2006年2月26日

「不可能のない神」 ルカによる福音書1:26〜38

 天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない。」マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。

 教会と教会の群れにとって何事にあっても大切なことは、乙女マリアに天使が語った「神にできないことはない」という真実を信じることです。とても信じられないことが降りかかったマリアは驚き恐れたと思われます。しかし、彼女は自分の理解や判断を選んだのではなく、天使の言った言葉を選んだのです。そこから神の業が始まりました。

 教会にとって教会堂を建築するのは並大抵のことではありません。さまざまな困難がそこにはあります。しかし、だからこそそこに祈りが生まれます。そして、第一のプロセスである土地の選定に導かれます。そこで大切なことは、神は目的に応じて教会に必ず相応しい場所を与えて下さることを信じることです。神にできないことはありません。地域にとって教会が必要とされる一番良いところを求め、教会のミニストリー、理念は何であるのかを知る必要があります。漠然とした目標ではなく、教会には各々の使命があります。第二に経済の問題があります。信仰者にとって捧げることは信仰の危機となることがあります。しかし、受けるよりも与える信仰は霊的に私たちを成長させ、教会の祝福となります。クリスチャンにとって捧げることから受ける神の祝福の体験は必要なことです。教会の経済、建築への資金の必要は信仰を通して与えられると信じる信仰が必要です。神にできないことはありません。そして、第三にビジョン(設計図)を実現する働き人が必要です。教会は資金があるだけでは建てられません。信仰によって与えられる人々によって建てられるのです。建築にあたって様々な障害が出てきます。教会内部での人間関係における闘い、信仰の闘いがあり、教会員自らの内なる闘いがあります。しかし、一人一人がその教会に神より与えられたと信じる使命と目的に添って一致し、捧げ、働き祈るとき、必ず完成を見ることができます。そして、地域に認められる教会、なくてはならない存在として認知され、大人も子供も福音宣教に用いられるものと変えられていきます。神にできないことはありません。

 教会が将来に向けて次世代の子供たちへ信仰を継承して行かないならば、教会はその存在理由と存在する力を失っていきます。また、誘惑多いこの世界の中で子供たちの魂が守られ、霊的に成長するためには今、教会には真剣な取り組みが求められています。大変な事業ですが、しかし、神にできないことはありません。ご一緒に取り組んで参りましょう。(みどり野教会・西村内弘牧師)