2007年3月11日

「いなくなってはならない一人ひとり〜愛の絆」

 「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」聖書のみ言葉がここに集約されているゆえに、ヨハネ3章16節は「小聖書」であると言われます。この一句には、かけがえのない一人ひとりとしてのすべての人に差し向けられている神の大いなる愛があふれています。

 20代最後の年の夏の日に、連盟の教会学校部主事と常盤台教会教育主事を兼務していた頃、次のような忘れがたい一つのエピソードを知らされました。それはキリストの福音を、教会学校の働きを通してあらゆる年代の人々に伝えなければならないと、決心を新たにさせられた出来事になりました。
スウェーデン映画「彼女が踊ったのは僅かひと夏だけ」という映画の一場面として紹介されていたことです。

若い恋人同士の二人が、雛菊の咲き乱れる野原に現れる。彼が一本の雛菊を摘んで彼女に渡す。彼女は言う。「この花、もう二度と咲かないわ。かわいそうじゃない?」彼が言う。「どうして! 他にたくさん咲いているんだよ! 来年の春には同じようなところにまた新しいのが咲くんだよ!」彼女は言う。「でもこの雛菊はもう二度と咲かないわ」(カール・マイケルソン『危機に生きる信仰』P.254 新教出版社、1959年より)。

 人は皆一人ひとり、神によって全く独自のもの、交換されえないものとして生を受けています。その一人ひとりが、永遠の命に生きるべきものとされるために、イエスは世においでになり、十字架の死を遂げ、復活されました。この福音によって互いに生かされて生きるように、神はすべての人を招いておられます。感謝と喜びをもって私たちはこの福音を教会から発信し続けようではありませんか。
 (志村バプテスト教会 岡村正二牧師)