2010年2月21日

「荒れ野の誘惑」 マタイによる福音書4:1~11

 “さて、イエスは悪魔から誘惑を受けるため、“霊”に導かれて荒れ野に行かれた。そして四十日間、昼も夜も断食した後、空腹を覚えられた。すると、誘惑する者が来て、イエスに言った。「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」次に、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて、言った。「神の子なら、飛び降りたらどうだ。『神があなたのために天使たちに命じると、あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える』と書いてある。」イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』とも書いてある」と言われた。更に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と言った。すると、イエスは言われた。「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある。」そこで、悪魔は離れ去った。すると、天使たちが来てイエスに仕えた。“

 イースターの前日より40日間(日曜日を除く)をレント・受難節<四旬節>と呼びます。レントとは断食を意味します。初期の教会では復活日前日、洗礼志願者が学びと断食と祈祷の時を持つ習慣が出来、イエス様の受難を覚え四旬節を守るようになったと言われています。40日という期間は旧約聖書の出エジプト、荒野での苦難の40年や、本日の聖書の箇所イエス様の40日に渡る断食の苦難にまつわるものです。レントの初日は「灰の水曜日」(今年は2月17日)と呼ばれ、受難のキリストを覚えて灰をかぶったことに由来すると言われています。プロテスタント教会では教会暦を厳密に定めることはありませんが、主イエスの十字架への道をたどり、イースターを迎える準備の時と捉えています。イースターまでの6週の主日と受難週(3月28日より受難日4月2日を含む4月3日まで)

 今週は主イエス様が受けられた荒れ野における肉体の苦難と霊の苦難(罪への誘惑にみことばをもって対抗された)から始めて、苦難や誘惑の中に立ちうる神と神のみことばの確かさを覚えて参ります。