左の頬も出しなさい



「ねえねえ九チャン」

「どうしたのやっちー」

「皆守クン大丈夫かなあ。あたし今思いっきりスマッシュぶつけちゃったけど」

「普通だったら死んでるね」

「胸とか頭とかにぽっこぽこぶつけちゃってるけど」

「股間じゃないのが優しさだね」

「でもやっぱり可哀想だなあって思うの」

「大丈夫やっちーのボールを受けて死ねるなんて、奴も本望だよ」

「そっかなあ」

「それにね、皆守くんは俺たちの攻撃を避けることは出来ないんだよ」

「えっ?!どうして?!」

「古人曰く…」








「右の頬を打たれたら左の頬も出しなさい」






「……………そう言う意味じゃないだろ!?」

「うーん…わかった!」

「お前も分かるな八千穂!」

「というわけでちゃっちゃかやっつけちゃいましょう!」

「おーっ!」

「聞けよ!人の話を頼むから聞けよ!」

「やっちー腰だ!奴の腰を狙うんだ!」

「はいっコーチ!」

「…降参していいか、俺」






早く逃げた方がいい