芦田川下流両岸に設置された誘蛾灯は、「ユスリカ」を退治するためのものである。
この「ユスリカ」は水の淀んだ富栄養化した水質の悪い湖沼などに発生する。
つまり、芦田川は川ではなく、誘蛾灯と「ユスリカ」は、芦田川の水質の悪さを象徴する設備と生き物である。

ユスリカについて
ユスリカは,悪者のようにいわれますが,実は物質循環の観点からいえば,川を浄化していることになります。

川底の有機物⇒ユスリカの幼虫が食べる⇒ユスリカの成虫として川から外へ出る(この時点で川の有機物の除去となります)⇒コウモリや鳥の餌になる⇒糞になって陸上に落ちる⇒植物の栄養になる⇒二酸化炭素の吸収というわけで,ユスリカが大量に増える環境を作ってしまった人間が,勝手に悪者に仕立てているだけなんです。

2001年5月18日 朝日新聞 掲載記事


川沿いに設置されている電撃殺虫燈(誘蛾灯) 福山市草戸町

 
こんな誘蛾灯を設置している川は、日本で唯一、芦田川だけです。