お節介仲人の陰謀



「あ、こんにちは九龍さん」

「こんにちは月魅ちゃん。これから図書館?」

「ええ、今日は本の修理をしなくてはいけなくて」

「お手伝いいたしましょうか?」

「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。お手伝いしてくれる人がいますから。墨木さんと、真里野さん」

「おお、感心感心!素晴らしい」

「ええ。墨木さんは成績の関係で図書館掃除をするように言われたらしくてそのついでにと」

「真里野くんは?」

「自分から手伝ってくれると言ってきたんです。親切な方ですね」

「奴は月魅ちゃんに気があるのかもしれないよ!」

「ええ?」




真面目な少女は眼鏡を押さえ
そうですかと落ち着いて答える。
何の動揺もなく
何の疑問もなく
胸に抱いた本もそのままで。






「九龍さんて冗談が上手ですね」











それじゃあまた、と駆け足で去っていく彼女の姿を見届けて、彼は思わず吹き出した。




「なんというガードの堅さだ!」




とりあえず墨木にしばらくしたら匍匐でゆっくり戦線離脱せよとメールを送り、彼は心の中でだけ呟く。
この学校はとてつもなく強大な敵ばかりだぞ!
下手すると、遺跡の化け物たちなんかよりもずっと。

ま、そんなことでは諦めはしないけどね、と彼は大きくのびをした。






仲人プレイ中 頑張れ日本男児