「なあ、ゲオルグ。俺の悩みを聞いてくれるか」
「お前でも悩むことなんかあるんだな」
「頼むから黙って聞いてくれ親友。俺のデザートやるから」
「よしきた話を聞こう」
「リムが」
「姫が?」
「構ってくれないんだ」
「はぁ?」
「今さっき、久々にこの城に帰ってきたし子供たちに会いたいと思って部屋に行ってみたんだが」
「構ってくれんと」
「お帰りなさい父上と飛びついてきてはくれたんだが、今忙しいからまたあとでなんて言うんだぞ。ああもう俺は悲しみのあまり胸が裂けて死にそうだ」
「大げさなやつだな」
「何が忙しいのかと聞いたらこれからガレオンに故郷の話をしてもらうらしい。前々からお願いしてお願いしてようやく話してくれる気になったのじゃから今を逃してはならん!とそれはもう嬉しそうに!母上や伯母上が子供のころの話を聞いたら、父上にも教えてあげるのじゃとそれはもう嬉しそうに…!」
「とりあえず女王に相談しろ」
「もうした」
「それは、仕方ないんじゃないかねえ。一緒にいる時間が圧倒的に違うからさ」
「そうですよ、フェリド。リムの小さいころは忙しくてほとんど城にいなかったではないですか」
「あたしらもそうだったよねえ姉上」
「わらわたちも幼いころ父上があまり城にいませんでしたから、よくガレオンには面倒を見てもらいましたよ」
「姉上とハス姉でよく取り合いしたっけね」
「あなたは良く泣いていましたねえサイアリーズ。姉上ばかりずるいと」
「もう何年前の話だと思ってるんだい!…まあそういうわけだから、この城で暮らす人間はしょうがないんだよ。ガレオン自体あんな顔して面倒見がいいしね」
「そうですね。わらわもフェリドとどちらかをとれを言われたら迷いますね」
「あはは、頑張らないと姉上までもってかれちゃうよ兄上!」
「だと」
「うん、わかった、諦めろ」
「お前そこだけ真っ直ぐ俺を見て言うな。今までケーキから視線をはずしもしなかったくせに」
「女王殿下、その妹君、王女殿下のタッグに勝てると思いでか」
「思わん。全く思わん。俺はその中の一人として頭が上がらない」
「だろう。諦めろ」
「えええそれってどうなんだ。お父さん的にどうなんだ!!」
「残念ながら俺は父親になったことがないのでその気持ちは分からんな」
「ええい仕方がない!こうなれば俺もガレオンの話にまぜてもらうことにする!というかこれって名案だな。ガレオンの話俺も聞いてみたかったしリムとの親子のコミュニケーションもばっちりとれるし」
「なんだ、仲間に入れてもらいたいだけじゃないか」
「…今気がついたが全くその通りだ」
「…お前の子供たちがお前に似なくてほんっとうに良かったと俺は神に感謝する」
「この話うちの子供たちには言わないでくれよ。俺にもプライドってもんがあるんだ、一応」
「さて、どうしたものかな」
「頼むから黙って聞いてくれ親友。ケーキおかわりしていいから」
「よしきた任せろ」
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