2010年7月11日

 満足の秘訣」 フィリピの信徒への手紙2:12-18

フィリピの教会は、使徒パウロが第二回伝道旅行の際、ヨーロッパで最初に建てた教会です。フィリピの町での事件を通してパウロとシラスは投獄されましたが、神は不思議な力で彼らを救い出し、看守とその家族さえ救いに導いたのは、二人の「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」(使徒16:31)との言葉です。

パウロのフィリピ教会へのメッセージはどんな時にもどんなことがあっても「喜び、喜ぶこと」です。「神のなさることは時にかなって美しい」(コヘレト3:11)とありますが、人生の只中で理解しがたい出来事や事件事故に直面する時、私達は神のなさることは全て良しと受け止めることはできません。しかし、問題は出来事そのものではなく出来事に対する私たちの心の在処です。先日、横浜寿町(現在は松影町)にあるカナンキリスト教会の教会員の証しを聞きました。人生のどん底に行き着き、主イエス・キリストに出会い、身も魂もホームレス生活からも救われた方々の証しを聞きました。親兄弟、子供、妻からも逃げられ、逃げてきた人たちが本当に安らぎと希望が与えられる場所はイエス様による救いと、イエス様が今も生きて共におられることを確信する礼拝と祈りの場所でした。果たして自分は彼らのように見栄も外聞もなく、言い訳もせず、ただキリストが私の罪の為に死んで下さったことを受け入れ信じているのかを問われました。失うことを恐れず、主イエスに、自分自身を明け渡すことが出来ているのかをもう一度問われました。

パウロは語りかけます。「だから、わたしの愛する人たち、いつも従順であったように、わたしが共にいるときだけでなく、いない今はなおさら従順でいて、恐れおののきつつ自分の救いを達成するように努めなさい。」(2:12)それは、救い主イエスを自らの救い主、すべての問題の解決主と信じ従い続けることから与えられる喜びへの道です。どんな出来事の中にも喜んでいくことへの保障です。

パウロは、獄中にあり、死を覚悟しつつも主の再臨を信じ、「わたしたちの本国は天にある」(3:20)との確信をもって、どのような境遇にあっても心のありよう、魂の在処を知ることによって満足の秘訣を得たのです。「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。」(4:13)強めてくださる方を喜びます。