女は、にこにこと笑顔を振りまきながら自らの後ろをついてくる少女の姿には気がついてはいた。
いたのだが、それがあまりにも楽しそうにかつ懸命であったので尋ねるタイミングを逃してしまっていた。
特に迷惑なわけではないが、戦い慣れていないこの少女が抱えるように剣を持ち、後ろをちょこちょことついてくる姿はとても気になる。うっかり転んで怪我でもしたらどうするの。昔まだあの時の止まった場所にいたころの幼い妹の姿が目に浮かんで、彼女は少しだけ微笑む。あの子はどこにいくにも後ろにくっついてまわっていた。もうどれくらい前のことかしら。

ふと立ち止まれば背中にどすんという衝撃。
そのまま振り返り追いかけるその理由を尋ねれば
フランがまた倒れちゃったとき、支えてあげられるように!だそうである。
ほんとはバルフレアさんがその役目なんだと思うんだけど、なんだかいろいろ忙しそうだから。


ここはミストが強くないから平気よと答えてもでもいつなにがあるか分からないし、床に倒れるのは痛いでしょ?と返ってきた。

彼女は返答に困った。
そして一瞬だけ思考し、生真面目な顔で答えることにした。


あなたも転ばないように、気をつけてね。













パンネロはかわいいわね。