微塵切りの極意
「…八千穂。なんだ、その糸くずの固まりは」
「ひっどーい!糸くずじゃないよ!レースだよ、レース!」
「それがレースって言うのは、タワシをコロッケと言うに等しいな」
「えええっ!トトクンは褒めてくれるのにな。八千穂サンハトテモトテモオモシロイって」
「褒めてねえ。っていうかどっから出たトトは」
「あのねっ今九チャンとトトクンとレース編みやってるんだっ!」
「…………どこからツッコミを入れればいいのかわかんねぇよ」
「椎名サンが教えてくれるんだよ!あたしすっごくへたくそなんだけど…」
「見ればわかる。ていうかなんだ、その人選は」
「トトクンはね、私が誘ってみたんだよ。前一緒にご飯食べたときにエジプトにはものすごーく綺麗な織物があるんだって教えて貰ってそういうの好きかなって思って。えっと、なんだっけ、ケミストリーだか、ブルース・リーだか」
「タペストリー」
「それだ!」
「タペストリーとレース編みは全く別もんだと思うがな」
「でもほら、なんでも一緒に始めてみるっていうのがいいことだと思うし!」
「ああそうかい」
「あっそうだ!暇そうな夷澤クンも誘ってみようかなあ」
「かわいそうだからやめとけ」
「じゃあ月魅と真里野クン誘ってみようっと」
「お前、人間関係広いよな、無駄に」
「皆守クンは、人間関係ないよね、ほんとに」
「なくはねえよ!」
「九チャンくらいじゃない?」
「…お前俺をどういう目で見てるんだ」
「元気な引きこもり」
「…あのなあ」
「あっでも皆守クンて、下級生とかからモテるんだっけ?どこがいいのかなぁ」
「何言ってんだ俺は魅力的だろかなり」
「無力的ではあるよね」
「いいかげんにしろ」
「やあお二人さん、コントかい?」
「あ、黒塚クン!コントってなんのこと??」
「僕のかわいこちゃんたちが君たちには才能があるって褒めているよ」
「……………。…なんにせよ、才能があるっていいことだよねっ皆守クン!?」
「そんな才能はいらねえ!」
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本館から移住その2
カレーはツッコミやっちーはボケ