであり、憎むべき相手レザード・ヴァレスに貶められ・・・殺され。 そして戦乙女に選定され神の尖兵となることを。 エインフェリアの中には師匠のロレンタもいたし、有名な傭兵も何人か混じっていた。 戦乙女の選定する者は皆一流の技能を持っている連中ばかり・・・なのかはよくわからないが、最初は軽口を叩きつつ戦っていたが今では信頼が生まれている。 「のう、レナス。・・・甘味が食べたいのじゃ」 「・・・それなら今度街に行って食べるか」 「あー、私も行く」 「あまりゆかりのある地にはいけないぞ」 「わかってるわよ」 穏やかな時間だった。 「・・・永久に壊れることのない武器なのに、何故磨く?」 「そりゃやっぱり、習慣だな」 「あんたもそういうもの、あるんだ」 「お前はないのか?」 「・・・いや、面倒くさくなくていいからとくにやってない」 「・・・だろうな」 エイミはアリューゼの隣りに腰を下ろして、持っていた槍をその辺に立てかけた。 「・・・で、どうした」 「美少女戦士に選ばれたんだろ」 「・・・やめてくれ」 「敵は、ヴィルノアのガノッサだろ」 「・・・」 「・・・奴は何の目的で動いている?・・・少なからず因縁があるからね」 「しってるさ」 エイミは力を抜くように溜息をついたあと、高い天井を見上げた。 「・・・にしても案外マメだね、あんた」 「落ち着くんだ。この作業が」 「・・・神様の武器ってすごいな。刃こぼれもない。血がついてもつるりと滑り落ちていく・・・。奴は神を越えるために、ドラゴンオーブってものを求めていた」 「でも神様ってすごいもんだぜ」 「・・・ああ。・・・美少女戦士の選定の仕方もすごいしな」 「・・・勝てるわけがない」 オーディン。 恐るべき主神。 「・・・今では神の尖兵か」 「そうなるな」 「まさか、根無し草の傭兵の私達が、よりによって神様の兵士になるだなんてね・・・乾杯とでもいこうじゃないか」 「飲み仲間のバドラックは?」 「あいつは禁酒令」 「カシェルは」 「逃げた」 「・・・つき合うよ」 「酒に強い男は好きだよ、アリューゼ」 「諦めのいい男も、だろうが」 「今度からはそれも付け加えてやるよ」 「・・・ラグナロクも近いのね」 「そうなるな」 崩れかけた建物は色々なところに瓦礫が落ちていて・・・その上にレナスは座っていた。 メルティーナは座っているレナスの後ろ姿を見て苦笑する。 「貴方って妙に人間くさいのよね」 「・・・もともと私は神と人との狭間を生きるものだ。・・・それよりマグロにはどうなるのだ?」 「・・・あんた、その言葉をまかりまちがっても変態レザードの前でいうんじゃないわよ」 「?・・・わかった」 「・・・まったくもう・・・」 そんな時だった。 空間に裂け目が現れ・・・フレイが現れた。 「フレイじゃないか」 「レナス。定期報告の時間よ。早速だけれども、ヴァルハラに」 「解った。皆は・・・待機していてくれ。そんなに時間はとらせないと思うし・・・」 「反応があったときに困るから、よろしく頼むわよ」 「・・・りょーかい」 「・・・それで、近況は?」 「五分五分よ。なんとかして手を打たなければ」 宮殿へ続く道を歩きながらフレイは首を横に振った。 ラグナロクまであと少ししかない。 「・・・レナスお姉さま!」 「フレイア・・・元気にしていた?」 「うん!」 久しぶりに出会うフレイの妹フレイアは天真爛漫な微笑みでレナスの元まで歩いてきて抱きついた。 レナスが鎧を着ていることを忘れておもいっきり抱きついたから・・・ほっぺた痛い。 ちょっと不満そうなフレイアだった。 「こら、レナスを離しなさい」 「はーい・・・鎧にほっぺたあたっちゃった」 「大丈夫?」 「うん!」 そして、宮殿へ行く橋にまた立て看板があった。 「・・・今度は三回踏め、ですって」 橋の真ん中を三回踏む。 「・・・これでいいのかしら」 「へんなの」 「・・・なんだったのだろう・・・」 そして三人が行った後、橋の真ん中にカモフラージュしながら寝ていたオーディンはむくりと起きあがった。 「最高だ!」 それを影から見ていたロキは、壊れかけた笑顔を浮かべていた。 オーディンの裏を掻こうと見張っていたら・・・なんて事態に遭遇したのだろう。 「・・・」 自分では適わないかも知れない。 ロキはもうちょっとオーディンを尾行してみることにした。 あの後オーディンは玉座に転移していったので、自分もその後をくっついていく。 隠密は得意だ。 ついた先は玉座だった。 「・・・ふふ」 何かを熱心に眺めて微笑んでいる。 それは・・・美少女戦士の写真だった。 隠し撮りだった。 「・・・可愛いな、ジェイクたん」 ロキは世界を憎むことを諦めた。 諦めざるおえなかった。 ・・・こんな変態に勝てるわけがない。 こうしてラグナロクの危機はほんのちょびっとだけ回避されたことを・・・誰も知らない。 「以上です」 「・・・そうか。そろそろラグナロク。恐らく・・・次が最終決戦だ」 「・・・はっ」 「美少女戦士を頼んだ」 「解りました」 ・・・全員美少女戦士にするかな。その為にはアーティファクトを集めなくては・・・。 危険な考えをもっているオーディンに誰も気が付かない。・・・ロキ以外。 「レナス」 「フレイ、なにかしら」 「・・・頑張って」 「・・・フレイ?」 「過酷な任務だろうけれども・・・」 そう、もう何人も精神的に死んだ。 「・・・がんばって」 「・・・ありがとう。皆に伝えておく」 着実にラグナロクが近づいてきている。 不死者達のざわめきも大きくなるばかりだ。 「・・・そろそろ、ラグナロクだ。・・・そして美少女戦士としての決着も近い。恐らく敵も本腰を入れてくるだろう。・・・頼む」 「・・・頭なんてさげたくていいんだぜ」 「すまない」 「・・・我らの命は神のため!」 「我らの使命は神に仇なす者を滅すること!」 「どうしてあそこまで熱いんだ、あの親父達・・・」 ジェイクとベリナスは熱く叫んでいる。 熱すぎる・・・。 「・・・ま、頑張れよ」 「ジェラード様、まだお口に生クリームついてますよ」 「すまんのぅ」 「・・・阿衣・・・!兄は今日も元気だぞ・・・!」 「おら洵、酔っぱらってないで酒つぎな」 「それにしても、鎧も手入れ大変でしょう」 「いえいえ貴方こそ」 「あー、蘇芳とグレイがいつのまにか仲良くなってるー!」 楽しそうだなあ。 アリューゼとラウリィは楽しそうにしているエインフェリア達を見て、一歩踏み出そうとした。 だけれども・・・。 「・・・アリューゼさん」 「ラウリィ」 ロウファとカシェルに止められた。 「・・・あんたらが選ばれたんだろう?・・・辛さは俺がよくわかってる」 「・・・お願いです。どうか、どうか・・・」 「わぁってる・・・だけど、あれはないだろ・・・!!」 ふりふりの美少女戦士服を思いだして、ロウファは秀麗な顔を青ざめさせてしまった。 「・・・悪かった。そんな顔するな」 「アリューゼさん・・・」 「・・・まぁ、ジェイクのペンダントが反応しなければ出撃しなくていいのさ」 その時、可愛らしいメロディーが流れた。 「あ、腹が」 「アリューゼさん」 「ああー、お腹ひやしちゃったかなあ・・・」 「あんたいつも腹全開だから慣れてるだろ」 「・・・うわあああ!!」 「ラウリィさん、落ち着いて!!」 「よし、わらわの出番じゃな!」 「あ、お着替えするのならお手伝いしますよ」 「頼むぞ那々美」 「・・・いよいよ最終決戦、といったところですか・・・」 高いところが好きなレザードは双眼鏡片手にレナスを見ていた。 「・・・今日も私の戦乙女はなんて美しい・・・」 レザードの私室には秘密が一杯。 レナスの写真はいっぱいあるし、人形だってホムンクルスだっていっぱいある。 でもやっぱり本物には適わない。 やっぱり写真に口づけしても・・・本物にはかなわない。 夢の中でデートしても・・・本物にはかなわない。 やっぱり本物が一番だ。 にやり。 レザードは嬉しそうに微笑んだ。 もうすぐ、ラグナロクが始まる。 「ではいくぞ!・・・お前らもついてこい。これが、最後だ」 「僕達の生き様、見てください」 「・・・」 エインフェリア達は、ラウリィの言葉に大きく頷いた。 辛いこと、全部背負わせた。 ・・・見届ける義務があるんだ! 「いくぞ!!」 奉竜殿。 そこには重要なアーティファクトの一つであるドラゴンオーブがあるとされている場所。 謎を解いて、ドラゴンオーブがあるという場所に行く。 大勢で現れたレナス達を見て、ガノッサと・・・そして一緒にいた兵士は驚いた。 「・・・おぬしらは・・・!」 「そこまでだ」 沢山の足音と共に現れたのは一癖もある二癖もある輩達だった。 エインフェリア。 戦乙女が選出した、神の尖兵。 その中の五人が前に出る。 ・・・相変わらず濃いが、仕方ない。 「神を冒涜する者よ、今こそ断罪をするときだ」 「・・・お前は・・・戦乙女だったか」 「そうだ」 「私は、神を越えてみせる!」 「お前に越えられるわけがねーんだよ」 アリューゼはニヒルに微笑む。 「・・・なんてったって、想像もできない・・・アレ・・・だからな」 美少女戦士結成。 選ばれたのは・・・。 オーディンが選出した。 ・・・そのオーディンにガノッサが勝てるわけがない。 「そうです。貴方に神は越えられない!」 オーディンのセンスを越える者などいないんだ。 ラウリィは力強く断言した。 「神を越えるなんて・・・あんた暇人か」 バドラックはふあーあ、と欠伸をしながらも好戦的に微笑む。 「神を冒涜する者は、この私が許さん」 ベリナスは眉間に立て皺を作りながらガノッサを見上げ・・・そしてジェイクリーナスは。 「・・・」 ただガノッサを見上げた。 「・・・変身だ、美少女戦士!」 レナスの声が響く。 「・・・美少女戦士?」 「さあ、目に焼き付けろ!彼らの・・・彼らの命の輝きを!!」 神秘の力よ、ジェイクにちからをー。 いけない光が空間を満たしていく。 魔法空間の中で、服が・・・そしてマテリアライズされたふりふりが・・・。 「愛と勇気の美少女戦士エインフェリア・ジェイクリーナス見参!!」 ふりふりジェイクリーナスは乙女ティック仕様になったボーガンをガノッサに向けた。 その動きでふりふりミニスカーとがちらりと揺れて絶妙なチラリズムを発揮している。プロ並みだ。・・・だが誰も見たくはない! ジェイクの眩しく光る太股を見てしまったレナスは、だがしかし・・・目をそらすことが出来なかった。 「・・・びしょうじょ、せんし?」 「・・・うぷっ」 付き添いの兵士は吐き気を催したようで何処かに消えていった。 ガノッサは白髪を更に白くしながら目の前の超常現象を見ている。 ・・・なんだこれ。 わし、夢を見ているのか? ・・・男があんなふりふりを着ているのはおかしいもんな。 ・・・そうだもんな。 「神のために魂捧げるジェイク・レッド!」 「あ、自己紹介が始まったぞ」 「ああ、俺?・・・ジェイク・ブルー」 「神の名のもとに、ジェイク・イエロー!」 「ラウリィ・・・成長して・・・!」 「神の敵は我が敵、心の痛みを知らぬ者め・・・我が名はジェイク・グリーン!その魂に刻みつけろ!!」 「・・・あついなあ、あついなあベリナス」 「ここまで来てしまったら仕方ない・・・俺はジェイク・ダークブルー。ま、よろしく頼むぜ?」 乙女ティック仕様になった大剣を構えてアリューゼは楽しそうに笑う。 美少女戦士になっても相変わらず半裸の彼は、通常の状態よりも30%増しでいけないフェロモンを放出していた。 ガノッサは相変わらずぽかんとしている。 「・・・なんだ、これ」 「オーディン様の名の下に招集され結成された美少女戦士達だ」 「オーディンの!?」 「・・・さあ、我と共に生きるは可憐なる美少女戦士エインフェリア・ジェイクリーナス!」 レナス・・・お前も、頑張ったな!! ヴァルキリー様・・・! カシェルとロウファはレナスを見て早くも泣きそうになっていた。 「神の一撃をくだせ」 「・・・くっ!わらわらと、変態どもが・・・!イグニートジャベリン!」 「早くも大魔法かよ!」 「うわああ!」 「待ったのじゃ!」 「待つのです」 とうっと降りてきたのはコスプレしたジェラードと、同じようにコスプレしたレザードだった。 二人とも面倒なので仮面は被っていない。 「キュア・プラムス!」 「マイト・レインフォース」 「・・・ジェラード、それに変態メガネ!」 「変態メガネとは・・・心外です。戦乙女を世界で一番こよなくあいするレザード・ヴァレスといってください」 「・・・もういい」 「ああ、愛しのヴァルキュリア様。貴方の麗しい声が・・・」 「どうでもいいからタキシード・レザード、前を向け!」 「それではこれが終わりましたら二人でお茶でも・・・」 「タキシード・メガネェ!」 「解りましたよ」 タキシード・メガネか・・・。 レナスは思わず笑ってしまいそうだった。 だが、強力な味方がやってきた。 ・・・ルシオは面白くないようだが、美少女戦士の助けになる。 美少女戦士の敵と戦って良いのは、古来より美少女戦士と謎の男と決まっているのだから。 「・・・今は、信じよう」 「・・・なんだお前らはわらわらと!!」 「あいつらの・・・力を」 「そうね・・・」 メルティーナは、苦笑した。 あいつらなら・・・なんとかできる。 敵は強敵だった。 次々と繰り出される攻撃は強力なものだったが、プリンス・ジェラードとタキシード・メガネの助力もあり着実に美少女戦士達はガノッサを追いつめていく。 「シャドウサーヴァント!」 「くっ!」 「キュア・プラムス!」 「・・・神を目指す者は、強いわね」 だがだんだんと美少女戦士達が追いつめられていく。 追いつめられたガノッサは連続魔法攻撃に出た。 あ、大魔法まで繰り出してきた。 「・・・どうだ・・・!」 「強い・・・!」 「くらえ、セラフィックローサイト!」 白い光が全てを包んだ。 まけるわけには行かない。 ここまできたんだ。 ・・・まければ、世界が終わってしまう!・・・こともないのだけれども、美少女戦士達は気合いを入れた。 「あ、服が変形していくわ!」 「・・・恐らく最終形態ね」 「フレイ!」 「・・・見守りましょう。今は、それだけしかできないのだから」 体が・・・体の奥底から力がみなぎってくる。 ジェイクリーナスはボーガンを持つ手を強めた。 「・・・なんだ、これ・・・!」 「あ、服がちょっとかわってるぞ・・・!」 「アリューゼさん、更に裸に・・・」 「ラウリィ、お前もすんごいふりふりだし、更にスカート短くなってるぞ」 「え!?」 「どうでもいいけど、今ならいけるんじゃねーか?」 バドラックの台詞にいっせいに頷いた。 「変態しおった!?」 「・・・いこう。我らが敵を倒すため!」 地味系ジェイクリーナスはガノッサにボーガンを向けた。 ベリナスもその隣りに並ぶ。 「・・・いくか」 「はい!」 「しっかたねーなあ」 五人が横一列に並ぶ。 風が吹く。 「ギャー!」 「うわぁ!」 「目を閉じろーー!!」 パンチラまできやがった。 凄まじい威力で、ガノッサの白髪がますます白くなっていく。 「いくぞ!我らの真の力!!」 「思いを力に・・・するのね・・・」 「私達の力を、美少女戦士に!!」 エインフェリア達は祈りはじめた。 頭の中ではぐるぐると先ほどのパンチラ(即死効果あり)のことが渦巻いていたけれども・・・。 今は、ただ・・・祈りを捧げた。 沢山のエインフェリアの祈りが届く。 パンチラのこと、眩しい太股のこと、セクシーな胸元のこと・・・何よりも、深い絶望も苦悩もあったけれども・・・それでも敵を倒すための勇気がある。 「・・・これが、俺達の最高の技だ!!」 アリューゼとベリナスがガノッサに斬りつけ、その後を弓が飛ぶ。 そして最後に特大の気を弓先に集めたジェイクリーナスが、叫ぶ。 「ジェイク・ブレイク!」 ・・・ピンクの光が空間を満たしていく。 「な、このわしが・・・このわしがぁあ・・・・!!」 ピンクの光に埋もれたガノッサの絶叫は・・・空間に響き渡った。 「地獄の女王ヘルの裁きを受けるか、それとも神の尖兵として我に導かれるか。好きな方を選ぶがよかろう」 「・・・お前らに屈するわしだと思うな。いつしか、神を越えてみせる」 「・・・皆、新しいエインフェリアだ。よろしく頼むぞ」 こうしてガノッサは仲間になった。 「これで・・・俺達の使命も終わりだな」 「ああ、そうだ。だが私達は世界の秩序を守ったのだ」 「相変わらずあついなー、あの二人」 「どうでもいいけどスカートはすーすーして気味が悪い。早く元の姿に戻りたいぜ」 その時だった。 「空間移転だわ!・・・オーディン様!!」 「・・・皆の者、よくやった」 「あれが・・・オーディン・・・?」 美少女戦士の選出がアレで知られるオーディンじゃないか! 思わず誰もが顔を凝視してしまった。 「・・・美少女戦士、君達の活躍のお陰で世界の秩序は守られた」 「オーディン様!・・・まことにありがたき幸せ!」 「・・・美少女戦士・・・」 「・・・オーディン様?」 その言葉は、やけに大きく響いた。 「ジェイクたん、MOEたよ」 「・・・も、もえ?」 「いやー、よかった。MOEの力で世界は救われた!」 「・・・MOEってなんなのじゃ?」 「私がレナスに抱く気持ちはそのままMOEです」 「タキシード・変態メガネがこんなことをいっているが」 アリューゼはふりふりのまま打ちひしがれているガノッサに近寄った。 「あんた、あれを越えたいのか」 「・・・無理、だな」 「あきらめな。越えちゃいけないものだ」 「・・・」 ガノッサは野望を諦めた。 ついでに、その様子をのぞき見していたスルトは即刻アース神族側に和平を呼びかけようと思った。 あんな変態を相手に勝てるわけはないのだ。 こうしてラグナロクの危機は去った。 こうして世界に平和が訪れ、美少女戦士エインフェリア・ジェイクリーナスは活動を終えた。 だがしかし、確実に悪はまだ世界に根付いていた。 不死者との問題も解決していない。 まだまだ彼らの出番は終わっていない。 ありがとう、美少女戦士エインフェリア・ジェイクリーナス! 僕らに絶望と苦悩と、そして感動を与えてくれて・・・! ありがとう、美少女戦士エインフェリア・ジェイクリーナス! 沢山のオーディンにしか通用しないMOEをありがとう!! 世界の平和は可憐な乙女達に守られた。 途中、なにをしていいのかわからず自分を見失いながらもこういうことになりました。 流石地味系ジェイク。カシェルの台詞の方が多いような気がします・・・。 今回は本当にさわりだけの服装描写にしました。・・・変身シーンも、ええ・・・書きませんでしたし・・・。 まあなにはともかく、私のオーディン像はこんなことになってしまっているということです(結論) 世界の皆さんごめんなさい・・・! |
さあ皆さんご一緒にどうぞ!
MOE
ここまでオーディン様をぶちこわせるのは梅田さんだけです。
ブチ壊れたオーディン様が読めるのは、梅田さんだけっ(某少年漫画週間誌風に)
ジェイク たん って!(息が出来ない!)(笑いすぎて!)
梅田さん本当にありがとうございました。ステキだなあフリフリアリューゼ(うっとり)(本気)
(駒田)