2010年5月23日

 うめく神の霊」 ヨハネによる福音書14:15~18

本日は聖霊降臨日(ペンテコステ)です。イスラエルでは大麦の初穂を捧げ春の穀物の収穫をお祝いする日で、クリスチャンにとっては神の霊、聖霊によって教会が誕生した記念の日です。「キリスト教は難しい」と言われることがありますが、聖書に記された十字架や復活、奇跡とともに「聖霊」も分かりにくい言葉です。しかし、聖霊こそが目に見えぬ神がどのような方であるか、そしてその神を理屈を超えて信じさせてくださる神ご自身の霊なのです。

 聖霊は私たちを誰よりも知り、人格に触れ、助け、慰め、導いてくださる神ご自身のあらわれです。「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。」(ローマ8:26) 使徒パウロは、人間だけでなく被造物全てが心の中でうめきながら体の贖われることを待ち望んでいると言います。人は皆、他人には言えないうめきを抱えながら頑張っています。しかし、神ご自身わたしたちのためにうめきながら、神を信じる信仰へと導いてくださいます。ペンテコステに注がれた聖霊は、神が私たちと世の助け主として歴史の中に現れてくださった神の霊です。

 聖霊は人が新しく生まれるための始まりとなってくださるだけでなく、毎日の生活の中心になってくださる方です。「ところで、わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。」(2コリント4:7)私たちは聖霊を不思議な業を成す力と考えていますので、不思議体験を重要と考えてしまいがちです。しかし、聖霊は人格的存在です。聖霊によらなければ私たちはキリストを主と告白できません(1コリント12:3)し、私たちの誤りを認めることができません(ヨハネ16:8)。しかし、聖霊が臨むとき、力を受け地の果てまで主の証人となります(使徒1:8)。自分の力で行えば燃え尽きてしまうでしょう。ペンテコステに聖霊は人間の群れであった弟子達をキリスト者へと変え、教会を生み出したのです。聖霊はイエス様の言葉を思い起こさせ(ヨハネ14:26)、御霊の実を結ばせて下さいます(ガラテヤ5:22-26)。聖霊は人を形作り、教会を建て上げてくださる方であることを忘れてはなりません。