3 Minutes NetWorking
No.5

3MinutesNetWorking

第5回OSI参照モデル

■ OSI参照モデル・おさらい

インター博士

よみがえるがいい、この電撃で〜!!

ネット助手

…。
…………、はっ!! 僕は今まで何を?

インター博士

よし、ネット君。OSI参照モデル7層の名前と順番を言ってみろ。

ネット助手

えっ!?
えっと、あの、その・・・。

インター博士

ふむ。確かに死んだら覚えられんな。
今回はネット君の言ったとおりだったな。

ネット助手

死んだら覚えられん、って。
死んだらってどういう事ですか、死んだらって!

インター博士

言葉どおりだが?
それはともかくとして、OSI参照モデルは以下のような7層から成り立っている。

第7層アプリケーション層Application Layer
第6層プレゼンテーション層Presentation Layer
第5層セション層Session Layer
第4層トランスポート層Transport Layer
第3層ネットワーク層Network Layer
第2層データリンク層Data-Link Layer
第1層物理層Physical Layer

[Table04-02:OSI参照モデル7階層]

ネット助手

いや「ともかく」ってごまかさないで下さい。
そういえば、死んだお婆ちゃんが川向こうから手を振ってたような…。

インター博士

それは脳内麻薬の分泌による幻覚だ。
そんなことよりも、OSI参照モデルの名前と順番を覚えなさい。

ネット助手

「そんなこと」って、人の生死を…。

インター博士

ネット君の生き死になどそんなものだ

ネット助手

しくしく。

インター博士

で、覚えたかね?

ネット助手

え〜っと、上から順番に「ア、プ、セ、ト、ネ、デ、ブ」っと。
任せてください。日本型偏差値重視管理教育の底力ッス。

インター博士

そんなもので威張るな。まあ覚えれるなら手段は問わん。
とにかく、わざわざ7つの階層だてにしたのは理由がある。

ネット助手

そうですね。もっと少ないと覚えやすいのに。

■ 階層分けした理由

インター博士

各レイヤは、それぞれ機能が違い、独立している
なので、特定の機能を理解するためにはそのレイヤだけ考えればいい。

ネット助手

インター博士

例えば、前回の手紙の例で考えてみよう。
手紙通信というものを考えた場合、全部一体で考えると「手紙を便箋に書く」と「郵便局員が仕分けする」という全く違うことも同じレベルで考える必要がある。

ネット助手

無茶な話ですね。

インター博士

なので、やるべきこと毎に分けて考える。「便箋」と「仕分け」の問題はそれぞれ別、と。
例えばベンダが便箋を作る際には、便箋が果たす機能の面だけ考えて作ればいい。

ネット助手

紙の質とか、色とかですね。
郵便局員の事は知ったことではない、と。

インター博士

そうだ。郵便局員の事は、郵便局員のベンダ(郵政省)が考えればいい。
そうすれば、手紙通信全体のことも機能別にバラバラで考えればいいので、楽だろう?

ネット助手

でも、あまりバラバラに考えるとうまく行かないことってないですかね。

インター博士

モデルに沿って考えるので、上下のレイヤとのつながりは無くならない。
理解しやすい他にも、機能に変更があっても、そのレイヤ以外に影響が及ばない

ネット助手

ん〜、例えば?

インター博士

例えば、便箋のサイズを新しい規定によりA4サイズしか使えないことになった。他のは絶対使ってはいけない。
だが、郵便局員にはそれは関係ない。

ネット助手

そりゃそうですね。
逆に、郵便局員の内規が変わっても、便箋や書く内容には影響を及ぼさないと。

インター博士

そうだ。それが機能毎にレイヤに分けた理由だ。
よし、上から順番にレイヤを簡単に説明しよう。

■ 7つのレイヤの機能

ネット助手

レイヤ7、アプリケーション層からですね。

インター博士

レイヤ7は最上位に位置し、ネットワークというサービスを提供する
言ってみれば、ネットワークの入り口に位置する層で、ネットワークが可能かどうか判断する層だ。

ネット助手

次がレイヤ6、プレゼンテーション層です。

インター博士

レイヤ6は、データの形式を決定する
すごく大雑把に言えば、使う言語を決定するとでも思ってくれればいい。送信元と受信先が違う言語を使っていた場合、2人が共通してわかる言語を使う。

ネット助手

あぁ。僕がブルキナファソの人と話す際、僕はフランス語がわからない、向こうは日本語がわからない。なので英語を使う、って感じですね。
レイヤ5、セション層は?

インター博士

何故ブルキナファソ?
ともかく、レイヤ5セション層は、セッションを管理する

ネット助手

せっしょん?
よくバンドなんかで使うあのセッションですか?

インター博士

そうだ。意味的には話し合いという意味だが、こっちが話して、向こうが話し返してくる。これを何度も繰り返して会話をするのだが、この会話のまとまりのことだな。

ネット助手

ん〜?
なんかよくわからないですね。

インター博士

またまた手紙を例にとろう。
こちらが送った手紙が向こうに着く前に、君のペンフレンドが手紙を送り返してきた。
行き違いが起きてしまって、これでは会話として成立しないだろう?

ネット助手

えっ、何故僕のペンフレンドのキャシーの事を知ってるんです?
そういえばキャシーともそういう事ありましたけど、確かに話が繋がらないですね。

インター博士

誰だよキャシーって。以前、覗き見たときは日本語の手紙だったぞ。
とにかく、そういう行き違いが起きないように、会話の流れを管理するのがセション層の役目だ。

ネット助手

いや、彼女はコネティカット出身の留学生ですよ。
日本語は勉強中だそうで、たどたどしい所がかわいーんですよ。

インター博士

ふむ。いいから一度写真を送ってもらえ、ネット君。
とりあえず、上位3層の説明をしたが、この3層の事は細かく覚えなくてもいい。

ネット助手

覚えなくていいんですか?

インター博士

ここから先、しばらくはな。それよりも下4層の方が重要だ。
まずレイヤ4、トランスポート層だが、信頼性の高い通信サービスを保証する層だ。

ネット助手

信頼性の高いって。
あぁ、エラーが少ないって奴でしたっけ?

インター博士

そうだ。エラー以外にも、相手に確実に届ける、という事を保証したりもする。
レイヤ3、ネットワーク層は離れた場所に存在する相手との間でデータの伝送・運ぶルートの決定・宛先の決定などを行う。

ネット助手

なんか盛りだくさんですね。

インター博士

そうだな。この層を知ることは、今のインターネットの仕組みを理解することに直結するかもしれん。
次のレイヤ2、データリンク層は、近くの機器とのデータの伝送制御を行う。

ネット助手

なんか、レイヤ3との違いがわかりづらいんですけど。
「離れた場所」と「近くの機器」ですか?

インター博士

うむ。レイヤ2の方がより直接的な接続を制御するのだよ。
ケーブルで直に接続されている機器とのデータのやり取りの制御、と考えてもらえばいいかもしれん。

ネット助手

ははぁ。
レイヤ3は、見えない相手とのデータのやり取りってことですかね?

インター博士

まあ、今のところはそれでいい。
最後のレイヤ1、物理層は電気・機械的なルールを決めた層だ。最後は電気信号のやり取りになるわけだからな。

ネット助手

は〜。一気に全部は覚えられないなぁ。

インター博士

うむ、ネット君の脳は揮発性だからな。しかたあるまい。
それぞれのレイヤを細かく説明してくことによって、ちゃんと刻み込んでいくから心配するな。

ネット助手

はぁ、お願いします。

インター博士

次回は、もうちょっとOSI参照モデルの説明をするぞ。

ネット助手

了解。
3分間ネットワーキングでした〜♪

よみがえるがいい、…
ゲームソフト「メタルマックス」で主人公パーティが全滅した時に、復活の際言われる言葉。たまに失敗するのがお茶目。
ア、プ、セ、ト、ネ、デ、ブ
とある先生が言ってた語呂合わせ。

ある日、美容院から肉感的なご婦人が髪を上げたセットで出てきました。
ご婦人に向かって一言。
アップセットね、デブ!

…ちょっとどうかと思う。
セション層
[Session Layer]
英語を見てもわかるとおり、「セッション層」とも呼ばれます。
揮発性
コンピュータでは主にメモリのタイプを表す言葉として使われる。
電源が絶たれると忘れてしまうメモリのことを「揮発性メモリ」という。
反対語は「不揮発性」。
ネット助手ネット君の今日のポイント
  • 通信全体の問題を階層でわけることによって、簡単に、修正しやすくしている。
  • 各レイヤの機能も覚えよう。

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管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp