<巻頭のことば>

「母の愛、神の愛」 エフェソの信徒への手紙31419

アメリカの有名な曲「リパブリック讃歌」の作詞者で女性政治活動家、ジュリア・ウォード・ハウは、夫や息子を戦場に送るのをもうやめようと「母の日宣言」を掲げましたが、その運動は普及には至りませんでした。そのハウに影響を与えたのがウエストヴァージニア州ウェブスターで南北戦争中に敵味方なく負傷兵を助けるために「母の働きの日」を定めて地域の女性を結束させたアン・ジャービスでした。彼女は26年もの間、教会の日曜学校教師として奉仕していましたが、ある日曜日の教会学校で、「あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が長くなるためである。」という十戒の言葉を朗読した後、「皆さんの中で、誰でもいいですから、お母さんの偉大な愛に心から感謝を表す何か良い方法を考え出してくださることを望みます。」と子どもたちに語りかけたのです。この言葉に感銘を受けたのは当のジャービス夫人の娘アンナでした。彼女は、お母さんが亡くなった2年後、1907512日の追悼会でその言葉を実行に移しました。アンナは母への感謝とその働きを讃えて母が好きだった白いカーネーションを捧げ、出席者全員にそれを配ったのです。その後アメリカでは1914年にその日を記念日とし、5月の第二日曜日を「母の日」と定めたのです。

 母の日は、キリスト・イエスを通して現された神の愛を覚える日でもあります。

「無条件の愛」母親は、日を定めて子どもを愛するわけではありません。子どもの行いの良し悪しで愛するわけでもありませんが、人間の愛には限界というものがあります。私たちは許せない者を愛すことはできません。しかし、神は無条件(人種、性別、年齢、行為を問わず)に敵さえも赦し広い愛で愛して下さいます。

「見返りを求めない愛」本来母の愛には打算はありませんが、人間の愛には、「やってあげてるのに・・」とか「・・してもらって当然」という交換条件や打算が働くのも事実です。しかし、神は「わたしは、とこしえの愛をもってあなたを愛し変わることなく慈しみを注ぐ」(エレミヤ31:3)と約束しておられます。長き愛、高潔な愛です。

「犠牲の愛」母親は自分の身を挺して子どもの命を守りたいと願います。神は、ひとり子イエスを私たちの罪の代価としその愛を示して下さいました。今日という日、母の愛に感謝し、母を通して示される神の深い愛に感謝したいと思います。

<

 

2013年5月11日  (過去メッセージのリンク)
毎週礼拝メッセージを更新しています。(過去メッセージのリンク)