2009年8月9日

 「自由への道しるべ」 申命記5:1〜15

 「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。あなたはいかなる像も造ってはならない。あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。安息日を守ってこれを聖別せよ。」申命記5:6-12

 今年、日本の教会も64回目の敗戦記念日を迎えます。終戦記念日と呼ばず敗戦記念日と呼ぶことに「自虐的」で自信を喪失しかねない呼び方だと言われることがあります。しかし、未来は後悔の上にではなく、正しい歴史認識と反省、悔い改めの上に築かれていくものだと思います。奇しくも「9・11アメリカ同時多発テロ事件」の次の年2002年11月、日本バプテスト連盟第49回定期総会では「平和に関する信仰的宣言【平和宣言】」を採択しました。それは、十戒を生きる宣言文です。

 前文:「平和をつくり出す人たちは、さいわいである。」と主イエスは、言われる。しかし今、世界は敵意に満ちている。殺戮と報復が果てしなく繰り返され、絶望が支配しようとしている。十字架の主イエスは、この世界において裁きと和解を為し、開放と平和を告げ知らせ、私たちを復活のいのちへと導かれる。私たちは静まって沈黙し、主イエスの声に聴く。教会は、救われた者の群れとして応答に生きる。神は、奴隷の地エジプトから人々を解放し、十戒を与え、救いの出来事に応答して生きることを命じた。主イエスは、十字架と復活を通してこの律法を通してこの律法を成就された。それゆえ私たちは、十戒を死文と化してはならない。教会は、十戒を生きる。この世界の中で主のことばに従って平和を創り出していくために、日本バプテスト連盟に加盟する私たちは、主の恵みに与かりつつ、主の戒めに生きることを宣言する。

 エジプトで苦役にありながらも異郷の神、教え、祭儀、習慣に親しんだイスラエルの人々に、主なる神はモーセを通して自由への道しるべを与えられました。それが十戒であり、神と人、人と人、人と創造物との関係を祝福することばでした。その前文こそ、十戒を貫く神の愛と約束、の基盤。「強く、また雄々しくあれ。恐れてはならない。彼らのゆえにうろたえてはならない。あなたの神、主は、あなたと共に歩まれる。あなたを見放すことも、見捨てられることもない。」(申命記31:6)との主の約束は、キリスト・イエスの受難と復活により束縛から自由自律へと私たちを導きます。