2010年12月05日

  「地に平和あるように」 ルカによる福音書2:8~14


ある人が、深く掘られた土地を見つけ、なおも掘り下げている男に聞いたそうです。「どうしてそんなに深く地面を掘っているのですか?」すると男は、「建物の高さに見合った基礎を作っているからです。」と答えたそうです。この世の幸せ、満足を目標にすればそれだけの基礎しか必要ありません。しかし、神様は私たちに永遠に至る建物の基礎作りを求めておられます。その基礎は、福音とその福音を信じて主に従う信仰です。それは、神の御言葉を中心にして生きることでもあります。

ルカは異邦人の医者であったと言われています。美しく格調高いギリシャ語で書かれている文章で、彼が論理的で教養のある人だったことが分かります。彼は、それを読んだ人々が、イエス・キリストを救い主と信じるために主の物語を書き連ねました。読んだ人が、イエス様を主とあがめ、神に栄光を帰すためでした。

福音を信じることは「狭い門」しかし、「命に通じる門」(マタイ7:13)です。ルカは、救い主の到来が、天使により、地道に暮らす普通の人々に伝えられたことから描き始めます。後継ぎがいない老祭司夫婦ザカリヤたち、幸せな結婚を前にしていた乙女マリア、そして、イエス誕生の知らせを最初に受けた羊飼いたち・・誕生後の宮参りで、長い間イスラエルが本当の救い主によって慰められることを待ち望んでいたユダヤ人シメオン、若い時に夫と死に別れ長い間一人暮らしだった女預言者アンナ・・皆普通の人々でした。しかし、世の中に普通の人などありません。皆、それぞれに人生があり、生活があります。人に言えない物語があり、直面する問題があります。しかし、そこに命に至る門があり、その門は地味で目立たないのです。

自分の人生の焦点をイエス様に合わせる時、永遠への扉が開きます。「すると突然、この天使に天の大軍が加わり、神を讃美して言った。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』」 イエス様は弟子たちに、「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」(マタイ5:16)と語られました。「地の平和」それは神に栄光を帰す、神の御心に適った者たちに与えられるものなのです。この世の片隅で生まれ、十字架に死に、復活されたイエス様に神の栄光の全てが現されており、信じる者はその栄光と平和に与るのです。<