牛乳を飲むと腹下す理由

 えーと。
 何だか限りなく怪しいタイトルから始まったわけであります。
 でまあ、読んでもらえれば即理解していただける通り、何で牛乳を飲むと人によっては腹下すのか、と言うことについてのリサーチの結果です。

発端

 実にくだらない理由からリサーチはスタートしました。
 ええとまあ、簡単に言えば私が「元」牛乳を飲んでしまったことです。
 迂闊でした。因みにこれを書いている今現在も、少し調子悪げです。

 悪くなった牛乳飲んだら腹下すのは当たり前ですが、まあ。
 暫くたってからもまた話を聴くに。
 「駄目な人は処理してる牛乳でも腹下すよ」
 ということがありまして。
 私はもう平気のへの字でありましたので、全然そういう知識がなかったので、こちらでは好奇心を刺激され。
 それで、こんなことをリサーチすることになったのであります。

段階1/推論

 とまあ、いきなり調べはせずに、数名と議論を交わしたわけであります。
 その中で、ヒントになりそうな発言が。
 「ある人たちは、牛乳の何かを分解する酵素を持っていない、という話を聞いたことがある」
 ピーンと来ました。
 食い物で、体質ときたら大抵アレルギーか酵素絡みです。
 で、アレルギーで無いから酵素の話である率が高いわけです。
 そんでもって、普通の飯では腹下さないだから、牛乳ぐらいにしかない特殊な成分です。
 そんなの一つしか無いじゃん。

 乳糖だ乳糖。貴様かっ!

 ホシの目星はあからさまに付いたわけで。
 それでWebを漁るに、犬猫等は乳糖が原因で腹を下すと言う話があり、興味倍増。
 その後に、「腹を下さない牛乳は甘い、きっと乳糖を分解してるんだろう」という証言もあって俄然ヤル気倍増。
 Webでのリサーチ開始であります。

段階2/本当に乳糖?

 とまあ、さっき乳糖が怪しいと踏んだばかりですが、これからは証拠を固めねばなりません。
 何てったって、きちんとした記述があれば心強いのです。
 そんなこんなで検索するとあら不思議、あっという間に「犯人=乳糖」という記述を発見。
 めでたく(あっさりと)犯人は特定されたのであります。

 ぱちぱちぱち。わーわー。ぱちぱちぱち。

 でもまだ終わりません。こんなところで追求するのをやめたら科学者にはなれません。
 いや、あきらめてもいいんですけどね。うん。
 やっぱり、ここまで来たら「何で乳糖を摂取すると腹下すのだろう」と思うのが自然な流れであります。

段階3/何故乳糖?

 で、犯人が乳糖と特定されると、何でこいつは腹を下させるのかということが当然問題になります。
 …いや、なりますよね?
 それでWebを漁ると、どうやらこいつが大腸の中で(発酵なのか腐敗なのか怪しいところですが)細菌に分解されたり餌になったりしているらしく、その結果生まれた副産物が色々と影響を与えているようなのです。
 この副産物、主成分はどうも酢酸(CH3COOH)や蟻酸(HCOOH)などの有機酸らしい。
 で、こいつらは少しなら胃腸の栄養になったり、菌の繁殖を抑えたりしていい事するわけですが。
 過ぎたるはなお及ばざるが如し。
 多すぎると、刺激が強くなって腹痛。蟻酸が分解されて出来るガスで腹が膨れる感じが。
 便通なんかにも影響があるそうです。
 で、この症状、れっきとした名前がございまして。
 「乳糖不耐症」
 まんまじゃん。というどうでもいい突っ込みはさておいて。
 そのまま、乳糖を分解する酵素が欠如しているために引き起こされる病気だそうな。
 その酵素の名は「ラクターゼ」、高校で習いましたね。
 小腸で普通は分泌されますが、たまに出てこない人がいるらしく。
 対処法としては、
 ・乳製品から手を引く
 ・ラクターゼを含んだ薬剤を併用する(単独での服用禁止)
 ・牛乳をあきらめてヨーグルトとかの発酵食品に逃げる
 ・大丈夫な人の体を乗っ取る
 ・頑張って自分で対処法を発見する
 などの方法が。
 結構ありふれた症状らしく、病状もそんな深刻でないそうな。
 症状などの詳しいことについては、インターネット医療カウンセリングシステム/IMCSの医療辞典より「乳糖不耐症」(デモ版)をどうぞ。

段階4/で、分解するのは誰?

 とまあ、乳糖の話は切り上げまして、興味は腸内細菌に移ってまいります。
 そらそうです。犯人が特定されたら、共犯者だの背後組織だの調べます。
 それでまあ、また芸も無くWebを漁るわけでありますが。
 するとぉぉぉぉぉ!
 早速、カルピス株式会社基盤技術研究所「腸内細菌で健康を守る」を発掘。
 かなり詳しい情報が書いてあります。

 食事中の人は見ちゃ駄目よ♪

 上の注意は厳守すること。私は責任持ちませんからね。
 ああ、あと神経質な人もやめた方が賢明です。念のため。

 真面目解説。
 かなり詳細/科学的な情報が書かれています。
 私のような人間には非常に興奮できる素材でありますが、適性の無い人にはかなり辛いかも知れません。
 高校で化学IBと化学IIを履修していれば、十二分に理解できる内容なので、理解できる人は結構居るはずです。
 分からない人は直ぐに本屋に行きましょう。
 そして学びなさい。
 取り敢えず、人間の体内に棲息している細菌どものあまりの数にお兄さんビックリであります。
 まぢでこんなに居るんですかいな先生。
 それでもって、好気性の菌が1割もいたということ。何だか酸素が全然なさそうだし、殆どおらんのかと思い込んでました。
 各消化器ごとの細菌数の分布なんかもいい感じです。十二指腸って一番清潔なんですね(感嘆)。
 後は、摂食のバランスが腸内細菌に与える影響にも若干触れてあります。
 どうも、細菌は穏健派の菌の勢力が減退気味な様ですがまあ、あんな暴飲暴食してりゃ当たり前か。
 とまあ、結論は「オリゴ糖を摂ろう!」というありがちなものに結びつくのでありました。
 向こうも商売だから仕方ないですね。



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