八田原ダムが出来たから
芦田川河口堰を有効利用しよう
平成13年2月23日
「芦田川の汚れ度ワースト1を返上する会」
事務局 福山市明神町2-9-27
発起人 みずしま自動車商工(株)
井上清
芦田川は自然の豊かな川で、私たちが子供の頃は、裸足(はだし)で川の中に入り、砂遊びやしじみ貝、はまぐり掘り、カレイや草フグを追っかけ川の中を走り回ったものです。
潮が満ちてきたら、泳いだりしました。大人になってからは、子供を連れてハゼ釣りを楽しんだものです。芦田川(神島橋より南)は私にとって自然の公園でした。河口堰が完成してから、福山市で最大の自然公園が無くなり、ユスリ蚊とアオコの発生する淡水湖と、中国地区1級13河川の内、28年間ダントツのワースト第一位の不名誉になりました。最近三川ダムの5倍の規模の八田原ダムが完成したので、夏の水不足は100年心配無いと思います。利用目的を変更しましょう。
そこで、提案です。
「河口堰は原則揚げたままにして、必要な時閉める」
ボート、ウインドサーフィン等楽しむ市民の為に、夏の日曜日は満潮時に閉めて、次の満潮時に開ける。自然公園を市民の手に開放しましょう。
Q & A
Q 河口堰建設の目的は?
A 工業用水の確保のためです。
Q 工業用水が取れなくなると、NKKは鉄が作れないのでは?
A NKKは河口湖の水を日量3.8万t利用しています。又、企業努力(循環再利用)により、水
の使用量は最盛期の1/10になったそうです。
Q 現在河口湖の水を使っている企業は困りませんか?
A 工業用水は必要です。市内の企業が、日量7万トン(NKK含む)使用しています。中津原浄水場から送るか、又は芦田川左岸の水路を、使って箕島浄水場まで送ります。
企業は、水道料金値上げは反対ですが、必要量を確保できれば賛成です。
Q 河口堰に、たまったヘドロが、台風の時、一気に海に出て漁師(漁協)さんからクレームがでませんか?
A 河口沖に汽水域が出来、稚魚の大量発生が期待出来るので、燧灘漁協は大歓迎です。今でも台風の時は河口の水は一気に放流されています。平成6年9月の写真を見てください、ヘドロは堆積していません。
Q 塩害の恐れはありませんか?
A 河口湖が完成してから後、漏水があり、その対策に矢板を両岸に打ったので心配は無いと思っています。
「日曜、祭日は朝の満潮時に閉めて、次の満潮時にあけよう」
Q ボート、ウインドサーフィンを楽しむ人は今のほうがいいのでは?
A 塩水湖が出来るので、ひっくりかえって水を飲んでも、目に入っても大丈夫なので楽しむ人がふえます。夏の風景が目に浮かびませんか。
Q 河口堰を開放すれば、ワーストワンを返上出来ますか?
A できると思いますが、上流中流の生活用水の流入や、河自体の自浄能力にも問題がありますから、芦田川流域の人達、みんなで、自然を取り戻す努力が必要とおもいます。
国土交通省が取り組んでいる、高屋川浄化施設の稼動、ヘドロの浚渫、葦を植える植生浄化作戦や、市民運動のクリーン芦田川キャンペーン(家庭排水の浄化、粉せっけんのすすめ、EM菌の活用)水源の山々などに植林する等、芦田川水系の水を守る考えと、行動が大切とおもいます。
Q 芦田川河口堰建設は当初より、間違いだったか?
A そうとはおもいません。アジア大会が広島県で開催された年(平成6年)西日本は雨が極端に少なく(最近35年間では最少降雨)、芦田川に誘致したボート競技の開催が危ぶまれましたが、三川ダムの放流と、伏流水井戸の汲み上げと、市長さんの雨請いの祈りを天が聞き届け、雨が降ったと記憶しています。大会も成功し、市民の飲み水も確保されました(12時間断水もありました)河口せきは大活躍しました。
八田原ダム(H10.3月竣工)が機能し、各企業の努力により工業用水の必要量の減少を見たから、河口堰サン20年間ご苦労様とねぎらい、目的を変更していただきたい。
Q 他のグループとの話し合いは?
A 芦田川をクリーンにする考えを持つ人、住み良いふるさとを求める人達と、機会ある毎に連携を深めたいと思います。
Q 実現の為のキーは誰が握っていますか。
A 市民の選挙で選ばれた福山市長さんが、国土交通大臣に申請し、工業用水は大丈夫ですか 大丈夫ですと答えれば 海水を出入りさす事が出来ます。それには、福山市水道局長さんが創意と工夫、河口湖の水をあてにしない方法(水利権の見直しなど)を努力により、発見し、市長さんをバックアップすれば、自然公園を市民は取り戻せます。
Q 最近、市長さんは、工業用水が十分確保できることを前提に、河口堰の定期放流を、建設省に要請したと言っておられますが?
A 水質改善には、放流したほうが良いと思いますが、自然公園にはなりません。
冬季は水温が下がり水質は良くなりますが、夏季は少雨のとき真夏の太陽に照らされて、水温が上がり微生物と細菌が大量発生し、水質は非常に悪くなっています。新聞記事では冬の放流でノリの色落ちがあったそうです。
Q 芦田川から箕島浄水場へ、水を送るよい案はありませんか?
A 中津原ゴルフ場の上流に、七社頭首工(ななやしろとうしゅこう)と言う、セキが有りトンネルを通って、郷分町、山手町と流れ芦田川の下をくぐって、南本庄5丁目(国土交通省芦田川出張所)より箕島浄水場まで、農業用水路(いよう用水路)があります。整備拡充すれば、安い予算で、水は工業用水浄水場まで、送れると思います。
問題は水源です。八田原ダムより、日量7万t、いままでより余分に放流を国土交通省に、お願いしていただきたい。
Q 農業用水路を使用する案は、農家が反対しませんか。
A 多治米町、川口町、曙町、新涯町の農家の方に聞いてください。田植えの頃に、水があればいい。私たちも、しじみを掘って遊んだよ、河口堰開放大賛成の返事があるでしょう。(水路の許容量は日量25万t、田植えどきの最大使用量は12万t)
いよう用水路は、広島県が作り、福山市土地改良区が管理しています。
Q 我々の出来る事はありませんか?
A 市長さんに、声が届くよう働きかけて下さい。又、実現した時、今は水があるので見えませんが、せきの近辺には、缶やビン、自転車まで捨ててあるそうです。清掃活動でがんばりましょう。
A 山に植樹をしたり、河川敷をきれいにする行事、芦田川の勉強会、集会に積極的に参加してください。
余談
最近 少年の犯罪が多発しておりますが、テレビゲームの影響が多々あるとおもいます。
幼少の時、砂浜を走り回れば、良い少年になると思います。野外活動が大切と考えます。
子供や孫のために、自然公園を作りましょう。
我々 人間が、自然を破壊してきました。取り戻せる条件が整った、今こそ、元に返しましょう。
特色を持ち、その地にあったまちづくり、魅力有るふるさとづくりを目指す福山が、全国で、はじめて河口堰を開放し、自然と共生する福山をアピールしてもいいではございませんか。
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