今頃屋上かどこかでこの包みを開けているだろう友人のことを、そして笑顔でこれを渡してくれた友人のことを想う。
彼はきっと、なんだかんだ言いながらそれを食べるだろう。
そして彼女にささやかな苦情を言うだろう。
彼女はきっと、その言葉にそれはもう盛大に怒るだろう。
それでも食べたことへの礼を述べるだろう。
そんな二人を自分は笑うだろう。
ミッションコンプリート!と彼が主のいない保健室のベッドへと沈む、と同時にそこへ響くはアヴェマリア。
まだなにかやり残したことがあったかなとH.A.N.Tを開いた彼は、額を抑えて吹き出した。
全部ばれていたらしい。
そういうところは彼女に決して敵わない。
「凄い、凄いぞ!もしかしてエスパー?」
彼は手にしたそれをベッドに放り、からかってるだけじゃないんだよ、俺は二人を真剣に応援してるんだよと微笑みを作って呟いた。