3月3日はひな祭り。その日に妻の母上を招待しました。場所は飛騨の金山です。ということは周辺は釣り場だらけ、「据え膳食わねば…」なんていう諺?もありますが、ここまで来て釣らずに帰る手はないだろうと、お迎えのついでにホームグラウンドの馬瀬川へ出かけることにしました。しかし、午前中は仕事、5時にはお迎えという手枷、足枷がついているので、どう計算しても実釣時間は3時間。2連敗中の身としては、もう少しじっくりと腰を据えて釣りたいのは山々ですが、このところの春めいた陽気で、お魚さんたちもきっと快く自分を迎え入れてくれるだろうと、勝手に考え、釣行を決定しました。(今年はこんな思いつきの釣行ばかりです…)
さて、仕事を終えると脱兎の如く車に乗り込み、41号を北上!1時頃村役場上の淵に着きました。ここは一昨年、思い切りいい思いをした場所です。水温は8℃、温度計が壊れていないかと思い、もう一度計ってもやはり8℃。「結構高いなあ」と思い、川を眺めるとわずかながらもカゲロウが飛んでいます。まとまったハッチがないので、ライズは見当たりません。「待つか、投げるか」迷います。投げるならドライにするかニンフにするか…。色々なことを考えながら、川を眺めていると、ザワザワと木が揺れる音、静かなプールに広がる波、けっこう強い風が吹き始めました。すでに30分ほど時間を使っています。ライズの気配がないので、ニンフを結び、キャスティング開始。ねらいは向こう岸の大岩ギリギリの所です。時折吹き付ける強い風の合間をぬって流れにフライを入れます。ゆっくりとインジケーターが流れます。水温も高いので瀬も探ってみますが、当たりはありません。目を凝らして水中を見ても魚の姿は見えません。
思い切って昨年早くからライズがあった川上地区へ場所を移動します。途中の黒石には何人か人が入っています。その黒石を過ぎると、道路脇や河原に雪が目立つようになりました。川上地区の河原は一面の雪!水温を測ると4℃です。北風が冷たく感じます。
再び下へ移動します。黒石を見ると、先ほどの人が釣りを終えて帰り支度をしています。車を滑り込ませてすぐに釣りの準備をします。下流側に回って左岸の岸際をねらってフライを流します。魚が着いているのも見えます。期待に胸を高鳴らせ、キャスティングを繰り返しいていたその時です。すぐ近くで「ボチャッ!」という音が聞こえました。ふと見ると10メートルほど上にルアーマンが入ってルアーをガンガン投げ始めました。ちょっと前、土手の上を歩いているのを見た時に嫌な予感はしたのですが、見事にあたってしまいました。文句を言ってやろうと思ったのですが、時間は3時少し前、私に残された時間はあと1時間ほどです。無駄な時間は使いたくないので、すぐに移動開始。岸際のアマゴがビックリして泳いでいきます。
風が冷たく、そして強くなる中「ここが最後」と漁協近くに入川しました。ヘアーズイヤーニンフを結び、石の周りを丹念に探ります。が反応はありません。雲も厚くなり日差しも陰ってきたので、チャートリュースにオレンジマラブーのテイルをつけた思い切り派手なMSCを結びました。するとニンフと一緒にアマゴが泳いで来るじゃありませんか。「食え、食え!」と祈りながら見つめます。無情にもそのままフライは流れ去り、アマゴも行ってしまいました。もう一度流すと、再びさっきのアマゴ?がフライについてきます。少しドラグをかけて誘ってみると、フライにアタックしギラッと反転しました。「ヨシッ!」と竿を軽く立てると、フライはすっぽ抜けそのまま水中で一人旅…。気持ちが焦って早合わせしてしまったようです。時計を見ると予定の時間が迫っていました。ふと気がつくと手がかなり冷たくなっています。周りはすっかり冬景色になっていました。私の釣りも冬から抜け出せません。う〜ん、寂しい…。