平和を得るために」ヨハネによる福音書16:33

これらのことを話したのは、と冒頭にあるのは、イエス・キリストが弟子達に過越の祭りの食事、すなわち最後の晩餐を取られた、二階の広間で教えられた12の事柄です。これは「二階の広間の教え」(ヨハネ13章〜16章)と言われています。ここでもイエスは、この世から天の父のもとへご自分が移る時が来たと、弟子たちとのパンと葡萄酒の分かち合い(13:11〜)、聖霊を与える約束(14:15〜)、平和を残し、与える(14:27〜)、互いに愛し合いなさい(15:18〜)、悲しみは喜びに変わる(16:16〜)と教えられました。しかし、弟子達はその本当の意味を、  

イエス・キリストが十字架にかかり復活されるまでは、理解しませんでした。

いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和御心に適う人にあれ。

(ルカ2:14) もともとイエス・キリストは平和をもたらすためにお生まれになりました。そのお誕生を天使によって最初に知らされたのは、名もなく貧しい羊飼い達でした。この天使に天の大軍が加わり、このように神を賛美したというのですから。それは大音響だったのでしょう。

ご降誕から2000年以上もたった今世界は平和でしょうか。今世界の27ヶ国・地域で30を超える紛争や戦争が起き、そこに住む人々の合計は23億3000万人、世界人口3人に1人は戦渦に巻き込まれていると言われています。その数はクリスチャン人口に匹敵します。 パウロはエフェソの信徒に「立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、平和の福音を告げる準備を履物としなさい。」(6:14)と告げました。

 全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する(日本国憲法 前文)ふりかえって日本はどうでしょう。今日12月8日は、1941年、昭和16年、日本軍がハワイの真珠湾奇襲攻撃をして、太平洋戦争を始めてから72年目の日です。結果は、1945年、昭和20年敗戦、多くの犠牲者を出しました。その結果得たのがこの平和憲法です。今日本は平和でしょうか。東日本大震災による避難者がいまだに30万人以上もおり、原発汚染水が増える一方という状態は平和とは言えません。キリスト者のなすべきことはまだまだ多くあります。     川平朝清


2013年12月8日  (過去メッセージのリンク)
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