2007年1月28日

「共に育つ」 コロサイ人への手紙3:12〜17

 福音の種は、世界中どこの、どんな時代にある、どんな人の中ででも、聞いて真に悟った日から実を結んで成長します(コロ1:6)。しかし、コロサイ教会の成長の危機は外部からの迫害よりむしろ間違った知恵や知識という内部からの惑わしによって起りました。グノーシス主義という神秘的な知識を持つことによって救われると考える思想は、教会の人間関係に戒律や偽善、人間中心の哲学を忍び込ませ、成長どころか共同体を破壊していったのです。そればかりか、キリストによる救いを否定し、愛による一致を無意味なものとしました。

 クリスチャンはよく「神に委ねる」と言いますが、それは何もしないで待っていることではありません。パウロは「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。(エフェソ4:3)」と言いました。それは、神を信じ神の領分は神に任せ、自分の領分は自分が努めるという協同作業を表します。真の共同体は神の愛に立つ率直で真実を求める人々によって築かれていきます。

 世の光、灯台としての教会を育てるために必要な態度は、第一に主にあって正直であることです。成長したいと望む人はお世辞より誠実に真実を語ってくれる人に感謝するものです。パウロは「愛に根ざし真理を語りなさい(エフェソ4:15)」と言い、「偽りを捨て、それぞれ隣人に対して真実を語りなさい。わたしたちは、互いに体の一部なのです。(同4:25)」と言いました。衝突を恐れ、うわべの平和を取り繕うとすれば問題の解決は先送りになってしまいます。コロサイの信徒に対し、パウロは具体的なアドバイスを続けます(3:18-)。

 そして、謙虚さと思いやりが大切です。「互いに思いを一つにし、高ぶらず、身分の低い人々と交わりなさい。自分を賢い者とうぬぼれてはなりません。(ローマ12:16)」パウロは自己中心的なプライドは捨てなさいと言っているのです。イエスの謙遜をモデルとし、礼儀正しく、また相手の立場に立っ態度を身につけることです。思いやりとは相手が抱えている問題を軽く考えないことです。

 また、定期的に会うことや秘密を守り合う必要があります。自分の秘密と同じほど人の秘密は大切です。箴言に「暴言をはく者はいさかいを起こさせる。陰口は友情を裂く。(16:28)」とある通りです。定期的に会うことはその関係を大切に育てていくということです。私たちが育ち合うために最も知るべきことは、私たちが神に選ばれ、聖なるものとされ、愛されているという事実です。その知識こそが私たちに本物の関係を与えて互いを成長させるのです。そして、身につける品性に「愛」を加えて全てが完成するとパウロは言います。