GURPS Armageddon -3000-

Armageddon

 2000年、地球。
 突如として開いた「門」。
 襲い来る「白きもの」と「黒きもの」。
 100年に渡り続けられた戦争、Armageddon。
 突然のカタストロフィ、大時空震。
 訪れる一瞬の平和。
 飢えからの脱却と権力の掌握を夢見る幻想家の蜂起。
 平和は破られ、更に40年の戦乱が訪れる。
 そして再び訪れたカタストロフィ、Apocalypse。
 文明への最後の鉄槌。生命への果てしない攻撃。
 2140年、世界に真の平和が訪れる。
 崩壊し、腐敗し、機能を失った世界に残された、僅か4500人の生き残りと3人の接触者。
 彼らは信じ難い速さで文明を取り戻し、歩みを止めることなく進歩し、進化し続ける。
 科学と魔法の調和。永久機関。造られた命。不老不死。
 夢と現実の境界の薄れた世界が、西暦で3000年を数える今、此処にある。
 その世界を、大災厄の名を取ってこう呼ぶことにしよう。

 Armageddonと。

Armageddonの舞台

UPS

 UPS――United Planets of Systems、諸星系惑星連邦。
 超々高度技術の恩恵に浴しながら活発な精神状態を失っていない稀有な存在である、三つの種族により構成される一大星間国家です。総人口は5000億を数え、三つの主星系、九つの副星系、二十の移動星系、そして二千を超える移動惑星を擁し、軍事力は広大な宇宙にあるあらゆる国家の中でも屈指の水準に達しており、完成された研究体制とそこから生み出される技術に関しては他の追随を許しません。
 UPSはかつて連続した大災厄による宙域への影響もあって、奇跡的にも技術が超高度に発達するまで他の国家にその存在を認知されませんでした。現在では、自分自身の存在を超高度な技術を駆使して隠蔽することにより、その立場を維持しています。主星系は人工的に生み出された別の宇宙に存在し、他の宇宙との連絡は慎重かつ精密に制御されています。副星系は四重に重ねられた物理法則の変化すら遮蔽する漆黒の防御フィールドによって外界から覆い隠されている上、銀河から遥かに離れた虚無空間の奥深く、それも最も探知の難しい部分に置かれています。移動星系や移動惑星にも同じ原理のフィールドが展開されており、他の星間国家からその存在を隠し続けています。
 UPS暦800年、西暦で3000年を数える現在まで、主星系および副星系の存在が他者に認知されたことはありません。移動星系の一つは過去に一度だけ他の国家に存在が認知されかけた事がありましたが、低次文明を装った上で摩り替えられた偽の星系の崩壊を演出することにより、それを乗り切りました。移動惑星は高度に発達したいくつかの銀河間国家にその存在を認識されていますが、それは稀に観測される伝説じみた現象としてであって、UPSに関する情報が流出するには至っていません。

領域

三大主星系

 三種族が元々住んでいた三つの主星系を指して、三大主星系と呼びます。三大主星系は2840年から2842年にかけて行われたプロジェクト・カナン以来、通常主宇宙から隔離された別の人工宇宙「カナン」の中に存在しており、外部との連絡を完全に制御することによって難攻不落の要塞となっています。また、UPSの中枢機関、主要な研究機関、幾多の生産拠点、そして全人口のおよそ40%が三大主星系にあり、あらゆるUPSの機能の中心となっています。
 「カナン」は半径100光年足らずの非常に安定した構造を持つ閉じた小時空で、その高次元座標における中心に青色矮星にして重力構造制御機関である「イルス」が置かれています。イルスから半径一光年の円周上を等間隔で三つの星系の主星が公転しており、惑星は更にその周りを公転しています。それらの軌道はイルスによる重力制御により安定化されているため、規定された軌道を外れる事はありません。また、イルスの中で放出されたエネルギー(放射や高エネルギー粒子等)は全て急伸宇宙へと排出されており、人工の宇宙が「パンク」することを防いでいます。
 三大主星系を構成する三つの星系は、それぞれ「ヘリオニア」「カテレニア」「テルツェニア」と呼ばれます。それらの星系を母星系とする三つの種族を合わせて「テラナー」、彼らの母星である三つの惑星ガイア、アメル、セレネを総じて「テラ」と呼びます。
 ヘリオニアは、現在我々が住んでいる太陽系の事を指します。恒星である太陽はヘリオス、首星たる地球はガイア、そしてガイアを母星とする地球人類はガイアナーと呼ばれています。UPSの立法府は、ガイアの東京第一種特別区の中心部に置かれています。
 カテレニアは、かつては「黒きもの」、今はアゼラーと呼ばれる種族の母星系です。恒星カテラを周回する三番目の惑星が彼らの母星アゼルであり、そこのヘリセアス第一種特別区にはUPSの司法府が置かれています。
 テルツェニアは、「白きもの」、現在はセレナと呼ばれる種族の母星系です。恒星テルツァの第四惑星セレネが彼らの母星であり、其処のツィオン第一種特別区にはUPSの行政府が置かれています。
 元来星系に存在していたものと後から作り出されたものを合わせて、主星系は全て36の惑星を従えています。全ての衛星と内側から10、15、20、25、30番目の惑星は工業施設と研究施設の並ぶ工業星となっており、UPSの巨大産業と人々の日々の生活、そして未来における存続を支えています。地球型の惑星はテラフォーミングを施され、快適な居住空間となって人々の生活の場となります。

ヘリオニア

 ETERNALの世界の中における太陽系の未来の姿です。
 恒星であるヘリオス、9個の旧惑星と27個の新惑星から成る36個の惑星、及びそれらを周回する200の衛星から成っており、UPSの立法府が首星ガイアに置かれています。400億の人口を抱え、UPSで最も人口の多い星系となっています。
 旧惑星はその姿を大きく変えています。
 水星はかつての軌道を外され、大幅に質量を付加されてた上で、地球と同じ軌道上を二ヶ月分だけ先行して公転しています。金星は0.1天文単位だけ太陽から離され、火星は同じだけ近寄り、共に緑に覆われた惑星となっています。地球だけがかつてと変わらない姿をとどめてはいますが、それでも二度の災厄によりその地殻はかなりの変化を受けています。

副星系

 カナンの外、外宇宙には九つの副星系があります。
 副星系は全て暗黒幕により外界から隠蔽され、UPSに関係しない一切の存在からの干渉を遮ります。
 副星系は、かつてテラナーが資源と居住空間を求めて移住し、開拓した星系です。整った外見を持つ主星系とは異なり、その形状や特性は様々に異なりますが、いずれも高度なテラフォーミングを施され、快適に生活する事ができます。永久機関たるマナ=エネルギージェネレーターが開発されてからはその地位に若干の陰りが見えるものの、外界との間接的接点として、また居住と産業のための空間として重要である事には変わりありません。

移動星系

 虚空内において自然運動に身を委ねる副星系と異なり、移動星系は自らのエネルギーを用いて宇宙の深淵を移動します。その方法は様々ですが、多くは瞬間転移と物質=エーテル構造転換超光速推進で行われています。通常時も、時間収縮を中和する時間補正を併用した亜光速駆動によって、常に移動し続けています。
 エネルギー供給のために複数の恒星を抱えている星系も多く、一方で居住惑星の数は少ないのが普通です。移動星系の主な役割は外界の監視拠点、および移動惑星のプラットフォームとなる事であって、主星系や副星系のように人々が暮らし、産業を支える事では無いからです。

移動惑星

 単独で宇宙空間を移動する移動惑星は、地球ほどの大型のものから微小な小惑星程度のものまで様々なサイズがあり、何れも外界に対する監視と交流、そして介入の場となっています。
 惑星のサイズに応じて一個から複数人工恒星が移動惑星を周回しており、人工の重力と大気の下で人々が生活しています。人口密度は低く、産業機関もそれほど置かれていません。あくまでも、外界との小さな接点と言う目的の為に特化された環境です。

暗黒幕(ダークカーテン)

 副星系、移動星系、そして移動惑星の周囲には、暗黒幕(ダークカーテン)と呼ばれる強力な防御フィールドが張られています。
 暗黒幕の主要な役割としては、(1)UPS諸領域の外界からの隠蔽、(2)恒星放射エネルギーの採取、(3)マナ密度の調整、の三つがあります。特に(1)は、UPSの宇宙内部における地位に大きく関わってくるファクターとなっています。

種族

テラナー

 3000年現在、UPSは三種類の種族によって構成されていますが、それらをまとめてテラナーと呼びます。これは便宜上の呼称であって、日常生活の中でも個別名称はそれなりに用いられていますし、学術的に認められている術語でもありません。然し三種族の起源が同じ生物種であることを考慮し、妥当な名称であるとする論も一般的です。
 由来は、三種族復興の地となったガイアの、ある非常に古い言語で「地球」を意味する単語にあります。
 同じ祖先を持つとは言っても、三種族の遺伝子には既に大き過ぎる違いが生じており、交わって子供を授かることは難しくなっています。一方で、結婚自体は種族を超えて行われる事が既に社会的に受け入れられています――肉体的な関係よりも、精神的な関係がより重視されています。

ガイアナー

 我々地球人を指します。外見や基本能力は、現代の我々と殆ど変わりありません。かつてあったの生殖能力の差の影響のため、現在でもテラナーの中では最も数が多く、全人口のおよそ四割はガイアナーが占めています。

アゼラー

 かつて「黒きもの」(現在では蔑称です)とガイアナーに呼ばれていた、黒い羽に覆われた二枚一対の翼を持つ種族です。身体能力や知性はガイアナーとほぼ同等です。全人口の三割を占めます。
 翼は退化しており、技術の支えを受けなければ飛ぶ事はおろか滑空する事さえままなりません。目一杯に広げた時は二枚合わせて背丈の倍程になり、普段縮めておく時は二枚合わせて胴体と同じぐらいの太さ、背丈と同じぐらいの高さになります。

 アゼラーは翼のためにガイアナーより少し体重が重い一方で、翼以外の肉体はむしろ軽く、若干華奢に見えます。能力に差はありませんが、ガイアナーの美的感覚を刺激する容姿となることが多いようです。

セレナ

 かつて「白きもの」(やはり、現在では蔑称とされます)と呼ばれていた、白い羽に覆われた二枚一対の翼を持つ種族です。翼の色が異なる以外においては、身体能力、知性ともにアゼラーとほぼ同一であり、全人口の三割を占めています。

UPSの社会構造

 UPSでも三権分立制が敷かれており、各種族の首星がそれを一つずつ担う事で良好な緊張関係がもたらされています。かつては様々な論がありましたが、現在では各種族が与えられた役割に誇りを抱いています。

立法

 立法を担う連邦最高議会は、3000年現在、地球の東京に置かれています。
 最高議会には第一院と第二院の二つの院が置かれています。
 第一院は定員1000名、任期4年で、全議員が一度に改選され、また最高執政官権限により解散させられることもあります。一方、第二院は定員は同じ1000名ですが任期は長くなり、8年になります。また議員の改選は二年ごとに四分の一ずつ行われ、解散は無いものの同一議員はのべ四期以上勤めることが禁止されています。
 法案の提出は全て議員が行います。提出された議案には先ず議長による確認が入りますが、余程のことがなければそのまま第一院での審議に回されます。ここで議員の半数以上の賛成を勝ち取れば、法案は第二院での審議へと進み、三分の二以上の賛成を得られれば可決されます。もし第二院で可決されなかったとしても、それは廃案にはならずに再び第一院で審議され、ここで三分の二以上の賛成が得られれば強制的に可決、そうでなければ廃案となります。
 また、可決されたとしても更なる審議が待っています。最高裁判所による、憲法への抵触の審査が入ります(我々の知る違憲立法審査権にあたります)。もしもここで違憲判決が下れば、強制的に廃案とされてしまいます。

司法

 司法の担い手である最高裁判所は、アゼルのヘリセアスに置かれています。
 裁判は最高裁判所長一名と、裁判官十二名によって行われれます。最高裁判所に持ち込まれるのはごく一部の重要な事件だけであり、大抵は一つか二つ下の裁判所でカタが付いてしまいます。これが結果的に最高裁の権威を高めていることにもなっています。また、裁判の模様は全て執政府権限で撮影されており、常時ネットワークを通じて放送されています。
 裁判官と裁判長は毎年一回、全国民による投票によって罷免される可能性があります。もしも国民の三分の一以上が罷免を望めば、有無を言わさずにその裁判官はその地位を退かなければなりません。裁判長罷免に関しては半数以上の票が必要です。
 法案の違憲審査も最高裁の重要な責務です。この審査に力を入れるという伝統があるようで(由来は不明です)、時には丸一日を審査に費やしてしまうことすらあります。
 警察組織は全て司法の下に置かれています。彼らは司法の実行者、執行者として国民の安全を守るために存在します。この中には事件の種類別に特別に訓練された部隊があり、彼らは忙しい日々を送っているようです。

行政

 行政の担い手である最高執行府は、セレナのツィオンに置かれています。
 執政府の長、最高執政官は数名の立候補者の中から国民投票で選ばれます。被選挙権は全ての知能年齢25歳以上の国民が有しては居ますが、実際には各政党が推薦する候補同士の争いになるようです。
 実際に政務を担当するのは彼ら執政府の人間たちであり、あらゆる行政権限はここに集中します。最高議会からの不信任決議と最高裁からの違憲審査が、彼らの行動を常に監視し続けており、前者は直接的、後者は間接的に政権の崩壊を招くでしょう。  最高執政府の下には、様々な省庁が置かれています。それらを統括する執政大臣は、全て最高執政官の指名により決定されますが、国会の承認が得られなかった場合は異なる候補を挙げなければなりません。

地方自治

 UPSのような巨大国家では、地方自治は非常に重要です。中央政府だけでは全てに対処し切れません。
 まず全ての領域は「惑星群」にわけられ、その下に「州」、さらに「市」、「区」と続きます。
 UPSでの住所は、先ず所属する星系の名前から始まり、次いで惑星群、州、市町村、区、そして具体的な番地の順に記述されます。

惑星群

 地方自治体の中で、最も大きい単位です。
 各星系の惑星は「内惑星群」と「外惑星・衛星群」、それに「外殻天体群」の三つに大別されます。
 大まかに言えば、「内惑星群」は、恒星系の最も内側にある地球型の全ての惑星を含み、「外惑星・衛星群」はそれより外にある木星型惑星と、その衛星を含みます。「外殻天文体群」は、最も外側にある「オールトの雲」を剥ぎ取り作られた全ての人工惑星を含みます。例外的な存在である冥王星は、「ヘリオニア外惑星・惑星群」に所属しています。
 各惑星群には群議会と高等裁判所があり、全群民の選挙により選ばれた代表が政務を執り行います。

 惑星群についで大きい、地方自治体の単位です。
 各々の惑星・衛星上の領土は、ほぼ大陸規模の大きさである州に分割されています。凡そ一つの惑星の上に七つから八つの州が置かれますが、小さい衛星程度となるとそれ自体で一つの州であるということすらあります。
 各州にはやはり州議会と州裁判所がおかれ、選挙で選ばれた州知事が政務を執り行います。個々の州ごとの政治的な自由度は大きく、隣の州とでは制度が大きく違ってしまうことも稀にあります。

市町村

 州の下にある自治単位です。
 市町村は、四国や九州程度の面積があります。UPSの大きさに引きずられてかなり規模が大きくになっているため、感覚としては現代の我々にとっての都道府県に相当します。
 人口500万人を超えるものは「市/シティ」、200万〜500万人のものは「町/タウン」、それ以下のものは「村/ビレッジ」とされ、国家から受ける給付金などに差が出ます。「市」は全体の四割ほどを占め、残り四割が「町」、二割が「村」という構成になっています。
 各市町村には議会と地方裁判所が置かれ、市町村長が政務を執り行います。

 最も小さい自治体単位です。
 市町村の下にあり、ちょうど我々の市町村と似た大きさ、人口規模を持っています。
 大抵の区は人口3万〜30万の範囲内におさまりますが、中には100万を超える巨大なものもあります。こうしたものは(第二種)特別区に指定され、特別な州からの補助を受けることが出来ます。
 区議会がおかれ、区長に区政が任されています。簡易裁判所は3〜5区に一つの割合で置かれています。

第一種特別区と移動惑星

 国家にとって非常に重要である地域は「第一種特別区」に指定され、国家によって直接管理されます。
 これに指定されている区域は、UPSの中枢たる東京・ヘリセアス・ツィオンの三領域だけです。いずれも人口密度が極端に高く、超々高層建築が立ち並ぶ大都市であり、その人口は都市一つでありながら一億を超えてしまいます。
 移動惑星は、それ自体で一つの州として扱われます。それ以外は他の地域と同様に扱われ、市町村・区と分かれていきます。

何が犯罪か

 UPSにおいても、殺人・暴行・詐欺・窃盗等は全て犯罪として取り締まられています。現代の我々とほぼ同じ法観念が支配している社会と考えて構いません。
 但し、技術の進歩に平行して様々な形で法整備が進められており、倫理観に関しては若干異なる部分があるかも知れません――例えばクローン、人工生命、生命操作、不老不死、魔法、超能力、超技術――他にも様々な要因が考えられます。

UPS憲法、権利、義務

背後主義

 UPS憲法は、他の文明に対する積極的な戦争行為を放棄すると宣言しています。また、他の文明との接触は最低限に抑え、出来る限り影響を与えるべきではないともしています。一般に、この姿勢を「背後主義」と呼びます。

死の自由

 UPSに国籍を置き、不老処置を受けて成功した者には、己の死期と死ぬ方法を自由意志により決定する権利が与えられます。これは如何なる他者によっても侵害される事は許されず、死を自ら選んだ者を復活させる事は厳重に禁じられています。ただ一つの例外は犯罪者が刑の判決を受ける前に死亡した場合で、この時は復活ないし適切な処置を行う事が許されます。

人格本位の構成

 UPSを構成しているのは、自然知性体(自然に発生した知的生物)だけとは限りません。人工的に生み出されたり、その他何かしらの手段によって生まれた非自然知性体もまた、立派な構成員となっています。
 取り分け、そうした自然/非自然知性体が「人格」を備えていると判断された場合には、法によって平等に権利と義務が与えられる事になります。「人格」の定義と巡っては未だに盛んに議論が行われていますが、現行では「一定の思考能力を持ち、情緒的な活動を有する精神構造を保持するもの」と曖昧に定義されています。

労働の義務

 不老化が実現しているUPSにおいては、労働の義務は重大な意味を有します。例えどれだけの資産を持つ者であっても、一定の成長を経た後には労働または高等教育に従事する義務があります。テラナーであれば、満18歳がその区切りとなります。

経済

経済

 UPSで流通している通貨はカレントと呼ばれ、共通語ではcrtと略記されます。他の世界との流通が殆ど無いため、事実上UPSの内部だけで流通しています。
 UPSでは市場経済が成立しています。全市場は非常に活発で、あらゆる種類の製品とサービスが盛んに売買されています。政府の国立銀行には、累積した黒字による莫大な資産が蓄えられており、常に市場介入に備えています。

産業

 UPSにおける産業は多岐に渡りますが、あらゆる項目においてその生産力は他のあらゆる文明を凌駕しています。食料や材料は無限のエネルギーを背景として無尽蔵に、かつ高い時間効率で生産され、それを加工する工程も高度に自動化されています。人々の多くはこうした一次的な産業には従事せず、二次的なサービス業に勤しんでいます。

貿易

 背後主義を貫くUPSですが、ごく一部の友好的な文明とは僅かな接触を持っています。彼らとは移動惑星を通じてのみ接触を行い、小規模ですが貿易も行われています。UPS側からは精密機械や特殊材料が、相手側からは美術品や嗜好品、更に各種の外界情報がそれぞれ引き渡されます。

教育と研究

 義務教育は六歳から始められ、六年間の小学校と四年間の中学校、四年間の高等学校を経て課程を修了します。次いで志願者が試験により選抜され、大学の課程に移り、研究者となるための専門的な教育を受ける事となります。
 研究機関には、国家や地方団体が運営する公営施設と、企業や個人が運営する私営施設が存在します。形式的な学問は主に前者で扱われ、後者は主に技術などに関連する分野を扱う傾向があります。

連合大学、UU

 UPS University、UUと略されます。
 UPSの誇る国立総合大学にして、最高の入学難易度と卒業難易度を誇り、優秀な頭脳を長年に渡って輩出し続けてきたUPSの教育と研究の要と言える機関です。その厳しさは、合格率が1%を割り、更にその一割は成績上の問題で無期休学ないし退学に追い込まれる現状から窺い知る事ができます。
 一学年につき毎年30万人の学生が入学し、四年間の学部課程、三年間の修士課程、三年間の博士課程、そしてその後四年間続く研究士課程を経て、彼らは様々な組織へと巣立っていきます。
 連合大学にはありとあらゆる学問分野に関する学部と学科、大学院であれば研究科と研究室が設けられており、政府はその研究のために資金の出し惜しみをする事は無く、常に最新鋭の教育・研究環境が提供されるように配慮しています。
 連合大学は東京特別区に置かれており、所属する者は快適かつ安全な生活を約束されています。

連合魔法学研究所

 UPS Institute of Magicalogy、UIMと略されます。
 魔法に関わる理論と技術の研究を専門に行う、国立の研究所です。連合大学魔法学部の卒業者を初めとして、全領土から集められた魔法学に携わる精鋭達が、日々研究に打ち込んでいます。
 マナ=エネルギージェネレーターはこの研究所で生み出された最大の成果といわれており、現在もUPSを支え続けています。

UPSの組織

 UPSの中に存在する、重要な組織を幾つか記述します。

UPS軍

<UIA>

 UPS中央情報局、UIA――UPS Intelligence Agency
 UPSの誇る諜報機関です。その名前は、かつて存在した強大な国家の組織の名をなぞって付けられました。
 彼らは様々な仕事をこなします。巨大な企業の違法行為の処罰、危険な組織への潜入、他の恒星系の実地調査――全て秘密裏に行われるものであり、安全な任務などありません。
 一般市民は、彼らの活動どころか存在そのものを知りません。時にはこの真実を外部に漏らそうとする者もいますが、UIAは情報操作により巧妙にそれを覆い隠しています。真実を知り、語る事が出来るのは、政府の中枢部に立つ者たちや裏社会の住人達だけです。
 普段の彼らは偽の(そして合法的な)身分を用いて、一般市民のように暮らしています。誰も彼らが諜報員であるとは思わないでしょうし、警察でさえ彼らを一般市民から見分けるのは困難です。
 UIAの諜報員には特別な特権が数多く与えられます。その最たるものは前述した合法的なもう一つの身分であり、他にも殺人の許可がなされているなど、殆ど法に縛られることはなくなっています。僅かに彼らを縛るもの、それはUIAの中の規則だけです。
 UIAの中にはネットワークの監視と情報収集、それにクラッキングを専門に行う部隊、通称「情報局の中の情報局」が存在し、UPSの中で最高の性能を持つ二つ一組の巨大コンピュータを駆りながら、日夜任務に当たっています。

通常部

 UIAのメインとなる部署です。
 ここに属する者たちの仕事は、何か「異臭のする」事件を素早く嗅ぎ付け、それに関する情報を真っ先に手に入れ、正確に把握・分析し、本部に連絡することです。彼らは言わば「生きた」情報端末です。
 役割を果たすために彼らには非常に多くの「つて」があり、それらから常に最新の情報を受け取っています。相手は普通の一般市民であることもあれば、企業の重役であることもあり、時には裏社会の重鎮であることさえあります。もしも良い情報であれば報酬(それは金とは限りません)は弾むので、彼らにとっても良い客であることでしょう。

潜入部

 何らかの組織に潜り込む者たちの部署です。
 彼らは内部から外の仲間に向けて情報を送り続けます。相手は大概は通常部の仲間です。情報収集だけではなく、時には内部工作を仕掛けたり、外の仲間と共に攻撃を仕掛けたりもします。
 「小さな失敗が死に繋がる」状態で、常に生命の危機と隣り合わせの任務が続くため、この部署は数ある部署の中でも最も厳しいものだといわれています。実際、ここの部署に属する隊員の平均所属期間は10年にも満ちません。肉体だけではなく、精神に対する強烈なダメージに耐えられるものだけが、ここに所属することができます。

外界潜入部

 内容は潜入部と同様です――但し、行き先はUPSの外です。
 彼らは他の生命の住んでいる世界に潜り込みます。その社会に溶け込んでいるものも居れば、それが出来ないために隠れて生活しているものも居ます。そして、その中からUPSに向けて集めた情報を送るのが、彼らの任務です。また滅多にないことですが、時にはUPSからの人員を手引きすることもあります。
 情報の中身は多岐に渡ります。彼らの社会の動向がその最も重要なもので、他にはその世界で起きた細かい出来事が纏められています。これらは本部で解析された後に資料として厳重に保存され、有事の際にはこの情報が隊員の道標となります。

分析部

 UIAの中枢です。
 各部署から集められた情報を分析する部署であり、いくら情報があってもここがしっかりしなければ何の意味も無くなってしまいます。そして同時に「首切り」や「降格」が最も多い部署でもあり、失態を晒すことが続けば、すぐに処分が下るでしょう。
 分析部に届いた情報はあらゆる角度から信憑性や有効性、危険性などが吟味され、最終的にUIA長官の下に提出されます。そして最後に長官と分析部、執行部が一堂に会して議論を交わし、ここで出された結論が国政を動かします。

執行部

 分析部と並ぶ、UIAの中枢です。

 あちらが諜報組織としての代表ならば、こちらは政府組織としてのUIAの代表です。資金のやり繰りや、他の組織との駆け引き等の運営に関すること、それに政府に提出する報告書の審査に加わるなどの形でUIAを動かし、支え続けています。分析部とは会議でよく衝突するので、関係はそれほど良くないようです。
 他の部署とはかなり独立しており、人員採用や昇進なども別個に行われます。また、この部署の人間は諜報活動にはそれほど長けているわけではなく、どちらかといえば官僚に近い雰囲気があります。

情報局の中の情報局、情報部

 コンピューターと、そのネットワークに関する部署です。
 コンピューターによって情報の分析を行ったり、ネットワークの中から何かしらの情報を探し出したりすることを任務としています。また、必要とあればクラッキング部隊とも化し、破れない障壁は無いと言われています。
 UPS内で最高の性能を持つコンピューターがここに置かれています。一つは安定した連続稼動が可能な「エリシア」、もう一方は恐ろしく性能が良い一方で、使い手の技術により稼働時間が著しく変化する「アリシア」です。エリシアはUIAの中枢を担うコンピューターとして常に動作していますが、アリシアは普段は眠りにつかされており、緊急時にのみ一時的に開放される以外では用いられず、また用いることも非常に困難です。

<TRG>

 TRGとは、「三女神」TRi-Goddessの名を冠したUIAの中の特殊行動部隊です。彼らは様々な組織から集められたUPS最高の精鋭達であり、極秘の実行部隊として日々暗躍しています。UIAの長官がここを管轄していますが、母体であるUIAとは実行部隊として作られたという点において、一線を画しています。
 この組織が作られた最大の目的は、E2への対策です。E2自体が認知されたのが最近であるために、まだ発足してから四年強という若い組織となっていますが、それにもかかわらず、UIA長官の強力なリーダーシップにより素晴らしいまとまりを発揮しています。実際の任務は対E2とは限らず、非常に厄介である事件は全てTRGに流れ込んでくるのですが、ここ最近は殆どの難事件がE2絡みであるようです。  TRGはいくつかの「班」に分かれています。

通常規模対策班

 A班と呼ばれます。
 この班の主な仕事は二つあります。
 一つは、E2本体やそれに関連する組織・企業への攻撃です。手段は選びません。直接侵入して関係者を直接攻撃することもあれば、じわじわと相手を社会的に追い詰めていくこともあります。
 もう一つは、他のどの組織でも手に負えなかった、或いは手に負えそうも無い困難な事件の解決です。敵が非常に強力であるが、大々的に軍を動かすことも出来ない。そんな時はA班の出番になり、警官や軍人、時には一般人に扮して少数で解決に当たります。
 A班に属する隊員は現在135名です。彼らは更に九つの「小隊」に分かれ、それぞれが一つの単位として事件の解決に当たります。「小隊」はそれ一つで完成された単位であり、全種類の事件に対応できるようになっています。

訓練生班

 B班と呼ばれます。
 見込みがあるとしてTRGに移ってきた新入りは、先ずB班でTRG隊員としての訓練を受けることになります。例え以前いた組織でどんなに実績があっても、ここに入ってくるときは新入りです。およそ半年の間に、TRG隊員としての責任の重さと、課せられている目的の大きさ、それに身の振り方を叩き込まれます。
 しかし新入りとは言っても、元々は精鋭なのですから能力は十分にあります。彼らは訓練の一環として、実際にさほど困難ではない方の事件の解決にあたることもあります。

事務班

 C班と呼ばれます。
 TRGの予算や各班への資金の分配を担当し、またUIA執行部との連携をとる役目もあります。
 やはり他の班とは独立しており、他とは異なってこちらは完全に事務に集中する形になっています。隊員の気を紛らわせるための催し物を企画したりということもしており、TRGに無くてはならないものです。

研究班

 E班と呼ばれます。
 様々な兵器や小道具の研究を主に行います。平行して、化学や生物学、さらには数学や物理学の研究も進められており、あげられた成果は仮の学術団体から発表されています。
 設備は常に最新のものに整えられ、学会からの情報も一片も逃さずに確認する体制をとっており、また安全管理も非常に厳重であるため、研究するには理想的な環境となっています。
 現在使われている兵器の中には、ここから生み出されたものが数多くあります。分解剣もここから生まれました。
 TRG研究班はUPS最高の頭脳であるシュヴァルツシルト兄妹を擁しており、彼らの成果はTRG及びUPS全体に絶大な影響力を持って日々生み出され続けています。

特別規模対策班

 D班と呼ばれます。
 D班に属するのは僅か十数名の隊員たちですが、彼らは皆何かしらの超人的な能力を有しています――このTRGの中でさえ、他の者の追随を許さないほどの。彼らはUPSの最強の部隊であり、また最後の砦でもあります。その能力はと言えば、たった一人でも星間国家を征服するに足りる程です。
 隊員にはそれぞれ「もう一つの名前」がつけられています。TRGの中では、彼らは本来の名前よりもむしろこちらで通っています。裏社会の中にも「二つ名」は通っており、知る者は名前を聞くだけで震え上がるでしょう。
 彼らの最も大きな責務は、UPSの最終防衛ラインとして、A班ですら対処できなかった事件の解決にあたることです。任務自体が滅多に課せられることはありませんが、しかし現在まで失敗は一つもありません。
 もう一つの役割は、他の隊員に対しての教官としてのものです。日々隊員の訓練にあたっています。

<E2>

 E2――Eternal Excusioner
 UPS政府によって最も危険とされている組織であり、その規模も、裏社会への影響力も、また思想の到達地点も、全てがあらゆる組織の中で最高レベルの危険さを有しています。E2は言わば、UPSがその体内に抱えたガンであり、爆弾です。
 彼らは悪意ある生命と無駄な存在の根絶を目標としていると謳い、またこの社会は腐り果てていると声高に叫びます。物が溢れ、情報が氾濫する社会の中で人々は目的を見失い、堕落し、日常を惰性に委ねていると。これまで幾度と無く目を覚ませと警告してきたが、全く聞き入れようとせず、そしてそのような者どもは社会にとって不要であり、害悪であり、単なる寄生虫に過ぎず、我々にはそれを排除する義務がある、と。
 E2は元々は小さな過激思想家の集まりであり、名前も現在とは異なっていて、犯罪行為に手を染めてもおらず、街中で人々を啓蒙するだけの集団でした。その後他の組織との合体・吸収を繰り返し徐々にその勢力を伸ばしていったものの、当時のUPS政府はただの一小組織である見なし対策を講じることはありませんでした。
 然し最近になり、E2と名前を変えた彼らは武器を手に取り始めます。最初は小さな事件を稀に起こす程度でしたが、やがて頻度・規模共に増大し、政府は漸くこれを危険と認めるに至ります。そして今から五年前、E2はついに政府から最も危険であるとされる「ランクF」に指定されました。
 彼らの活動は多岐に渡ります。街頭での啓蒙活動はまだ続けられていますし、その裏で洗脳による兵士の確保も怠りません。兵器の密輸や製造は勿論のこと、兵士の訓練や計画の立案・見直しも欠かしません。また独自の研究を進めて、様々な奇怪な生物兵器を作りだしてもいます。秘密基地は巧妙に隠され、UPSの諜報機関であるUIAと日々熾烈な攻防を繰り広げています。

学術

超科学

 超科学――Super Science
 科学を包み込み、遥かに超越する無限の可能性を秘める究極の知識体系。
 第二次「科学革命」――The Secend Scientific Revolution
 二人の天才によってもたらされた、新しい科学の爆誕。

超科学とメタ科学について

 通常の科学では、法則は普遍的で変化する事の無い規則であるとし、その発見と記述、及び確認が主たる作業となります。然しながら、Eternalの世界においてはそうした法則は様々な形で変化し、然も異なる地点でも通用するとは限りません。従って、通常の科学が依拠する科学理論は、厳密な意味において成立しない事になります。
 そうした法則の変化を支配するより高次の法則、換言すれば「法則の法則」を探求し、記述する体系が「メタ科学(Meta Science)」です。そして、メタ科学と通常の科学を総合して「超科学(Super Science)」と呼びます。
 超科学は科学を包含しながらも、それを遥かに超える視野と記述力を有しています。通常の科学だけでは説明が非常に困難であったり、或いは全く不可能であった現象についてさえ、超科学は言及する事が出来ます。
 Armageddonにおいては、超科学は2243年に成立したとされています。物理学や生物学などの自然科学だけではなく、数学や論理学、及び心理学や哲学の分野の間で行われた論争の後、アレックスとティアッツァによって提唱された「時空論」によってその基礎となる概念が与えられ、体系として形を成したと言われます。
 超科学の最も輝かしい功績と言われているものが、魔法と超為法の原理完全解明です。通常の科学では手を触れる事の出来なかった難問を、超科学は解決へと導いたのです。

数学と超数学

 メタ科学の中にあっても、その記述形式としての数学が持つ重要性は非常に大きなものがあります。より緻密に数理化・論理化された体系となっているため、一般の科学と比してその重要性は増大しています。
 3000年現在、数学は(非常に曖昧な区分であるものの)二つの分野に分類されます。
 一つは昔ながらの通常数学で、現代の我々が扱っているのと同じ「視線の高さ」の対象を扱います。古典数学とも呼ばれており、3000年現在において我々の想像を絶する水準まで発達し、他分野の研究を支えています。
 もう一つは超数学(Super Mathmatics)と呼ばれる分野で、AlexとTiazzaによって開拓されてきた分野一般を指します。メタ数学的な側面を多分に含むこの分野は理解が非常に難しく、現代の我々が誇る最高の頭脳を以てしても理解は絶望的で、高度な脳強化を施された未来の学者にとっても始終困難が付きまとう程です。超数学を奥底まで理解し、その研究を行う事が出来ているのは、開拓者であり第一線にあり続けるAlexとTiazzaを含めた、UPS全体で100人にも満たない極一握りの「天才の中の天才」達だけです。彼らは「神の脳」と呼ばれ、他の学者から尊敬と畏怖を集めています。
 超数学は後述するA-T理論の基礎理論となり、メタ科学の陰の立役者となります。

A-T理論

 超数学に支えられて成立した、メタ科学の基礎となる理論です。自然科学の根源的な拠り所である物理法則は不変/普遍のものでは無く、あるメタ法則に則って変化しうる存在であるとし、それを超数学の技法を巧みに用いて記述します。メタ力学、メタ物理学の異名の由来は此処にあります。また、メタ理論であるA-T理論によって逆にその存在が導出された物理法則も多数存在し、それらは通常の物理学の中に組み込まれ、研究が精力的に続けられています。
 A-T理論では、世界のあらゆる物理法則はたった一つの「超方程式」と、三つの「超定数」によって記述されます。そしてその系として、四つのメタ方程式と十二の基本定数が導出されます。何段階もの変換と簡略化を経なければならないため、その法則から実践的な計算を行う事は非常に難しい問題ですが、他の理論に骨組みを与えると言う点においては申し分の無い役割を担っています。
 A-T理論も超数学に負けず劣らずの複雑な体系であり、理解の困難さは同じか更に上であると言われます。「神の脳」達でさえ理解する段階で手間の掛かる作業であり、研究となればAlexとTiazzaの独壇場となります。二人はA-T理論をより易しく理解でできるような改造を進めており、成功して研究者の数が一気に増えるのは時間の問題であると言われています。
 尚、A-T理論のAはAlex(Alex Schwalzchild)、TはTiazza(Tiazza Schwalzchild)の頭文字を取ったものであり、両者が共に非常に重要な貢献を果たしたために-で結ばれています。

二人の天才と二回目の「科学革命」

 超数学、及びメタ科学は二人のガイアナー、アレックス・シュヴァルツシルト(Alex Schwalzchild)とティアッツァ・シュヴァルツシルト(Tiazza Schwalzchild)によって生み出され、そしてその殆どを展開されて来ました。二人の興味分野は非常に広く、数学やメタ科学は勿論、一般の自然科学や果ては哲学に至るまで、およそ「学」と呼ばれるものには一通りその名を残しています。
 A-T理論は二人によって生み出された理論であり、その名前の由来は二人の名前の頭文字にあります。また、A-T理論が科学界にもたらした衝撃は非常に大きく、科学史的には「第二次科学革命」と呼ばれています。
 二人の非常に高い知性の成因については、未だ精神科学的にも説明が付けられていません。また、その余りにも高い知性の現れを的確に表現するために、二人の間では独自の言語で会話が交わされていると言われます。

その他の学問分野

精神学  Mindology

 精神に関連する学問の総称です。主に、精神科学(Mind Science)、精神医学(Psychiatry)、精神工学(Mind Engineering)、心理科学(Psychoscience)、心理学(Psychology)の五つの分野に分類されます。
 精神科学は、精神存在の物理学的構造、動作原理、発生機構、そして精神の座となる脳や計算機などについての自然科学的側面を取り扱う分野です。超科学的物理学の時空理論により、高度精神の自己支持的な時空間構造が解明され、精神のある側面が物理学的に取り扱う事が可能になると共に、数学からの寄与と重なって高度な発展を遂げて来ました。
 精神医学は、精神に関わる医学的な理論と技術全般を指します。実際には非常に多くの分野に細分されており、しかもそれらのほぼ全てを修めなければ精神医となる事はできません。
 精神工学は、精神科学及び心理科学にその基礎を置く精神に関連する技術とその理論を含む分野です。人工精神や精神計算機、また生体の知能強化等の成果があります。
 心理科学は、主に精神の原理と機構を扱う精神科学に対して、各論的な行動科学として大きな枠組みを与える分野として対置されます。精神科学を物理学に例えれば、心理科学は生命科学に当たるでしょう。還元すれば扱う対象は同じでも、視点が違うために全く異なる方法論を取らなければならないのです。然し心理科学に精神科学の知見が全く含まれていない訳ではなく、むしろ積極的に援用しようとする傾向があります。
 心理学は、精神の学としての地位を精神科学と心理科学に譲ったものの、それらでは未だ扱いきれない領域を残しており、精神学の一分野としてなお生き永らえています。

魔法学  Magicalogy

 魔法に関わる理論と技術を扱う分野です。大きく魔法原理学(Magic Principliology)、魔法物理学(Magic Physics)、魔法医学(Magicatry)、呪文系統学(Spell Systemology)、魔化工学(Enchanting Engineering)、錬金化学(Alchemistry)、霊薬学(Elixiric Pharmacy)の七分野に分割されますが、境界は非常に流動的です。
 魔法原理学は、魔法の根本原理や発動機構、及び発動者についての領域を取り扱います。超科学により成立した分野で、A-T理論の成果を用いて魔法原理を解明することに成功しています。非常に複雑な理論の集合体であり、A-T理論同様に修得には大きな困難を伴います。
 魔法物理学は、魔法により生じる様々な現象について、物理学を援用しながら各論的に扱う分野です。魔法原理学が抽象的な原理を取り扱うのに対し、魔法物理学は実際に生じる現象について説明を付け、より即物的な理論を組み立てていく事を主な目的としています。
 魔法医学は、魔法を用いた医療に関係する理論、及び技術を総合した分野です。治癒系やそれを支援する各種の呪文、また魔化された物品に始まり、より基本的な魔法原理を用いた様々な手法についての広い知識を含みます。
 呪文系統学は、各呪文系統ごとの呪文の性質や、その系統に特有の呪文発動/構築における方法論を扱います。実践的な知識を多く含み、呪文の設計に携わる者には必須とされる分野です。
 魔化工学は、魔法の中でも取り分け魔化を専門に取り扱う工学の一部門であり、社会にとって魔化が欠かせない要素となっているこの世界では非常に重用されます。魔化系についての呪文系統学とは密接な関係があります。
 錬金化学は、錬金術を超科学的に分解、再構築して化学の中に取り入れた分野です。呪文によらず物質の性質を魔法的に変化させる現象を取り扱い、その原理と各論を共に研究します。薬学や材料工学と密接に関係します。
 霊薬学は、正確には薬学の一分野として位置付けられる分野であり、錬金術で作られていた霊薬の生成機構や作用機構、効率的な合成法、そして霊薬に関わる生命科学的な側面の研究を扱います。通常の薬学と同様に、医学とは密接な関係があります。

超為法学  Hyperiology

 超為法、つまり超能力とそれに類似の現象に関係する理論と技術を扱う分野です。超為法と魔法はその厳密な原理は異なるものの、その上の現象論に関しては魔法学と超科学上の親類関係にあり、内容に似ている部分が多く見られます。分野としては超為原理学(Hyper Principliology)、超為物理学(Hyper Physics)、超為医学(Hyperatry)、超為工学(Hyper Engineering)、超為心理学(Hyperpsychology)の五つに大別されます。
 超為原理学は、超為法の原理、発動機構、影響過程などの領域を扱うものです。A-T理論により基礎付けられた事で超為心理学から分離し、超科学的な展開が可能になって長足の進歩を遂げています。現在では超為法の原理は解明されており、また他の超為法分野にその成果を提供しています。
 超為物理学は、物理学的に超為法の現象論的、各論的な領域を扱う分野です。かつては超物理学(ParaPhysics)と呼ばれていた分野であり、現在では超能力から超為法一般にその対象範囲を拡大されています。
 超為医学は、超為法による医療に関連する理論、技術を含む分野です。他の分野の成果の結集体であるとも言われ、純粋な医療の他に超為法能力の強化・開発に関連する研究も超為医学の対象となります。
 超為工学は、超為法を応用した様々な技術の開発、及びその為の理論の構築を扱う領域です。超為原理学、超為物理学の援用により発展し、現在では社会を支える存在となっています。
 超為心理学は、超為法を行使する精神に関連する様々な理論と技術を含みます。かつて超心理学と呼ばれていた分野から派生したもので、超為法の訓練法なども超為心理学で扱われます。超為法学の分野では、

科学技術と超技術

 高度に発達した超科学は飛躍的な工学と技術の進歩もまた、もたらしました。その技術は超科学技術、或いは超技術と呼ばれ、様々な形を取ってUPSとその国民の生活を支え続けています。

エネルギーと物質  Energy and Matter

 UPSで消費されるエネルギーは膨大な量に上ります。それを支えるエネルギー生産機構もまた、それに合わせて驚異的な能力を誇ります。その多くは応用時空力学と時空間工学の成果です。
 また、得られたエネルギーを何らかの形式で保存し、運搬する技術も合わせて発達しています。

マナ=エネルギージェネレーター  Mana=Energy Generater

 マナを用いて極低エントロピー状態の空間=物質=共鳴混成エーテル集合体を生成し、其処から複雑な過程を経るサイクルを回転させる事で膨大な量のエネルギーを取り出す機構です。その大きさは装置全体が小惑星ほどもある巨大なものから、針の先程度の大きさしか無いものまで様々であり、勿論その生産能力にも天文学的な差があります。
 マナ=エネルギージェネレーターの最大の利点は、それが事実上の「永久機関」である事です。マナを消費しエネルギーを生産するのですが、サイクルを回すごとに最初に投入したのと全く同じか、若干多い量のマナが生成するため、「燃料」が尽きる事が理論上有り得ない上、機構に設けられた自動自己修復機能によって半永久的にその機能を保ち続けるのです。

質量転換装置  Mass=Energy Direct Converter

 質量を持つ物質エーテルを特殊な状態にある領域に投入する事により、物質エーテルは還元され、その全質量がエネルギーの形で解放されて膨大な放射となります。この現象を用いて大量のエネルギーを生み出す機構です。
 マナが主「燃料」として使われ始める西暦2600年頃まではこの機構がUPSの主力動力機関であり、現在も補助動力や緊急動力としてあらゆる場所で見かけることが出来ます。また、制御技術がマナ=エネルギージェネレーターに比べてかなり充実しているため、小型の機器に関してはこちらの用いられる事も少なくありません。

純エネルギー封印体  Pure Energy Condenser、PEC

 外界から与えられたエネルギーを一時的に時空エーテル内部に「蓄電」し、望む時に取り出すことの出来る装置です。1cm^3辺り10の30乗ジュールと言う限界密度を持ち、単位体積当たりの効率において他の「蓄電」装置の追随を許しません。然しその制御は難しく、一つ間違えれば装置全体が一瞬にしてブラックホール化し、その蒸発爆発で星一つを吹き飛ばす程の恐るべき事故を招きます――同様の原理で作動する兵器も存在しますが、通常のものを改造して兵器にするには様々な補助装置が必要であり、そのままでは実用的とは言えません。

高速充電パワーストーン  High Speed Charging Power Stone、HPS

 通常のものと比べ、極めて高い効率で非常に速く充電する改良型パワーストーンです。小型で低出力のマナ=エネルギージェネレーターであると言えます。パワーストーン本体とその内外において複雑に組み合わせられた機器が詰め込まれた魔法工学の最大の成果の一つとして、主に小型軽量小コストの機器におけるエネルギー源として使用されるほか、魔法や超能力を行使する際に疲労を分担する対象ともなります。利便性と扱いやすさから、一般にも広く普及しています。

対消滅停止空間

 対消滅を停止する領域を展開します。この内部では対生成した仮想粒子が対消滅することができないため、領域が維持され続ける限り物質と反物質がペアで生成され続けます。対生成に消費されるエネルギーは領域を維持するエネルギーとして供給されなければなりませんが、この領域を維持し続ければ効率よく反物質を生成し続けることができます。
 また、対生成を抑止する追加装置を用いることにより、反物質を不活性化する領域を作り出すことができます。これは反物質不活性化空間と呼ばれ、反物質を用いた兵器や動力源を機能停止させるために用いられます。

医療、及び生命工学  Medical and Life Engineering

 UPSの国民は、事実上の不老不死と完全な免疫を手に入れる事が出来ます。寿命は好きなだけ延長する事が出来、あらゆる病も然るべき処置により治癒する事が可能です。かつて人類の強力な行動原理となってきた死への恐怖は未だ脳の奥底に強くこびり付いていますが、然し普段の生活では現代の我々以上に意識されなくなっています。
 生物学の進歩は人工的な生命体の改良に及び、免疫力や筋力はおろか、運動性や記憶力、知性全体そのものに至るまで、ありとあらゆる生命に属する能力を生物学的な限界ギリギリまで向上させる手段が広まっています。また、生物としての形態を維持したままに生物学的な限界を超えて物理学的な能力の限界に迫ろうとする試みもなされていますが、肉体的な分野において限定された成果を上げるに止まっています。
 本来ならばその種族が持ち得ないような能力を付与する事も可能になっており、最早先天的な種族の能力の相違などは問題にならない世界となっています。
 万が一肉体が損傷を受けたとしても、病院において然るべき処置を受ければ最初から傷など無かったかのように治ってしまいます。また、病院に赴かずとも自動で肉体を高速再生させる技術も広まっており、更に再生では無く「復元」と呼ぶべき再生能力を付与する技術も開発されています。
 精神的な損傷に対しても、様々な手法によって的確な治療を行う事が可能になっています。また、この技術は治療以外の目的に応用する事も容易であり、軍ではしばしば用いられますが、一般には非人道的であるとして使用は敬遠されます。

生体復元技術  Life Restoring Technology

 軽い怪我から、内臓を損傷する程の大怪我まで、全て一瞬で治療する事が可能です。また、損傷によって完全に機能を失った肉体であっても、精神構造が健在であれば容易に復元し、生命を取り戻す事が可能です。精神構造もまた、機能を完全に喪失していないのであれば、後遺症は残る可能性があるものの修復が可能です。
 損傷の程度によりますが、生命復元は非常に複雑なプロセスを経て行われます。精神構造の把握と捕獲、肉体構造の推定、及び物質転換と再配列等を経て、原型を留めない程に損傷した生体が再び生を取り戻します。
 自らの意志で死を選んだ生命を復元する事は禁じられています。死を取り消す事が出来るのは、自らが意図しないままに死んでしまったか、或いは死を選択する事を問題に出来る知性が無い場合のみです。

疾病と毒物  Diseases and Poisons

 病原体――細菌、ウイルス、タンパク質、特殊な毒物、それにナノウイルス――これらが引き起こす疾病に対しては、既に完璧と言って良い程に効果の高い治療法が確立されています。しかしながら、全く未知の病原体に対しては対処療法しか行う事ができないという困難は、治療法確立に至る過程が極めて効率良く行われるようになったとは言え、この時代においても克服し切ってはいません。ですが、UPSの中においてはそうした危険はほぼゼロであり、一般市民が危険と意識するには及ばない水準に止まります。
 遺伝病に関しては、既に遺伝情報を制御する技術は完成されており、発見されてしまえば最も取るに足らない病気の一つになっています。癌に関しても、遺伝子正常化によって容易に治療する事が可能です。
 毒を持つ物質がもたらす危険は、技術の進歩につれて格段に大きくなります。解毒技術もまた進歩し続け、毒技術と拮抗状態に至るまでになってはいるものの、カタストロフィを容易に招きうる状態です。後述するナノウイルスがもたらす危険もまた一種の毒に分類され、同様の状態にあります。

生体操作技術  Life Controle

 「個人」と言う概念が曖昧なものになる程に、UPSの生体操作技術は進化しています。肉体、精神機能、そして記憶に至るまで、生体に関わるほぼ全ての要素は技術が操作する事のできるものとなっています。一部の夢想家達は、技術が永遠に手を届かせる事のできない「魂」が存在するとして概念としての生命と個人を救出しようとしていますが、その試みの成否は未だ不明です――そして恐らく、永遠に解かれる事は無いでしょう。
 肉体に関しては、精神構造が適応しうる限り、自由にその形態や機能を展開する事ができます。凄まじい筋力、特殊合金のような身体、超人的な感覚能力、精密機器のように動く四肢、病を知らない頑健な細胞、その他様々な諸能力を、生物学的な限界に至るまで引き上げられるのです。通常ではありえない容姿、普通とは数の異なる四肢、金属と適応できる肉体などもまた、そうした技術の一端として実現されています。
 一方精神に関しては、思考能力の強化は言うに及ばず、記憶能力と容量の増強、そして記憶内容の自在な操作に至るまで、肉体ほどの自由度こそ無いものの様々な操作が可能になっています。記憶の「売買」すらなされるようになり、また新しい個体として「生き直す」という動きさえ見られるようになっています。そうした状態に対して、法整備が追いついていないのが現状です。

人工生命と人工知性  Artificial Life and Intelligence

 生命の神秘はその大部分が覆いを外され、知識と技術の手が及ぶ所のものとなっています。複雑な代謝機構、緻密な遺伝機構、それに知性の根源たる精神構造に至るまで、全てを人の手によって制御し、生み出すことが可能です。
 人工生命体の肉体は有機体であることも、無機体であることもあります。より自然の生物に近い状態を目指すのであれば有機体の、能力を純粋に追求するのであれば半有機体、ないし無機体の素材が用いられます。
 人工生命体に知性が導入される時には、それが自発的な意志を持つものであるかどうかが焦点となります。単純作業に用いられるのであれば論理的な思考と最低限の感情機構があれば十分であって、自発的な意志を持たないように精神構造体が作成されます。然し、時には自然の知性体と遜色の無い情緒が求められる時もあり、そのような状況に対しても自発的な意志を持つ精神構造体を作成、挿入することで対処可能です。
 取り分け自発的な意志を持つ人工知性については、法的、政治的、そして更に深刻な倫理的問題が無数に提起されています――UPS政府は人工生命と人工精神の製作と運用を厳しく統制することで、それらの問題を先送りにし続けています。

不老と不死  Eternal Life

 テラナーは、生後間も無くして不老処置を施されます。全身の細胞は尽きることなく更新され、老朽化した器官も一定期間ごとに全細胞が更新されるようになります。これによって、全てのテラナーは老いる事の無い肉体と永遠の生命を手に入れます。長期間にわたるストレスによる精神の老化に関しても、本人が望めば何時でも改善することが可能です。
 上述した生体復元技術と組み合わせれば、彼らは事実上の不死を得ます。自然のままであれば生命の火が消えることは無く、肉体や精神がたとえ物理的に破損したとしても修復が可能であって、やはり死は訪れません。
 従って彼らの死は、本人の自由意志のみに委ねられる事項となっています。生存する権利と対等の権利として、死を選択する権利が重要視されるに至っています。

分子工学とナノマシン  Molecular Engineering and Nanomachines

 原子、分子、及びそれらが組み合わさった分子系単位で作業を行う超小型の分子をナノマシンと呼びます。また、それらをある機能を達成するために組み合わせたユニットをナノヴィールスと呼びます。(詳細は別ページで解説しています)
 ナノマシン、及びナノヴィールスは医療や生命工学は勿論、兵器から惑星のテラフォーミングまで実に様々な分野において広く用いられており、基礎である分子工学と化学と共に社会にとって不可欠の要素となっています。

移動と交通

 UPSの大規模な移動、及び運搬はその多くが瞬間転移によって行われます。然し、超光速航行や通常航行にも未だ存在意義は残っており、一部では活発使われ続けています。
 小規模の移動についても瞬間転移技術は多用されます。それ以外には、三次元的に展開されている都市や水中の都市の中を移動するための浮揚自動車から、原始的な自転車に至るまで、様々な方法が取られています。

双方向瞬間転移システム  Interactive Teleportation System

 二つの双方向転移用装置の組によって成立する転移システムで、互いの影響領域内部にある被転送体を、事実上ゼロに等しい時間で交換します。二つの被転送体を影響領域内でエーテルのレベルで混ぜ合わせ、混合エーテル場とした数瞬後に、それぞれ相手側の影響領域内で混合を「ほどく」ことによって、再び固定された状態として具現させ、転移を行います。
 一方通行の転移よりも安全で安定した転移を行う事ができ、また消費するエネルギーが被転送体の質量や体積、転送先までの距離にさほど依存せず、その絶対量自体も大きくないため、大規模なやりとりを固定された区間で行うような状況で盛んに用いられています。また、装置を設置して設定を済ませてしまえばその射程はほぼ無限であり、これも多用される理由の一つとなっています。
 双方向瞬間転移システムのネットワークは、広大な宇宙を覆うようにして網の目状に張り巡らされています。副星系が中核となって、移動星系と移動惑星、それに外部基地を結ぶ転移網が形成されています。主星系のある「カナン」へは、副星系に置かれている「ポータル」を通してしか連絡する事が出来ないため、主星系はネットワークからは相対的に少し離れた位置に置かれていることになります。
 転移に際して、交換された物体の相対運動は基本的に保存されてしまいます。その為、双方向転移システムには運動量保存則を補正するための、相対運動補正機能が組み込まれています。更に、送出部での全エネルギーが受容部の全エネルギーより大きかった場合には交換のコストが大きくなるだけですが、逆に受容部でエネルギーが小さくなる場合には、交換直後に差分のエネルギーが放射などの形で放出されてしまいます。これを吸収する機能もまた、システムには備え付けられています。転移システムが消費するエネルギーの八割は、実質的にこの二つの機能に使われており、転移機能自体を動作させる為のコストは二割程度でしかありません。

一方向瞬間転移システム  One-way Teleportation System

 ある領域にある被転送体を、現在地から目標方向へと伸びる円筒状の平行エーテル共鳴体を通して、時間のロス無く送り出します。平行共鳴体の形成は最低でも光速の100京倍(秒速300億光年)以上の速度で伝達し、一端それが形成されてしまえば、後はエネルギーを与えて共鳴体の中を押し出すようにして一瞬にして移動させる事ができます。この時、与えるエネルギーの大きさを変化させる事で移動距離を自由に操作することが可能です。
 双方向瞬間転移システムとは異なり、一方向の瞬間転移システムは被転送体の質量、体積、電荷、材料特性、移動距離、その他様々なファクターによって押し出す際のエネルギー消費が大きく変化します。大きな体積や質量を持つ物体の転移はエネルギーを大量に消費し、電荷は更に大きなマイナスの寄与を与え、勿論移動距離が長ければ長いほどエネルギー消費は増大します。人間程度の大きさと質量の物体を数km転移させる程度であれば小型PECで何十回と行えますが、戦艦規模の物体を何百億光年単位で転移させる際のエネルギーは太陽の一時間の放射を蓄えたものでも足りません。
 一方向の転移は、基本的に押し出し型で行われます。即ち、転移先に既に存在していた場を押しのけるようにして、新しい場がそこに割り込む形式を取るのです。物質も場の一形態ですから、送り先に既に何らかの物質が存在していた場合には、それを強引に押しのけて転移する事になります。この結果は二通りに分かれ、反発が十分に強ければ一歩手前で余剰のエネルギーによる放射とともに現れ、反発が弱かった場合にはそのまま押しのけて転移する事になります。
 一方向瞬間転移システムは、主に建物内部での移動手段や、戦艦の長距離航行に用いられます。

光速操作航法  Controle Light Speed Drive、CLD

 物体の周囲を、内部の相対光速を上昇させる特殊なフィールドで包み込むことにより、光の速度を超えて物体を運動させる航法です。第一速度(アインシュタイン速度、通常時空の中での1光速)と第二速度(ティアッツァ速度、アインシュタイン速度のおよそ10の8乗倍)それぞれに対応する異なるフィールドが開発されており、第一速度に対するものはペルト・フィールド、第二速度に対するものはオールヴ・フィールドと呼ばれています。いずれも、開発に大きく貢献した科学者の名前が付けられています。
 超光速航行中にフィールドが崩壊すると、内部の物体は瞬時にしてアインシュタイン速度まで強制的に減速させられます。減速はプランク時間に迫るほどの僅かな時間で行われるため、慣性力で物体は破壊されるか、さもなければ核反応を起こして爆発するかのどちらかでしょう。更にこの減速過程は物理法則の構造に負担をかけるために、周囲に時空間エーテルと法則の歪みを撒き散らしてしまいます。

慣性力操作技術  Controle Inertia Technology

 瞬間転移によらない、何らかの形で物体を加速し移動するタイプの航行では、必ず運動状態を変更する際の慣性力が問題になります。短時間で光速に迫るほどの速度を得るような加速においては、慣性力は殺人的な大きさとなって生体はおろか頑強な物体にも損傷を与えるでしょう。
 この慣性力を操作し、安全な航行を行うための技術が慣性力操作技術です。
 UPSでは、運動する物体を構成しているエーテルと周囲のエーテルを部分的に切り離してしまうフィールドを作り出すことによって、フィールド内部のエーテル並びに物質を相対的な静止状態に置くことによりこれを解決しています。このフィールドは真紅に輝くことからクリムゾン・フィールドと呼ばれており、外部からの攻撃に対して暗黒幕の内側にある第二の防御幕として機能させることも可能です。

通信と情報  Communication and Information

 高度に発達した通信技術は、情報を超光速で伝達することを可能にしました。速度の上昇に劣らない勢いで正確さや収束性能も大きく進歩しており、宇宙の端から端までものの数秒で、傍受されずに、そして殆どデータを失うことなく送信を行う事が可能です。
 また、データの暗号化も極めて精緻に行われており、それを解読することは他の文明には不可能であり、テラナーであっても専門家がじっくりと取り組まなければなりません。
 この超光速通信網はUPSのあらゆる領域を縦横無尽に結び付け、休むことなく膨大なデータを交換し続けています。誰でも準備を整えさえすればその網の中に潜ることができ、莫大なデータに触れることができます。
 その莫大なデータを処理するための装置もまた高度に発達しており、ネットワークを支える通信設備と論理計算機の性能は物理学的な限界に迫る勢いで今も伸び続けています。非論理処理装置も多用され、論理計算機の処理を補佐する形で様々な状況に対応できるように設計されています。
 高度に情報技術が発達していく一方で、人工知性の開発も進行しています。今や、自然に存在する知性と遜色の無いものを作ることが可能になっています――複雑な倫理的問題を抱えながらも、研究は加速度的に進み続けています。

コンピュータ

 コンピュータは大きく三つの部分に分類されます。即ち、データ操作を担当する処理装置(プロセッサー)、データ保持を担当する記憶装置(メモリ)、外界とのデータ交換を担当するインターフェイスです。この基本的な構造自体は、現代の我々の用いているコンピュータのそれと変わりありません。変化しているのはそれぞれの方法、つまり「どのように処理を行うか」「どのように記憶を行うか」「どのようにデータを交換するか」という点です。

処理装置

 データ処理は空間素子(エーテル素子)を構成単位として行われます。これは一つ一つの空間エーテルを素子として用いるもので、微妙な状態の重ね合わせを用いてデータを並列的に処理します。
 空間素子は非常に複雑な構造体です。空間の構成単位であるエーテルを素子に用い、また更に空間畳み込みも用いる事によって、素子の密度を事実上の物理学的な限界にまで持ち上げています。また空間エーテル同士の連絡を超光速ベースに乗せることで時間のロスを大きく短縮しています。この素子の維持に使われるエネルギーは膨大なものであって、装置を重く感じさせてしまうほどの量になります。従って、空間アースが上手く機能しないと、処理装置が破壊された場合に大事故を招いてしまいます。
 データ処理の方法は、二値論理をベースにする論理処理装置と、それを発展させて曖昧な状態を処理できるようにした状況処理装置から成ります。前者は高速、かつ論理的に正確にデータを処理する事ができますが、対象の数が膨大な状況で判断を求められると使いものにならなくなります。後者は処理自体は低速で、然も確実な結論を導く事は原理上不可能とされていますが、現実的な状況を論理処理よりも的確かつ素早く処理することができます。

記憶装置

 多用される記憶装置は二種類あります。
 一つは空間メモリと呼ばれるもので、空間素子と同じ原理で動作します。内部の状態を停留状態に置くだけで、素子は恒久的な記憶装置に変化します。その際に余剰のエネルギーが加えられるため、メモリは素子よりも更に重くなります。空間メモリはデータの交換を高速で行う事ができ、またデータの密度も大きいのが長所ですが、逆に周囲の環境に敏感でデータを比較的失いやすいという欠点もあります。そのため、素子と原理を同じくするためデータ交換が容易であるのも手伝って、外部記憶装置としてよりは内部記憶装置の素材として用いられます。
 二つ目は記憶結晶体(メモリークリスタル)と呼ばれる特殊な素材で、光学的、三次元的にデータを保存します。空間メモリに比べるとデータ交換速度、データ密度ともに大きく劣りますが、構造が頑丈でデータ欠損が殆ど生じないため外部記憶装置として用いられています。

インターフェイス

 コンピュータとの間のやりとりは多くの場合、昔ながらの方式で行われます。入力は空間上に投影・実体化されたキーを叩く事で、出力はやはり投影された立体像を通じてなされます。
 一方で、新しいタイプの方式も存在します。
 その一つはテレパシス・インターフェイス・システム(TFS)と呼ばれるもので、コンピュータとの入出力はテレパシーを介して行われます。もしも所有者がテレパスであれば、自ら機械に対して接触を行うことにより、情報を双方向でやり取りすることができます――これは思考の速さで行われ、通常のやり取りに比べ数千倍もの速さで情報を交換することができます。一般の人々の場合は、機械側から人々の精神に接触を持ち、一方的なやりとりを行うことになります。その速さは十倍程度であり、通常のやりとりと比べれば高速ですが、双方向の接触と比べると性能は格段に落ちてしまいます。

超兵器と防御技術

 高度な技術が応用される兵器は、それに応じて凄まじい効力を有します。中には惑星や恒星はおろか、銀河や宇宙規模でのカタストロフィを引き起こす程の威力を有するものも存在し、20世紀に忌み嫌われた核兵器と同様の扱いをされています。UPS政府はその製造を超技術を駆使して抑止しており、製造の為の情報もUIA中枢部の奥底に封印されています。

巨大エーテル分解砲  Huge Ether Disintegrater Canon

 射線上にあるエーテルを分解、還元する波動を射出することであらゆる物質存在、およびエネルギー存在を破壊する武器です。波動は光速で伝播し、あらゆる存在を分解してしまいます。
 破壊されたエーテルが含有していた余剰エネルギーは基本的に超光速のエーテル振動の形で放射され、通常の放射としては大量のニュートリノと反ニュートリノのみが生成し、飛散していきます。

物質転換装置  Mass Converter

 対象領域に存在する質量を持った物質をエネルギーに転換する事によって破壊、及びその際の放射により核爆発を引き起こす兵器です。威力は転換される質量の総量で決定され、大規模な転換を起こせば惑星や恒星を破壊する事も容易です。マス=エネルギーコンヴァーターは物質転換装置と同様の原理で機能します。
 遠距離から特殊な場を投げかけて転換を行うものでは、装置がかさばる上に消費するエネルギーも膨大なものになりますが、大規模な転換を行う事が出来ます。一方、小型の球状場を銃器によって発射するタイプのものは、威力こそ低いものの取り扱いが容易でエネルギー効率も良いため、防御場に遮られなければ極めて効果のある武器となります。

超新星爆弾  SuperNova Bomb

 核反応を操作し、鉄コアを持つ超巨星を人工的に重力崩壊させる事で、任意のタイミングで超新星爆発を誘起する爆弾をII型超新星爆弾と呼びます。また、鉄コアを持たない恒星に対して、その核反応を加速、暴走させる事で同じく超新星爆発を誘起する爆弾をI型超新星爆弾と呼びます。
 共に戦略兵器としては非常に強力な部類に入り、物質転移技術と組み合わせれば恒星ごと転移、爆破と言った行為も可能になって益々その威力は増大します。

暗黒幕  Dark Cartain

 A-T理論成立以来発展し続けてきたエーテル制御技術の最高峰と謳われる、UPS最高の防御技術です。
 暗黒幕の実体は、励起エーテル解消領域とエネルギー伝達収束システムが組み合わされて構築された漆黒不透明の球状フィールドです。励起エーテル解消領域が外部および内部から飛び込んできたエーテル伝導を解消し、そこで生じたエネルギーをエネルギー伝達収束システムが回収、収束した上で主装置に還元することにより防御と対探知を行います。
 励起エーテル解消領域は、暗黒幕の最外部にあって防御の主体となります。これは外部および内部から伝播してきたエーテルの励起状態を解消し、エネルギーに転換してしまうものであり、物質や放射は勿論、その他の場による干渉に対してもエネルギーへの還元によって無効化することを可能にしています。
 暗黒幕は単に防御を行うだけではなく、星系全体をくるむことによって恒星からの放射を回収し、膨大なエネルギーを手に入れる為にも用いることができます。UPSが所有する全星系は暗黒幕で包まれ、恒星に発するエネルギーによってその膨大なエネルギー消費を賄っています。
 また、三大主星系が置かれているカナンは、時空間分離フィールドを重層的に付加された暗黒幕により支持されている、高階禁制帯に浮かんだ人工の小宇宙です。ここでも恒星の放射は回収、利用されています。

生活技術

 日常生活に密着した技術です。他の技術の応用を多く含みます。

食事制御

 食事は、代謝に必要な物質を外界から取り入れる為に行われます。従って、必要な物質を体内で生産し、賄うことが出来るのであれば、原理上食事は不要になります。ナノヴィールスの中には、そうした肉体の需要に応じて必要な生体物質を生成するものが存在し、それを投与されれば飢餓とは無縁の生活を送る事ができるようになります。
 然しながら、それでも人々は食べ物を味わい、味を楽しむ事を忘れてはいません。「人はパンのみにて生くるにあらず」の金言は、未だこの世界で生き延びています。

睡眠制御

 睡眠のメカニズムが明らかになり、それを制御する技術も自然に生み出されました。現在、テラナー達は一日に一時間半の睡眠を取れば十分に健康的な生活を送る事が可能になっています。もしも望むのであれば、幾らでも覚醒し続ける事が可能です。
 普段の睡眠制御には、遺伝操作及び脳に作用するナノヴィールスが用いられます。生後間も無く処理が施され、本来の五分の一の睡眠で心身を賄えるようになります。不眠状態を達成するには更に特殊な薬剤が必要で、これは現代の強壮剤と同じ感覚で入手する事ができます。
 しようと思えば、永遠に睡眠から開放される事も可能です。然しそれをしないのは、睡眠と夢に人々が深い愛着を覚えているからに他なりません。心地よい眠りは、人々にとって最高の癒しとなりうるのです。

衣料

 UPSでは、衣服を何十着も家に揃えておく事は稀です。大多数の人間は、分解/再構築プロセスによってデータ通りに変化する特殊な衣服一着で事を済ませています。きちんとした繊維でできた服を着用するのは、公式の場に赴く時、或いは金持ちの道楽に限られているでしょう。
 衣服のデータは売買されるものとなっています。ごく普通のスーツや作業着などは非常に安価ですが、流行を追いかける類のデータは頻繁に更新され、かつ高価になる傾向があります。

住環境

 人口密度の高い地域では、居住空間は空間圧縮技術を用いて極限まで詰め込まれてます。東京第一種特別区の人口20億人と言う数値は、この技術の粋を集めて達成されたものです。また、全長がkm単位になる巨大な建築物の内部では、遠距離間の移動に転移装置が用いられることも珍しくありません。
 一方で、辺境の移動星系や移動惑星では昔ながらの一軒家や高層建築が主に見られます。勿論その外見は現代と比べればかなり変化しているでしょうが、本質に変化はありません。

ゲーム設定

追加ルール

負傷による気絶、及び死亡判定の変更

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能力値について

能力値を上昇させるCPの減少

 様々な技術の発達により、高い能力値を後天的に獲得することは珍しい事では無くなっています。その為、高い能力値の価値が相対的に低下します。
 敏捷力、知力、生命力を上昇させるCPは通常の5分の1になります。
 体力は追加体力表を用いて上昇させ、必要なCPは通常の25分の1になります。
 意志は1CPで+1する事が出来ます。
 鋭敏感覚は2CP/Lに、鋭敏視覚・聴覚・味覚は1CP/Lになります。
 追加疲労点と追加HPは、1CP/Lになります。

能力値の生物学的な限界

 能力値を容易に上昇させる事が可能になっていても、際限なく伸ばす事が出来る訳ではありません。生物学的な上限領域が存在し、それを超えて能力を上昇させる事は余程強引な手段を用いない限り不可能です――詰まり、別途のCPが必要になります。通常の設定で作成されるPCは、この限界を超える事は出来ません。
 体力と疲労点は50が上限です。
 敏捷力、知力、生命力、意志は20が上限です。
 感覚基準値もまた、全て20が上限です。
 HPの上限は生命力の五倍です。

特徴について

不利な特徴について

 殆どの不利な特徴は、高度な技術によって後天的に補正する事が可能です。従って、基本的に全ての不利な特徴は後から買い戻す事ができます。
 一方で、不利な特徴が存在しにくい世界である事も確かです。身体的な障害は勿論、問題のある性格傾向まであらゆる欠点は修正する事が可能であって、然もそうしないでいる理由は殆ど無いためです。
 然し、ゲーム的な面も考慮して、そのCPコストと内容はGURPS Basicなどに書かれているものをそのまま用いる事にします。

有利な特徴に必要なCPの減少

 能力値と同様、有利な特徴に当たる能力が後天的に付与される事は一般的に行われています。従って、それらに必要とされるCPは通常の半分(端数切り上げ)になります。また、基本的に全ての有利な特徴は後から取得することができます。
 但し、「魔法の素質」と超能力のパワー、妖術の威力についてはこの減少に含まれません。
 良く用いられる特徴のCPを例示します。
 「我慢強さ」(5CP)
 「戦闘即応」(8CP)
 「超反射神経」(30CP)
 「音楽能力」(0.5CP/L)
 「数学能力」(5CP/L)
 「記憶力」(15CP/30CP)

変更のある特徴

「数学能力」  5CP/L

 1Lにつき、数学やプログラミングに関連する判定に+3のボーナスを得る事が出来ます。最大で5Lまでしか獲得できません。

「記憶力」  15CP/30CP

 「記憶力」による精神技能へのボーナスを変更します。
 15CPの「記憶力」を持っていると、言語系や学術系の技能を上昇させるCPは半分になりますが、それ以外の系統の精神技能に関しては技能レベルに+1のボーナスを受けるに止まります。
 30CPのいわば「完全記憶力」では、言語系や学術系の技能上昇CPは四分の一になりますが、それ以外の精神技能に関しては技能レベルに+2のボーナスを受けるに止まります。

「魔法の素質」  15CP/10CP/10CP/以降+1Lごとに10CP

 「魔法の素質」の上限レベルを撤廃します。4L以上の非常に優れた素質を必要とする呪文も存在します。
 この場合、特徴のレベル制限は超能力のパワーや妖術の威力同様、無視して構いません。

追加特徴

「生物学的限界無視」  対応する能力ごとに100CP

 体力、敏捷力、知力、生命力、疲労点、意志、視覚、聴覚、嗅覚・味覚、HPごとに別々の特徴として扱います。CPは別途支払う必要があり、べつべつにとった「生物学的限界無視」が互いに影響を与え合う事もありません。
 この特徴によって、定められた能力値を生物学的な限界を超えて伸ばす事が可能になります。但し、それは非常に人工的な手段によるもので、急速に対象の「生き物らしさ」は失われていきます。肉体を強化すれば冷たい機械のようになり、脳を強化すれば感情は情緒が薄れ、強過ぎる意志は精神病を招く事がしばしばあります――この特徴を取得するにあたっては、然るべき特徴を最低でも-10CP分余分に獲得する事をGMが義務付けても構いません。

技能について

精神/超至難の技能のレベル

 精神/至難よりも更に難しい技能を表現するために、精神/超至難を導入します。
 消費CPと技能レベルの関連は以下の通りです。

 0.5CP 基準値-5
 1CP  基準値-4
 2CP  基準値-3
 4CP  基準値-2
 8CP  基準値-1
 16CP  基準値±0
 24CP  基準値+1
 +8CP  更に+1

追加技能

学術系技能

A-T理論  精神/超至難  技能なし:なし  前提:<「超」数学>(30)<物理学>(30)

 超科学の基盤となる究極の物理学です。 法則の変化と基礎となる物理法則、マナの生成と性質、魔法や超為法の原理の提供などに貢献しています。
 非常に抽象的なメタ法則の関わる諸問題、即ち宇宙の起源やその詳細な構造、マナの本性、法則の記述などについての質問に答えることができます。然しながら、A-T理論の成果は<物理学>にも含まれているため、前面的にA-T理論的な枠組みで対処する必要がある場合以外には<物理学>でも判定を行うことができます。
 (A-T理論の深い知識を用いて通常の現象を一々記述するのは、素粒子物理学の法則をそのまま用いて天体の運行を厳密に予測するのと同じぐらい意味の無い行為です)

「超」数学  精神/超至難  技能なし:なし  前提:<数学>(30)+知力20以上

 従来の数学が新たに生み出された特殊な論理構造、及び様々な新しい手法を導入された事によって飛躍的に発展し、遂には独自の体系を築くに至った数学の新しい分野です。
 A-T理論の記述方法であり、またさまざまな数学上の難問に新しい解決法を与えています。

装備について

魔法について

PCの魔法取得について

 機会は豊富に用意されているため、PCが呪文を取得するために特殊な背景等を設定する必要はありません。好きな系統の好きな呪文を修得する事ができますが、悪用すれば然るべき法によって罰せられます。呪文行使を見張る機器が存在する事を、決して忘れないで下さい。
 また、マナ制御によって、主星系や副星系、移動星系内部のマナ密度は密(+4)に固定されています。移動惑星に関しては、マナの遮蔽が悪いために密(+0)となっています。

魔法の教育

 呪文を扱うための実践的な魔法の教育は、基本的に専門の組織で学ぶか、教師となる人物に個人的に教えてもらう形で行われています。武術と同じような感覚で、彼らは呪文を学びます。
 一方で、魔法学についての簡単な知識は義務教育の中に含まれていますし、大抵の大学には魔法学及び応用魔法学の専門課程が用意されています。また、呪文を扱えない魔法学者も数多く存在します。

追加呪文

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即興呪文

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魔化

 魔化は殆ど全てが機械化、自動化されています。人が直接魔化を行う事は極めて珍しく、魔法愛好家の道楽以外では見かける事はまずありません。
 かつて魔化は不安定で、不確実な行為の代名詞でした。然し、現在では「散歩をするよりも安全で確実」と言われるほど安定性、確実性は向上しており、更に機械化された事によって高速かつ大量に生産することが可能になって、一大産業を築いています。また、魔化された物品の多くは部品単位で製品に組み込まれており、純正な「魔法機器」と言うものは殆ど存在しません。

錬金術

 錬金術元来の対象であった霊薬は、現在では霊薬学と錬金生化学、それに生命科学の諸分野によって扱われる対象となっています。純粋な霊薬はもはや存在せず、錬金過程はより優れた薬剤を生み出すための一つの工程に過ぎません。そのため、その技術は身の回りの薬剤ほぼ全てに及んでいるものの、明確に「霊薬」と言う対象で捉えることはできません。
 物質の性質を変化させる錬金過程については、薬剤よりはむしろ材料創製に多用されています。魔化とは異なる原理によって、マナの存在しない領域でも有効に作用し、更に錬金効果は非常に粘り強く壊れにくいため、身の回りの物品の殆どに用いられるに至っています。その他の超材料技術と合わせて、常識では考えられない水準の物性を持つ素材が作られています。

超能力について

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