親切なイワヒバリ君

今年2002年の夏は、8/4から2泊3日で、針ノ木雪渓から登って、
針ノ木、スバリ、赤沢、鳴沢、岩小屋沢と縦走して種池まで行きました。
お天気もまずまずで、快適な縦走が楽しめました。

最終日の3日目、午前6時過ぎに昨夜泊まった新越山荘を出発し、種池に
向けて歩き始めました。
しばらく、登ったころでしょうか、2〜3mほど前の登山道にイワヒバリ
(だと思う)が出てきました。写真を撮ろうかと、望遠レンズに交換してシャッ
ターチャンスを待っていたのですが、ちょこちょこと跳ねながら前に進む
ので撮れません。
「ちょっと、止まってほしいなぁ。」
と思いながら見ていたのですが、わたしが歩くと、このイワヒバリも登山
道を前に進むようです。こっちが、止まると、彼も止まる。まるで、こっ
ちの歩調に合わせて、一緒に歩いているようです。

なんだか、かわいいやつです。
「君、わたしの道案内をしてくれてるの?」
わたしの2mほど前をちょこちょこと跳ねながら、登山道をそれることも
なく、一緒に歩いてくれるんです。

その時、逆方向に向かう登山者が前から来ました。すると、イワヒバリは
さっと登山道から離れてしまいました。
「あ〜あ、どこかにいっちゃった。」
と思って、あきらめて歩き始めました。ところが、気が付くといつの間に
か、すぐ前に居るじゃないですか。そして、またこっちの歩調に合わせる
ように一緒に登ってくれます。

「おいおい、いつまで一緒に歩くの?」
「君のほうが、迷子になるよ。」
その後も、しばらくわたしに付き合ってくれていました。

ところが、新越山荘から最初のピークのあたりに来た時でした。チラッと
こっちを振り向くと、さっと、どこかへ飛んで行ってしまいました。
なんだか、「じゃぁ、気をつけて行けよ」とでも言っているようでした。

けっきょく、あのイワヒバリの写真は撮りませんでした。でも、きっと忘
れることはないと思います。




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