殿下!聞きました!恋人を作られたのですか!?
…は?
いえ陛下にお聞きしたのですが少し前にこの城へ少女を連れてきたことがあると。
…いや、それは、そうだが
それに話を聞けば魔物に襲われていた少女を殿下が身を挺してお助けになったという話ではございませんか。素敵です。
…それは間違ってはいないが、しかし
そのまま城へ連れられて、陛下とお話されたと聞きましたわ。素敵な話ではないですか。古のローザリアの王とタラールの娘の報われぬ恋を今こそ実現すべきございますわ!
いや、そういうことは一切なくてだな
殿下もロマンチストでいらっしゃいますわね。
どうして知っている。というか誰がバラした。いや別に疚しいことをしたわけではない。魔物に襲われていたタラールの少女を助けて、それが偶然族長の孫だったから送りに行って恩でもひとつ売ってみるかと行動してみただけである。なぜ彼女は自分の彼女に対する気持ち態度その他はきれいさっぱり流してみせるくせに、なんで他の人間に対しての行為ひとつとりあげてここまで大喜びするのか。…なんだか自信がなくなるのでやめてくれ。
私は殿下のお幸せをいつでも応援しておりますよと聞き様によってはいじらしい台詞に聞こえないこともない…こともないこともない…台詞を
何が悲しくて婚約者にそんなこと言われなくてはいけないのかと彼は心の中で涙を流した。悲しいかなその表情はひそかに眉をひそめただけなのだが。いやそれよりも
そうと決まれば早く婚約の儀を…
頼むから親指を顎に当てて小首をかしげてそんなことをつぶやくのはよしてくれないか婚約者殿。
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突然殿下と姫様が脳内に光臨されました。
ディアナがはみちゃんのようになりました。