おーいおーいキロス君にウォード君聞いて聞いて。俺さあ今妖精さんを見たよ。

妖精さんってあれだろう、その昔頭の中に現れた君んちの息子さん連中だろう、と戦友が口に出せば、そうそうその妖精さんなんだけど、いやほんと真面目に妖精さんがかわいいんだよと笑顔での回答。男はいやあいいねえ青春だよと歯を見せて笑った。




いやーかわいらしいのは知ってたんだけど今日はまたこれがもーかーわいーんだまた。妖精さんの中のさ、ウォード君の中によく出てきた女の子、いるじゃない。あの子がさファンですなんつって俺の青春時代の情熱を注いだ例の雑誌抱えて駆けて来てさ。あんなの今時残ってるのが不思議なくらいなんだけどさ、一生懸命集めてるんだって。それにちらっと載ってた俺を見てからファンなんだってさ。一緒に写真とってくれってちっさいカメラ持ってさああ。俺にファン!俺に、ファンだよ!キロス君!どうする。俺も人気者になったよなあ。俺思わずエルに自慢しちゃったぜ。で、で、で、写真っつったって三脚もないしどうすんのかなと思ったらさ、後ろにいたもう一人の妖精さんがさ、シャッター押すよって言うわけよ。そうそう、背の高い男の子。よかったねえとか言って自分のことみたいににこにこしてるわけ。もうちょっと寄ったほうがいいかなとかアドバイスしちゃってるわけ。なんだあれ!俺を悶絶死させる気!?かわいすぎる。青春だな〜青春。思えば遠く来たもんだ。











息を継ぐのもまどろっこしいと言わんばかりにまくしたてる友人に、二人の男はあっけに取られたが、目の前の男がどんな回答を求めているのかを瞬時に読み取り、




…それはそれはよかったね。



一人は視線で、一人は音声で答えを述べてやった。
















そんなちゃかして言ってるけど、ファンですなんか言われて君足つったろ、緊張して。


な、なんで分かったんだ。







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