「主の呼びかけに」 詩編119:105

「あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。」

 日本ではお正月の「三が日」が休日とされており、俳句では新年の季語としても使われています。大晦日から元旦にかけて、過ぎた年の厄を祓い、新しい年の無事安泰無病息災を祈願する風習として守られ続けています。教会にとって、今日はエピファニー、「顕現日」や「公現日」と言われ、異邦の民への主の救いの現れとして覚えられています。礼拝と御言葉とをもって新しい年に船出する日です。

 聖書の中で一番短い章は詩編117編で、面白いことにユダヤ人の聖書なのに「すべての国よ、主を賛美せよ。すべての民よ、主をほめたたえよ。」と勧めます。なぜなら、天地を創造された神の慈しみはすべての国民の過去を被い、すべての国民の未来を司る神のまことは永遠で人の思いをはるかに超えて力強いからだと言うのです。過去の出来事、未知なる世界を支配し(司り)先立って進んでくださる主が共におられるからです。神様の歴史への介入という、イエス様の御降誕、十字架、そして復活の出来事を抜きにその歌を歌うことはできません。

 聖書の中で一番長い章はこの詩編119編です。それは全体に渡って「御言葉」について歌います。神様を直接讃えるというより、神様との親しい関係の中で御言葉に従う喜びを歌っています。昨年の漢字は「金」という字でした。オリンピックイヤーであったり、ノーベル賞受賞などがあり、世相を反映しての一文字です。そして、私たちにとっての一文字はいつも「恵」と言えます。主イエス様にある「恵」を反映した確かな一文字で、「十字架」を「思う」と言う字に見えます。未知なる世界に向かう私たちと共にいてくださり、暗い道の光となってくださる神、どんなことがあってもその歩みを照らしてくださる神の灯である御言葉は私たち一人一人への十字架に示された神様の犠牲の愛から出ています。一年を吉凶で判断するのではなく、主なる神様を礼拝し御言葉を通して、良い事の中にも悪いと思える出来事の中にも神様のメッセージを読み解き応えていく一年としたいものです。

 続く106節は「わたしは誓ったことを果たします。あなたの正しい裁きを守ります。」と語ります。それは、主の恵みの言葉を味わい、呼びかけに応えた人の決意です。御言葉は慰めや平安、力を与えますが、同時に神様への愛の応答・決意を求めます。「主よ、あなたの愛と恵みで私たちを満たして下さい。」

 

2013年1月6日  (過去メッセージのリンク)
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