このページの隠れた英文タイトル↓に尽きてしまうであろう。
How Do You Translate HOSANNA in English?
……かなりの無理がある。日本語での実例を少し挙げると:

  1. 昔、大閣秀吉が日本を平定したころのこと。
    秀吉、あろうことか、正妻・北の政所と、
    楽隊の前で尾張のお国言葉で夫婦喧嘩したとか。
    「どう思う?」
    と秀吉に聞かれて楽隊の笛吹き
    「どちらが理ぃやら非ぃやらら」
    など と当意即妙に応えたそうである……。 どのようにポルトガル語(否・英語にも)訳したものやら??
  2. 時は下って、ヴィクトリア朝の大英帝国。
    ギルバート&サリヴァンといったヒトたちは、架空のネバーランドとしての「ニッポン(チチプの町)」を舞台にしたオペレッタ「ミカド」を作詞作曲、上演したという。
    「ミカド」登場シーンに演奏されるのは……「ミヤサマ・ミヤサマ」(オンマノマエニ・ピラピラスルノワ・ナンジャイナ)。この日本初の鼓笛隊向けマーチには、
    「トコトンヤレトンヤレナ」
    という囃子言葉がついている。 アチラ(欧米)側の解説者の中には「トコトン・ヤレ」という語を、無理やり卑猥な言葉と曲解している者もいる。
    #まあ、無理からぬ話ではあるが。
さあ、……ということで、この「ガマズミ」の歌。

囃子言葉満載である。
そもそも歌のリフレイン自体が、呪文のような囃子言葉になっている。
カリンカ・カリンカ・カリンカ・マヤ……

моя(マヤー)というのは物主代名詞で、女性名詞を修飾し……
という具合に「直訳」調で書いたのが、表のページの歌詞である。
一般に、最初の「カリンカ・マヤ」まではカタカナで書くことが多い。 問題は、リフレインの中のコレ↓

「アイ・リュリ(ダ)・リュリ……」
さあ、困ったぞ、何と訳そうか?……と、楽団カ*ューシャは「ラララララ……」でごまかしている
(楽団カチ*ーシャは、別のロシヤ民謡で、許しがたい「訳詞」をしているので、ここではあまり深く追求しないでおく)。

「ワッショイとは『神まいる』という古代コリア語だ」
風の妄説・こじつけで、ここは「ホレ・めでたや」と訳してみた。
どの辞書を見ても、「リュリ」は「囃子言葉」で「ほれ」「それ」あるいは(俗語)「すばらしい」「ステキだ」などと書いてある。また、「アイ・リュリ」という俗語慣用表現「うまいものだ」「驚嘆するばかりだ」とも書いてある。
いまいち、センス・語感が伝わらねぇナア
というのも、語尾が「リ(ли)」とくると、思わず「動詞(主語は複数)」とか感じてしまうんだよね……。しかも、「リュリ」とくると、(誤訳なんだけど)「萌えたぜ」という語感があるんだよね。
ゆえに、ここでは「ホレ・愛でたや」などと訳してみた。


ちなみに、ホサンナは、そのままカタカナで書かれることが多い。もともと「神に救いを求める」言葉だったのが、なぜか「神を賛美する言葉」になったのである……こればかりは、翻訳、ムリw。