巻頭言 

『キリストは私たちの平和』 エフェソ2:14~16

「二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、

規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。」(14~15)今日本には国会解散という噂で、政党間に敵意という風が吹きまくっています。沖縄では今日が県知事選の投開票日、危険な米軍の普天間基地移設のため、新たに巨大な辺野古基地を建設することに、賛成か反対かの県民の審判が下されます。私は知事選が終わった後、敵意の隔ての壁を取り毀し、双方が沖縄のそして日本、アジアひいては世界の為に和解し手を携えて進むよう主のお導きを祈っているところです。

 日本の中で、沖縄には米軍基地が集中し大きな負担となっていますが、その沖縄の伊江島で1950年代に、巨大な権力を持ったアメリカ軍に対して、非暴力、無抵抗に徹して立ち向かい、基地の大部分の返還を勝ち取ったクリスチャン阿波根昌鴻さんを紹介します。

 伊江島は沖縄北部有名な「美ら海水族館」のある本部半島の西9kmの海上にある、東西8.4km 南北3kmという小島ですが、沖縄が米軍に占領されると同時に日本爆撃のための基地として島の7割を占拠されました。阿波根さんはイエス・キリストの教えに従い非暴力、無抵抗に徹して島民を指導し基地の半分を返還させたのです。

 阿波根さんは米軍と交渉する際の規定を作りました。その中で主な三つは次のようなものでした。1)米軍に会うときは礼儀正しくアイサツすること、2)

耳より上に手を上げないこと、3)愛情をもって道理をつくし、幼子を教え導く態度で話し合うこと。さらに阿波根さんはよく聖書を引用しました。「一匹の迷える子羊を助けるために九十九匹の羊を野において探した」(マタイ18:10~14

「剣をとる者は皆剣で滅びる」(マタイ26:52)阿波根さんは「私たちはアメリカを救うために愛と忍耐を身につけなければならない」ということばを遺して、2002年、101歳で亡くなりました。             川平朝清

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2013年11月16日  (過去メッセージのリンク)
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