2006年7月2日

「天を仰いで」 使徒言行録1:1〜11

 使徒言行録はルカによって、イエス・キリストの復活後30年に渡る使徒達の活躍と教会の成長とが記録された福音の証言です。イエスさまによって開始された神の国運動は弟子たちに受け継がれましたが、それを先導したのは人と人の力ではなく聖霊とその力によるものでした。それは救いの計画の初めから準備され約束されたものでした。聖霊とは生きて働く神の霊(使徒4:31)、弁護者、助け主(ヨハネ14:26)、慰め主(使徒9:31)、信仰に導く霊(1コリ12:3)、共にいて下さる方(ヨハネ14:17)、救いの保障(エペソ1:14)です。

 イエスさまは苦しみを受け、十字架に死に、復活なさった後、40日間使徒たちと共にありました。40日とは復活を証明する完全数であり使徒たちの受けるはずだった苦難を喜びに変えた日数です。しかし、それでも弟子たちは「神の国」について理解することができませんでした。主イエスはそんな彼らに地上での彼の働きの終わりを告げ、聖霊の働きの始まりを約束されました。聖霊は弱い、人間にすぎなかった弟子たちに力を与えエルサレムから地の果てに至るまでのキリストの証人としました。聖霊の力の及ぶエルサレムとは第一ステージ、自分自身と家族、ユダヤとサマリアの全土とは第二ステージ、自分の教会とコミュニティー、そして地の果てとは第三ステージ、世界です。

 青葉教会にはA4Cという子ども聖歌隊があります。Aoba Christ Church Children Choir の略です。他にもAOC(青葉、おじさん、聖歌隊)というのもありますが、青葉教会という船が生き生きと人生の荒波を航海していくために共有する別の4つの「C」があります。

1.Chart(海図:聖書)聖書はそれ自体、お守りではありません。「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。」(2テモテ3:16)。そして、全ての物事を計る物差し(基準)となるものです。(詩篇16:6
)
2.Compass(羅針盤:信仰)いつも私たちの心を神に向けさせ、救いの源となり、聖書を正しく理解させる神の恵みの力です。自分が誰で、何処に向かって、何のために生きているのかを示す魂の針です。

3.Crew(乗組員:交わり fellwship)私たちは一人では生きていけません。信仰にある仲間が必要です。互いを必要とし、互いに仕えていく必要があります。その交わりとは、人との(使徒2:42)、身分の低い人との(ローマ12:16)、キリストとの(1コリ1:9)、聖霊との(2コリ13:13)、父と子との(1ヨハネ1:3) 交わりに深められていきます。

4.Captain(船長:リーダー)イエス・キリストは教会の頭です(エフェソ1:10)。そして、教会は「愛に根ざして真理を語り、あらゆる面で、頭であるキリストに向かって成長していく」(エフェソ4:15) 共同体です。

 聖霊はギリシャ語で「聖なる風」と書きます。教会の一人一人がへりくだり、心の帆を開いて聖霊の風を受けるなら神が神の業を私たちを通して行って下さいます。私たち自身を神に委ねるなら、神が私たちに委ねておられる使命(神の救いの計画)と、それを行うために必要な力を既に与えて下さっていることに気付くでしょう。ガリラヤの人たちは何故、天を見上げて立っていたのでしょう?それは、目に見えるイエスを頼りにし降りてこられるのを待っていたからです。しかし、聖霊が下ったとき、彼らは目に見えない、神の生きて働く力を頼りとし、教会という船の、かけがえのない乗組員一人一人に与えられた持ち場と才能を使って喜び歌いつつ人生の航海を続けていったのです。