お節介仲人の冒険
「ご機嫌よう九龍クン。これからお帰りですの?」
「ご機嫌ようリカちゃん。これからお帰りですのよご一緒にどう?」
「まぁ残念ですわ。まだリカは用事がありますのよ」
「まあそれはそれは!リカちゃんお勉強?」
「リカがお勉強を教えるんですのー。トトクンと取手クンに」
「友達思いだね!」
「だって、トトクンたら試験管とビーカーの区別もつきませんのよ。リカ、見てられませ
んわ」
「取手も問題あるの?」
「取手クンはリカのこと手伝ってくれるとおっしゃったのですわ。親切な方ですわね」
「取手くんってばリカちゃんに気があるのかもしれないよ!」
「まぁ…」
人形のような少女は頬に手を当て
当然のように答える。
何の躊躇もなく。
何の困惑もなく。
白い頬はそのままで。
「でもリカ、はっきりした方の方が好みですわぁ」
ごきげんようと出会ったときように去っていく彼女の後ろ姿を見つめて彼はこれはなかなか!と首をすくめた。
「前途多難のようだよ、取手くん」
とりあえずトトにタイミングを見計らって理科室を脱出してくるようにメールを送り、彼は心の中でだけ呟く。
意外なところになかなかの強敵っているもんだ。
彼の友人の一人である元気爆発お団子少女とはまた別の、強敵。
仲人も辛いよね!と彼はつま先で軽く地面を叩いた。
=
仲人プレイ中 取手くんとリカちゃんはいいと思うんだ!(主張)