アウトドア・イベント・イン・アラカワ2005

開会からドッジボール大会

アウトドア・イベント・イン・アラカワ2005に参加。 会場となる鐘ヶ淵は、うちから電車で僅か10分の距離。

二子山親方死去後の騒動によって活動を休止していた花田勝だが、今回のイベントが騒動後初めてのタレント活動らしく、会場には多くの報道陣が詰めかけていた。 が、花田側が要請したのかイベント運営側が気を遣ってそうしたのかは知らないが、報道陣の多くは土手の上から望遠で撮影するにとどまっていた。 この時期、しかも復帰一発目の仕事で報道に対してデリケートになるのは分かるが、ゲスト控室からドッジボール会場までの僅か200メートル程の距離を、フルスモークの車に乗り、その周りをスタッフに護衛されて移動する様は異様だった。

周囲の目が花田に釘付けになっているそのとき、私の目の前を美女が通り過ぎた。 おっ!と思って良く見てみれば美人なのは当然、その人はこの日のもう一人のゲストである眞鍋かをりである。 あまりに突然、しかも普通に現れたので撮影は大失敗

午前10時、予定通りドッジボール大会開始。 子供たちは花田勝オールスターズと眞鍋かをりドリームチームに別れて試合を行う。 花田・眞鍋両名はそれぞれのチームの監督。 眞鍋は試合中も声を張り上げ、盛んに選手に指示を出す花田はそれとは対照的に、終始静かに、笑顔で試合を見守っていた

このドッジボール会場は選手と客席に区切りの無い河川敷の即席コート故、フェンスの役割をするのは柔なネットと大勢の会場スタッフである。 ここでまた私は異様な光景を見たのである。 フィールドと観客席が遠過ぎるのだ。 明らかに観客の安全を確保するために取られた距離ではない。 この障壁を一歩でも越えようとすれば、たちまち会場スタッフに「一般の方はここから中に入らないでください」と言われ、通せんぼされる。 それが選手の父母と見られる人々でも扱いは変わらない。 写真を撮ろうとすれば「一般の方による写真撮影は御遠慮ください」と言われ、手でカメラを遮られる。 これに気の短い下町オヤジが我慢できる筈は無く、「一般人一般人って偉そうに言ってやがるが、てめえらは何様なんだよ!」 「これは区民のためのイベントじゃねえのか!」と次々に野次が飛び始める。 スタッフのばつの悪そうな表情が印象的だった。

ちびっ子相撲あらかわ場所とお兄ちゃん

その後ちびっこ相撲・あらかわ場所の行われるポイントに移動。 元横綱の花田勝が子供たちの取組を見て、アドバイスをしてくれるのだと言う。 私は砂かぶり(最前列の席)を確保。 花田勝と私との距離は3メートルにまで縮まった。 だから何だってわけじゃないが、相撲好きの私にはちょっと嬉しい。 背は低いが(それでも180cmあるのだが)、パンプしていなくても三角筋・上腕三頭筋・大胸筋のバルクはなかなかのもの。 カットすればかなり凄い肉体になりそうだ。 ベンチ何kg挙がるんだろう……などとついつまらぬことを考てしまうが、私のような軽量トレーニーなら誰もが花田勝のスペックを羨むことだろう。

ちびっこ相撲に話を戻そう。 どんな子が参加するのだろうと締め込みを身に付けた少年たちを端から順に見ていくと、最後にとてつもなく立派な体格の少年が控えていた。 この子はどれほどのパワーを持っているのだろう。 観客の期待も高まっている。

序盤は小学校低学年同士の取組。 大変可愛らしい。 勝敗が決し、司会者が花田勝にちびっこ力士たちへのアドバイスを求める。

「いやあ、二人とも足が長いですよね」

なるほど、腰高の力士は決して有利とは言えない。 この後は重心を落として相撲を取れと言うつもりかな……なんて考えていたら、もう次の取組が始まると言う。 どうやら時間が押しているらしい。 今のところアドバイスとしては成立していないがそれでいいのか元横綱。 その次、その次と順調に取組は終わり、再び花田勝のアドバイスコーナー。

「いやあ、本当にみんな脚が長い」

また脚の長さに着目しちゃったよ!と驚いたのも束の間、司会のお姉さんの言葉が観客全員を凍り付かせる。

「残念ながらここで終了の時間になってしまいました」

ちょっと待て。 まだ横綱(私はさっきの立派な体格の少年を心の中でこう呼んでいた)の取組が行われていないじゃないか。 結びの一番が時間の都合でカットされるなんて馬鹿な話があるか。 そんな私の気持ちを代弁するかのように、隣に座っていたおっさんが声を上げる。

「んなこと言わねえであと一番ぐらい見せてくれよ。 あのでっかい子がまだ闘ってねえじゃねえか」

司会者は一瞬こちらを見たようだが、閉会に向けて喋り続けている。 おっさんは更に「なあ、頼むよお兄ちゃん(花田勝のこと)。 あと一番だけ見せてくれよぉ」と続ける。 べろべろの酔っぱらいの言葉であるが、観客にそれを笑う者はいない。 更に「お兄ちゃん、頼むって」と続けるが、司会者はおっさんを完全にスルーすることに決めたらしく、もうこちらに目を向けることはない(まあ、この司会者に花田勝のスケジュールをどうこうしろというのは酷な話だ)。 ここでお兄ちゃんが動きを見せる。 後ろの関係者にぼそっと何か言ったかと思うと、更に司会者の耳元で何事か呟く。 その直後、「……えっ、時間大丈夫ですか? もう一番だけ? 皆様、もう一番行われることになりました!」 大きな拍手と歓声がお兄ちゃんを包む。 こうして我々は結びの一番を見られることになった。

──立ち合い。 横綱の鋭い眼光が相手力士を威嚇する。 しかし相手も然る者、一瞬たりとも目を逸らそうとはしない。 双方の呼吸が合い、激しく体をぶつけ合った刹那──なんと、横綱はあっという間に土俵際に追いやられてしまった。 俵の無い土俵(円が描かれた平坦なマットを敷いただけ)ではその体勢から残すことは容易でなく、数秒粘るも背中から思い切り叩き付けられてしまった。 ああっと溜め息を漏らす観客たち。 しかしその表情は一様ににこやかで、皆ちびっこ力士たちに惜しみない拍手を送った。 結果だけ見れば横綱は僅か数秒で負けてしまったわけだが、寄られた際に簡単に土俵を割ってしまうのではなく、背中から倒れる方を選んだその姿勢は評価したい。 隣のおっさんは花田勝に「お兄ちゃんありがとう!」と礼を述べる。 お兄ちゃんはおっさんを見て、微笑みながらぺこりと頭を下げた。

みんなで学ぼう!川の学校トークショー 〜眞鍋かをり水飲み過ぎ〜

お次はトークショー。 花田勝待ちだったようで、ちびっこ相撲の終了後すぐにトークが始まった。 既に座席は埋まっており、その周りも大勢の立見客が取り囲んでいるため、なかなかステージの様子が見られない。 しかし人と人の間を縫って立見客の前に潜り込むと、最前列に空きを発見。こうして私は、またしても砂かぶりでトークショーを見物出来ることになったのである。

トークショーのメンバーは司会者・花田勝・眞鍋かをりと偉いおじさん(荒川下流工事事務所の所長とか何とか)2人の合計5人。 トークの内容は、荒川の歴史やゲストの川に纏わる思い出、国土交通省や墨田区都市計画部が荒川のためにしていることなど、荒川に関する話がメイン。 ワイドショーでは眞鍋かをりがオマケのように扱われていたように映ったらしいが、それは報道陣が騒動の渦中にある花田勝を撮りに来たのだから当然の話。 実際にトークショーを観覧した人々は、このショーの真の主役が眞鍋だったことを知っている。 眞鍋は愛想も良く、こちらが手を振ればすかさず笑顔を返し、他の出演者に失礼にならないよう小さく手を振り返してくれる。 テレビ放送も無く(花田目当ての報道を除く)、蒸し暑い中長時間拘束されるこの仕事で一瞬たりともつまらなそうな顔を見せず、一切の手抜きをしない姿勢はまさにプロ。 過去にも生で有名人を見る機会は度々あったが、テレビとのギャップやふと見せる隙にがっかりしてしまうことが多かった。 プロレスでも何でも地方の小会場だとあからさまに手抜き試合をやったりするが、これはファンに対して失礼な行為だ。 その点、眞鍋かをりは最初から最後まで「眞鍋かをり」であった。

このイベントには、眞鍋かをり嬢も参加してましたが、テレビニュースでは花田氏のインタビューが終了して眞鍋かをりにマイクが回ってきた直後に、スタジオに映像が切り替わってしまい、完全に「オマケ」扱いされて、かわいそうです。_| ̄|○

ふてくされて、ジュースを一気飲みしたくなる気持ちもわかります。(自分にマイクが回ってきたときに2杯目に突入していた。笑)

実は眞鍋が飲んでいたのはジュースではなく荒川の水。 一旦ストローを咥えるとグラスを空にするまで離さず、空になるやペットボトルから新しい水を注ぎ足す。 喋っている間も真鍋の手はグラスを離そうとしない。 そんな様子に会場から笑いが起こる。 司会者はその様子を見て「眞鍋さん、先程から美味しそうに飲んでらっしゃいますが、荒川の水の味はいかがですか?」と質問。 「これホントに美味しいです! 荒川の水って……本当ですか?」と言ったところでまた笑いが起こる。 お兄ちゃんも楽しそう。 周囲のリアクションを見て気付いた様子で、慌てて「いや、違うんです。 荒川が汚いって意味じゃなくて、これがこんなに綺麗で美味しい水になるなんて、じゃなくて、えーと……今日は暑いですから、皆さんもお水を沢山飲んで熱中症に気を付けてくださいね!」。 もがけばもがくほど荒川の深みに沈んでしまう眞鍋。 しかし客席は大喜びである。 結局、眞鍋は30分程度のトークショーの間に1.5リットル近くも荒川の水を飲んでいた

その後話題は眞鍋かをりのBlogの話から荒川の公式サイトに広がる。 「私たちもアラというホームページをやってまして……」と偉いおじさんの一人が言う。 キーワード「アラ」や「あら」で検索してもヒットしないので、「荒川」で検索して、荒川区のサイトの下に漸くそれらしいサイトを発見。 正しくはARAと表記するらしい。 それにしてもこのARAというサイト、不必要なフレームやFLASHのせいで物凄く閲覧しにくい。 おまけに行政区域別の問い合わせ先一覧 墨田区には墨田区横綱なんて書いてある始末。 それを言うなら横網だろう。 相撲の聖地ってことで間違いやすいのだろうけど、地域のサイトなんだからしっかりしてくれ。 もう一度書いておこう。 ヨコヅナではなくヨコアミお兄ちゃんも悲しそう

最後に

ステージ上は終始楽しくトークショーが進行していたが、そのすぐ下、私のいた最前列ではまた観客と会場スタッフとの嫌なやり取りがあった。 一人の小さなお婆さんがステージ上の写真を撮ろうとしたのだ。 するとすかさずスタッフがやって来て、カメラの前を手で遮りながらお決まりの「一般の方による写真撮影は御遠慮ください」という台詞を言う。 思い出として残すだけだろうに、まったくこいつらときたら……。 私は「見てないふりしてやりゃいいのに」と独りごつ。 その呟きが聞こえていたのかいないのか、そのスタッフは不自然なほどこちらを見ようとしなかった。 後々考えれば、上から言われた仕事をこなしているだけのスタッフを責めるのは可哀想だとも思ったが、その場ではお婆さんの残念そうな顔の方がよっぽど可哀想に映ったのである。

このイベントは地域住民に荒川とそれに纏わる文化や管理への理解を深めてもらおうというのが本旨であり、ゲストというのは、今まで荒川にそれほどの関心を持たなかった人々を来場させる切っ掛けとして招かれたものであろう。 結果多くの人々がこのイベントを訪れた。 これだけを見れば大成功だが、実態はそうではない。 集まった人々に対する扱いがひどいものだったからだ。

ドッジボール会場で野次を飛ばしたオヤジ連中も、口は悪いが間違ったことは言っていない。 これがゲストのいない単なる区民ドッジボール大会であれば、写真撮影禁止なんて馬鹿げた決まりは無かっただろう。 愚かなイベント運営者は、ゲストを保護するあまり、本来の主役である筈の荒川周辺住民を蔑ろにしてしまった。 ゲストに気持ち良く仕事をしてもらいたいのは分かるが、イベント運営者はゲストからしてみれば金を払ってくれるお客様の立場なのだから、来場者の機嫌を損ねてまでゲストに媚びる必要は無かったのである。

無料のイベントということもあり、会場スタッフの殆ど(全員かも知れない)は近隣の学校の生徒だったり町内会の人々だったりした。 皆慣れない客さばきに戸惑い、苛立ち、その苛立ちが客に伝わって更に客が苛立つという悪循環。 この会場スタッフは皆プロ面した素人連中であり、張り切り過ぎていて質が悪い。 何のためのイベントなのか、何のためのルールなのか考える頭を持たないロボット人間は、地域密着型のイベントには不適だ。 来年もこのイベントが行われるのかどうかは知らないが、酔っぱらいのおっさんが声を張り上げずに済むような仕切りを心掛けてもらいたい。

イベント関係者がここを読み、何か感じてもらえれば幸いである。 これを一人の若造の戯言として片付けないで欲しい。 少なくとも私の周りのイベント参加者は、皆私と同じ気持ちだったのだから。

Last updated Date : 2005/07/31 12:00:00 (UTC+09:00)
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